金森誠也 「世界の名言100選」(2007)
分類
目次
第一章 自然・真理
1 万物は流転する
2 火が温かさを、雪が冷たさを発するように、至高の存在は理性を発生させる
3 日本の仏教の高僧は、霊魂は不滅であるか、
それとも身体とともに死ぬかについては何らの定見もない
4 仕草に台詞を、台詞を仕草にあわせてくれ。
ただくれぐれも自然のほどあいを越さないことだ
5 我思う、故に我あり
6 完全な幸福などない。人類はすなるゆにつくられていない
7 時間が万物の中で最も貴重なものであるとすれば、
時間の浪費こそ最大の浪費である
8 ミネルヴァの梟は迫りくる夕闇とともにはじめて飛びはじめる
9 私はこれまでなじんできた考え方とは違って種が不変でないことを確信した。
まるで殺人を自白したような気持ちだ。
10 贅沢品とか生活の慰みと呼ばれているものの多くは、単に不必要であるばかり
でなく、かえって人類の向上を妨げている。
11 哲学者たちは世界を解釈してきたにすぎない。大切なのは変えることだ
12 兄弟よ、私はお前たちに誓う。大地に忠実であれ!
そして超地上的な期待について語る者を信じてはならない。
13 たまには踏みならされた道を避けて、森の中に入り込むのがいい。
今まで見たこともないものを発見できるに違いないからだ
14 人格は美しい弁舌によってではなく、労働とおのれの業績によって形成される
15 もともと地上に道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ
16 決断とは、目的を見失わない決心の維持にほかならない
17 知識を得たいなら、現実を変革する実践に参加しなければならない
18 少なくとも一度は人に笑われるようなアイデアでなければ、
独創的な発想とはいえない
19 幸運は、向こうからやってくるものじゃない、
自分で探して追いかけるものだ
第二章 人・人生
20 人は必要に迫られると、すぐに実力を発揮する
21 故きを温ねて新しきを知ればもって師たるべし
22 私は自分が何も知らないことを知っている
23 大器は晩成す
24 人生は短いのではない。我々がそれを短くしているのだ
25 天才とは永遠の忍耐だ
26 我々に向かって何物かを禁じることは、
我々にそれに対する欲情を感じさせてしまうことになる
27 感謝は支払われるべき当然の義務だが、それを期待する権利は誰にもない
28 いたるところに無知と驚くべき暗闇がある
29 事物の中で最悪なのは決断できないことである
30 我々の生は苦しみと退屈以外のものからは成り立っていない
31 英雄とは普通の人間より五分間だけ長く勇敢でいられる人物だ
32 「自分は今幸福だろうか?」と自分の胸に聞いた瞬間、
幸福ではなくなってしまう
33 人間にについての最良の定義は、感謝を知らない二本足の動物だと思う
34 天才とは一パーセントのインスピレーションと九九パーセントの汗である
35 人間は哀れむべきものではない。尊敬すべきものだ。
36 金を失うのは些細なことで、名誉を失うことは甚大だ。
だが、勇気を失うことは全てを失うことだ
37 他人に接して苛つくことの全ては、自分自身の理解に役立つ
38 人生で大切なことは、愛と勇気といくらかのお金だ
39 年寄りになったからって、賢くなるもんじゃありませんよ。
用心深くなるだけですな。
第三章 愛・精神
40 恋愛とは感覚的なものが、精神的なものに前進しようとする努力である
41 節度ある生活の最大の成果は自由である
42 歓楽極まりて哀情多し
43 汝の敵を愛せよ
44 戦争、飢餓の苦悩、荒廃が続く。
しかし人はおのれの心をこの世に拘束されてはならない
45 あなたの所有物をことごとく惜しまず、
キリストの愛のために貧しき民に与えなさい
46 誰かを愛することは、その人に幸福になってもらいたいと願うことである
47 後悔する者にのみ許しが与えられる
48 肉欲を抑制しない者は、けだものの仲間になれ
49 キリスト者は全ての事物の自由な主人であり、何者にも従属しない
50 イエズス会士よ、信仰の拡大のためには、
何のためらいもなく報酬もなくローマ教皇へ服従せよ
51 善きわざが救いのために何らかの価値を持つというわけではない。
それでも信者たちは神の栄光のため喜びと確信を持ってそれを遂行せよ
52 妻子を持つ者は運命に人質をささげた者である。
妻子は善悪を問わず、大事業にとって邪魔者である。
53 苦悩に負けることは恥ではない、快楽に負けることこそ恥である。
54 天体の運動は計算できるが、人の気持ちはとても計算できるものではない
55 真の宗教はただ一つのみ。しかし、各種各様の信仰が存在する。
56 いかなる法律も自由の侵害である
