伊東乾「『笑う脳』の秘密!」(2009)
評価
★★★★
ひとこと
父の蔵書から拝借。装丁も手に取る一因となりました。
音楽の世界では、「(心の中で)歌っていないから表現が豊かにならない」という指導はよくあります。それは分かったようで当の本人にはどうしてよいか分からない指摘なのです。
この本ではもっと科学的に(!?)アプローチしています。
脳科学者といえば茂木健一郎氏の露出が高いですが、彼の文章とは異なりとても平易な言葉で書かれていてとても読みやすい一冊でした。
分類
目次
はじめに――ココロにアクビ、脳には笑いを!
introduction ステージマナーと深呼吸――脳の「ブレス」を大切に
- 呼吸を忘れるピアニスト
- スポーツ選手の集中力
- 「天才」はノウハウを知っている
- 演奏中の脳を見る
- 「頭が真っ白」を検証する
- シマウマとライオンの出会い
- 人間らしい脳を働かせる
Section 1 悩の息継ぎ、ココロの息抜き――音楽家の反射神経トレーニングから
- 記憶力のずば抜けた人?
- 才能か? テクニックか?
- 音楽家の暗譜テクニック
- アタマ・ココロ・カラダを同時に使う
- モーツァルトも快感には弱い
- 指揮者の一番大切な仕事
- 音楽のテクニックはスグレモノ
Section2 笑う脳の秘密――常識から自由になる発想法
- 感情を脳で見る
- 「笑い」と「癒し」がヒトを人間らしくする
- ミュージシャンの楽屋での知恵
- 脳の中の動物園
- 動物園をサーカスに
Section3 別れ話と携帯電話?――メディアとココロの意外な関係
- 「見えないケンカ」は暴走しやすい
- 「ウサギ」の知覚、「カメ」の知覚
- メディアと器官による知覚の違い
- 振り込め詐欺にご用心
- 脳の進化を「自己意識」で考える
- 子どもを見れば進化が判る
- 「笑う脳」は騙されにくい
Section4 「笑う脳」は何をしているのか?――ことばから脳を考える
- ベルクソンと「おやじギャグ」
- 百人一首も「交叉」がお好き
- 「交叉」の秘密を脳で見る
- コンピューターと脳の違い
- 「融通が利く」か? 「石頭」か?
Section5 賢い悩は見通しがいい――地アタマを良くする勉強法
- 「笑う脳」は余裕がある
- 外交官と恋の駆け引き
- 勉強するとバカになる
- 地アタマを良くする本物の勉強とは?
- カーニバル・笑い・オバマ
- 「分析」する科学と「統合」する地アタマ
- 知の三点支持
- ポイントは「嫌いにさせない」「苦手意識を忘れる」
Section6 窒息したがる脳もある!――「笑わない脳」の逆襲
- 中枢は末梢の奴隷
- 窒息したがる脳もある
- セックスは理性をマヒさせる
- ヒトは魚にもワニにもなりたい
- 情報の生活習慣病
- 過剰適応が脳の窒息を生む
- 「アートはフィーリング」ではない
- テクノ・ミュージックは騒音か?
- 「音楽の問題は脳の問題である」
action plan 幸せを創造する賢い笑い方――脳の死角を跳び超えて
- 推理小説はなぜ面白い?
- 期待も不安もあるのが未来
- 幸せは小さなサプライズから
- 人生は設定不良問題
- ベルクソンの「生の跳躍」
- キレる若者の誤ったジャンプ
- 「笑う脳」のゴールデンルール
- 「チキンハート」から「笑ってジャンプ」へ
- 「生のジャンプ」はワン・スマイルで
メモ
―fNIRS(近赤外光吸収スペクトロスコピー):脳血流可視化装置
- 電車の風景を覚えるトレーニング=暗譜のトレーニングの一環として
- 中心周縁理論(山口昌男):日頃社会の周縁部にいる人が、特別な日に真ん中に来ることで笑いと活気を呼び起こす。
- アート教育の利点
- 必要な情報が不足しているとき、合理的に推理して判断する現実的方法を学ぶこと
- 主観的に良いと思ったものを、客観的に考え直すことで感情コントロールを学ぶこと
- 笑う脳のゴールデンルール
- ダウトの習慣:何か強い感情に動かされたときに自分の感情を見直す/疑う(カメの理性)
- クールダウンさせる気分転換法を持つ
- チアーアップの方法を持つ(自分の脳を笑わせる)
- 冷静な戦略(解ける部分から解く)
- 確実なジャンプを跳ぶ意思決定
参考文献
最終更新:2010年08月21日 17:37