田辺聖子「おそすぎますか?」

評価

★★★☆

ひとこと

田辺聖子さんのエッセイを以前読んで、好感をもったので買ってみました。
最初2作くらいを読んで、一瞬「うんざり」しかけたのですが、
少し読み進めていくうちにじわーっと味が出てきました。
よくよく見てみると、本書はさまざまな短編集から寄せ集めたとのこと。
だから、続けて読むと同じような話が集まってしまって単調に感じられたんだと分かりました。
あとがきにある「小さな一口落語のつもりで書いていた」という言葉に納得。
そう、“ユーモア”のある女性ってホント少ない。私もかくありたいと思うのです。
表題作「おそすぎますか?」は本当にどっきりとする話です。

分類

収録作品

  1. 夢とぼとぼ
  2. あんたが大将
  3. おそすぎますか?
  4. ぎっちょんちょん
  5. 友を背にして

気になる表現

双方が、
(ああ、こいつのために働かなくては)
と思い、りんりんと勇気をよびおこしているとすれば、これはやっぱりどっちが夫、どっちが妻、というのでもなく、戦友同士であるにちがいなかった(p227)


メモ

  1. 妻が東京に単身赴任してしまってさびしい夫の話。
  2. 田舎モンの専業主婦がある事件をきっかけに都会風に働き始める話。
  3. 仕事仕事で、夫に安らぎを求めたOLの話。
  4. 漫才の相方(夫)が突如亡くなり残されてしまった中年女の話。
  5. 体を壊して妻の稼ぎで悶々と暮らしている中年オトコの話。

参考


主人公

  1. 大沢、40歳サラリーマン
  2. 辰野、大柄で田舎者の妻を持つ夫
  3. 麻ちゃん、出版社の仕事が大好きなOL
  4. 花奴、夫婦漫才で夫に先立たれた妻
  5. 稲尾、妻の稼ぎで悶々と暮らしている中年夫

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最終更新:2010年08月21日 17:58