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田嶋幸三「『言語技術』が日本のサッカーを変える」(2007)

評価

★★★☆

ひとこと

サッカーに疎い人向けの本です。
サッカー協会は何を考え、選手を育成しようとしているかがよくわかります。
もちろんサッカー以外にも充分通用するベーシックな考え方だと思う一冊。

日本サッカーについて論評する人は山ほどいて、
マスコミやコメンテーターも「戦術論」をあれやこれやと論評してます。
しかし、中で行われていることからは随分と遠く、
非常に表層的なことで一喜一憂しているだけなのかもしれないと改めて思いました。


分類


目次

はじめに
  • ベンチを見ないイタリア・チーム
  • フリーズする日本人選手たち
  • サッカーを論理的に考える
  • 「ピッチの外」の課題
1章 「言語技術」に挑戦するJFAアカデミー福島
  • ヨーロッパ遠征の衝撃
  • JFAアカデミー福島への道
  • 真の「エリート教育」システムの構築へ
  • 「言語技術」への取り組み
  • 「ロジカルコミュニケーション」を育てる
  • 寄宿舎生活から「自立」が生まれる
  • アートワークショップや田植えから学ぶ
  • 長期的視点に立つことの大切さを知る
  • 「考えながらサッカーをする」選手を育てる
2章 実践!ことばを鍛えるトレーニング
  • 「再話」トレーニング風景
  • ロジカルコミュニケーションスキル講座
  • 「問答ゲーム」と「絵の分析」のメソッド
  • U-6のトレーニング法
  • U-8のトレーニング法
  • U-10のトレーニング法
  • U-12のトレーニング法
  • 指導者ライセンスにおける論理力アップのメニュー
  • S級ライセンス取得者の証言―都並敏史氏インタビュー
3章 論理でパスするドイツ・サッカー なぜいま「言語技術」か①
  • ドイツ留学で考えた「バカ蹴り」の意味
  • ドイツの子どもたちが経験していること
  • 「バカ蹴り」の理由や原因を論理的に語る
  • フランスや英米でも
  • 「草の根」の力
  • 子どもとの議論
  • 「ことばの力」と言語教育
  • 先人のことばを大切に噛みしめる
4章 世界との差は、判断力 なぜいま「言語技術」か②
  • Jリーグ初期、日本人監督が激減した理由
  • 日本サッカーの栄光と挫折
  • クラマーの残した課題
  • 「判断」できない日本サッカー
  • 指導者養成システムの大改革
  • ピッチの外で学ぶ
5章 監督のことばが、選手を伸ばす
  • 外国人監督たちのキーワード
  • オシムのことば
  • 監督は“俳優”
  • ハーフタイムの仕事
  • 監督は、試合の前・中・後に何を伝えているか
  • マネージメント力が問われる監督
  • 「草サッカー」で楽しもう!
6章 論理プラス非論理 日本流サッカーの夢へ
  • 「JFA2005年宣言」の歴史的根拠
  • Jリーグ百年構想
  • エリート教育と、「什の掟」
  • 「ならぬことはならぬものです」
  • サッカーの世界史から何を学ぶか
  • 日本流サッカーの夢へ向かって
【名言録①】練習は嘘をつかない
【名言録②】弱い者ほど相手を許すことができない。相手を許せる者ほど強いものだ。
【名言録③】サッカーは子どもを大人にし、大人を紳士にする
【名言録④】強い者ほど自分の運命を嘆かない。
【名言録⑤】失敗とは転ぶことではなく、起き上がらないことである。
【名言録⑥】学ぶことをやめたら、教えることをやめなければならない。

気になる表現


メモ

  • 「ゲームフリーズ」という練習方法。
    • そのプレー(行動・選択)の理由を言葉で明快に語れるかどうか。

  • 「再話」トレーニング(耳で聞いた話を要約する)
    • 「問答ゲーム」(読まれた文を聞いて5W1Hのうち抜けているものを指摘する)
    • 「絵の分析」(1枚の絵を見て、質問に論理的に答える)

  • 「バカ蹴り」-とりあえず遠くに蹴っておくこと。
    • 欧州の子どもは殆どしない(すると理由を問われる)
    • 日本では安易に行われる。目先の試合に勝つためのリスク回避として。
    • ※選手育成の観点から、「考えるプレー」にはマイナス。「トーナメント戦」でなく「リーグ戦」の導入を。

  • 「判断」できない日本サッカー
    • まずは「正確に判断できる視野の確保」(つねにボールとゴールを見ることのできる良い身体の向きをつくる)

  • パス&ゴー(クラマー)
  • ミート・ザ・ボール(クラマー)
  • ルックアラウンド(クラマー)
  • トライアングル(オフト)
  • アイコンタクト(オフト)
    • 当時の日本は「オレによこせ」と声を出していた
  • ウェーブ(トルシエ)
    • 視野を確保し、スペースを確保し、判断のための時間を確保する
  • コンパクトネス(トルシエ)
    • 縦方向、横方向でまとまりをもって動くこと
  • オートマチック(トルシエ)
    • 状況から自ずと判断できるような選手を育成する
  • ポリバレント(オシム)
    • 複数の価値をもつこと



参考文献

  • 一志治夫「狂気の左サイドバック」
  • 岩永脩幸「蹴球神話―作家―の名言集」
  • 川淵三郎「虹を掴む」
  • 北岡俊明「ディベートの技術」
  • 北岡俊明「『論理的に話す力』が身につく本」
  • 木村元彦「オシムの言葉」
  • 三森ゆりか「論理的に考える力を引き出す」
  • 三森ゆりか「外国語を身につけるための日本語レッスン」
  • 三森ゆりか「外国語で発想するための日本語レッスン」
  • 田嶋幸三「日本を勝たせるスポーツ指導者の育成 サッカー」
  • 田嶋幸三「日本サッカー協会における取り組み」
  • 田嶋幸三「『世界』に勝つ練習と環境づくり」
  • 忠鉢信一「進化する日本サッカー」
  • 林信吾・葛岡智恭「サッカーを知的に愉しむ」
  • 湯浅健二「サッカー監督という仕事」
  • 湯浅健二「日本人はなぜシュートを打たないのか?」
  • ジェラール・ウリエ、ジャック・クルボアジェ「フランスサッカーのプロフェッショナル・コーチング」
  • 日本サッカー協会・日本プロサッカーリーグ「めざせベストサポーター」

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最終更新:2010年10月16日 09:25