川島蓉子「ブランドのデザイン」(2006)
分類
目次
Ⅰ ブランドをデザインする要件とは
Ⅱ ブランドとデザイン
- “蓄積に基づいた技術力”と“時代に合ったデザイン力”
- “自らの美学”と“受け手の共感”
- “揺るぎない伝統”と“絶えざる革新”
- “歴史的な哲学・信条”と“現代的な物語性”
- キューピー「キューピーハーフ」
- 資生堂「マジョリカ マジョルカ」
- “世界に通用すること”と“一人の心を打つこと”
- “開放的な枠組み”と“突き詰めていく価値”
Ⅲクリエイター・インタビュー
- 秋山晶(株式会社ライトパブリシティ コピーライター)
- 広告は主観的に作るもの。表現は客観的にするもの
- コピーは読む人にとってのイメージの引き金
- 文章はカメラワークと同じように考える
- 安藤隆(株式会社サン・アド クリエイティブ・ディレクター)
- ブランドそのものがコピーであり続ける状態が理想
- 謎の部分、夢の部分を残しておく
- 遠ざけて俯瞰して見ることから始まる
- 葛西薫(株式会社サン・アド アート・ディレクター)
- ブランドは背中に企業を背負っている
- どの企業も「小さな商店」である
- 企業は遠くを見るといい
- 永井一史(HAKUODO DESIGN クリエイティブ・ディレクター)
- 商品が存在する意味の根っこの部分を伝える
- 終始一貫した継続性が重視される時代
- 問題解決型とクリエイション型
- 服部一成(アート・ディレクター)
- 本番で全力が出せる
- 作り手が良いと思って作るものが残る
- 連載のようなものだけれど飽きられてもけない
- 原 研哉(日本デザインセンター代表 武蔵野美術大学教授 グラフィック・デザイナー)
- 情報を未知化する
- 欲望のエデュケーション
- 品質は思考の総量が決める
- 山形季央(株式会社資生堂 宣伝制作部 デザイン制作室長)
- 記憶が蓄積されることで全体像を伝える
- 外部の引き出しをあける、自分の引き出しもあける
- 違いを出そうとするとチープになる
評価
★★★☆☆
ひとこと
ブランドに関するケース本。
クライアントよりも、クリエイティブ寄りな目線から。
一流のクリエイターの言葉はどれも含蓄が深い。
シンプルの品質は思考の総量が決める。ただ単純なのではない。同じシンプルでも、考え抜かれたシンプルかどうかが重要。<中略>多様なイメージを一身に受けとめられる容量の大きな器として機能するかどうか。(p256 原 研哉)
メモ
サントリー「伊右衛門」
- 福寿園:本物、安全、良質、美味、健康、自然、伝統、格式、技巧
- 伊右衛門のターゲット:30~50代の男性。この年代の男性をほっとさせたりさりげなく応援するというストーリー
- サントリー&福寿園&HAKUHODO DESIGN
サントリー「ウーロン茶」
- サントリー&サン・アド
- ターゲット:健康に気を遣っている人
キューピー「マヨネーズ」
- 1925年発売。当時の日本人に欠けていた良質の蛋白質を含んだ調味料として浸透させたい。→「良質で栄養価が高い味」
- 「宣伝は資本である」→新聞の突き出し広告、キューピー3分間クッキング
無印良品
- 素材の選択-ふだん見過ごしがちな素材を見直し、調達する
- 工程の点検-生産するプロセスにおける無駄を省く
- 包装の簡略化-過剰包装を避けて簡略化する
参考文献
最終更新:2010年08月15日 14:07