57 愛とは何か、理想的なものである。結婚とは何か、現実的なものである。
58 一番乗りは牡蠣を得るが、二番目の人は貝殻しか得られない
59 噂されることよりもっと悪いことがある。それは噂にもされないことだ
60 夢は眠りの保護者であって決して妨害者ではない
第四章 労働・価値観
61 幸福になるには肉体が健康な上に財産がなくてはならぬ。
賢人といえども財産がなくては不幸である
62 財産を増やすことしか考えない人間は、
富以外の何物かを高く評価する者を許さない
63 貧賤に威威たらず、富貴に汲汲たらず
64 士は飢うるも粟は啄まず
65 世の中で成功を収めるためには、馬鹿のように見せかけ、
利口に活動することである
66 おのれの利益を追求する人間は見えざる手によって導かれ、
予想せざる目的を促進する
67 多くの仕事をしようとする人は、今すぐ一つの仕事をしなければならない
68 報酬への期待を行動のバネとする人にはなるな
69 人間には不幸か、貧乏か、勇気が必要だ。さもないとすぐに思いあがる。
70 猿群から区別される人間社会の特徴は何か。それは労働である。
71 偶然は準備のない者には微笑まない
72 何かについての全て、そして全てについての何かを学ぼうとしなさい
73 貨幣とは奴隷制度の新しい形式だ
74 「できるか」と聞かれたらいつでも、「もちろん」と返事をすることだ。
それから懸命にやり方を見つければよい
75 失敗とは、よりよい方法で再挑戦するいい機会である
76 学問に生きる者は、一人で自分の専門に閉じこもることによってのみ、
自分はここで後々にまで残るような仕事を遂げたという、おそらくは
生涯に二度と味わえぬであろう深い喜びを感ずることができる
77 人生最大の報酬は知的活動によって得られる
78 人を熱烈に動かそうと思ったら、相手の言い分を熱心に聞かなければならない
79 登れば登るほど旅は苦しさを加え、頂上は雲のかなたに隠れてしまう。
しかし、登山には、苦労に値する喜びや満足がある
80 物事を考える人間は大勢いるが、行動を起こすのはたった一人だ
81 私は決して諦めない男だ
第五章 戦争・社会
82 其の疾きこと風の如く、其の徐かなること林の如し。
侵略火の如く、動かざること山の如し
83 暴君から財産を奪うことは決して自然に反しない
84 来た、見た、勝った!
85 泣いて馬謖を斬る
86 全ての君主は、この危機の時代に際し、彼らが神の言葉ではなく、
人間的な誘惑に従っていることを銘記せよ
87 君主とは国家の第一の従者である
88 志士は、いったん総司令官に選ばれた以上ためらってはならない
89 いかに努力しても食糧はせいぜい算術級数的にしか増えないのに、
人口は幾何級数的に増えていく
90 最悪なのは負け戦だが、勝ち戦もまた同様に最悪である
91 戦争とは、別の手段を用いた政治の継続である
92 たとえ戦争が大勝利で終わろうとも、
戦争は各国の政治化がぜひなくすべく努力せねばならない害悪だ
93 敵を許すことは敵を憎むことよりも気高いことである
94 一人は万人のために、万人は一人のために
95 老兵は死なず、ただ消え去るのみ
96 現在の為政者や知識人は、全て過去の知識人や過去の思考の奴隷だ
97 暴に報いるに暴をもってせず
98 人間は原子力エネルギーによって生きていけず、逆に滅んでいくだけだ。
たとえ原子力エネルギーが平和目的にのみ使われたとしても
99 進撃命令が出たというだけの理由で
破滅に向かって断固として歩みだす必要はない
100 リーダーシップは水泳に似ている。本から学ぶことはできないのだ
評価
★★★☆☆
ひとこと
世界の名言をジャンル別にまとめもの。
好き嫌いは別として、一つ一つ重い意味を持つのでじっくり味わうべしと思う。
それにしても、半分も出典が分からなかったことに、自分の不学さを感じた。
あ
決断とは、目的を見失わない決心の維持に他ならない(p54 アイゼンハワー)
事物のなかで最悪なのは決断できないことである(p82 ナポレオン)
我々の幸福の90パーセントは健康に依存している
孤独は全ての卓越した精神の持ち主の運命である
他人の意見に多大の価値をくことは、世間で支配的な誤りである
(p85 ショーペンハウアー)
他人に接して苛つくことの全ては、自分自身の理解に役立つ(p98 ユング)
人を熱烈に動かそうと思ったら、相手の言い分を熱心に聞かなければならない(p184 カーネギー)
メモ
参考文献
4 シェイクスピア「シェイクスピア名作集」
8 へーゲル「法の哲学」
12 ニーチェ「ツアラトゥストラはかく語りき」
15 魯迅「故郷」
17 毛沢東「実践論」
23 老子「老子」
30 ショーペンハウアー「意志と表象としての世界」
最終更新:2009年03月01日 23:08