下條信輔 「サブリミナル・インパクト」(2008)

分類


目次

序章 心が先か身体が先か -情動と潜在認知
  • からだが裏切る/習うより馴れろ/潜在記憶/知識を裏切る知覚/不透明で分散した自己/悲しいから泣くのか、泣くから悲しいのか/視線と選好/行動が先立つ/他人の好みを操作する?/当事者は因果関係を自覚していない/定位反応と「好き嫌い」の進化/進化の乗っ取りとランナウェイ/視線のカスケード現象:まとめ/人間に対するふたつの見方/潜在認知は社会につながる/潜在認知の三つの意味
1章 「快」はどこから来るのか
  • 数分で伝える感動/音楽の普遍構造/音楽の快は生理的、神経的/音楽の起源/音楽と言語の共通起源説/記述機能と情動表出機能/進化の表街道、裏街道/言語と音楽の神経回路/ポーカーの神経経済学/マキャベリ的知性/音楽の快と「報酬」/外からの報酬と内なる報酬/感覚、知覚の内部報酬仮説/モンキーTV/反復と変化/リメイクやリバイバルはなぜ確実にヒットするか/親近性と新奇性-赤ちゃんの場合/動物の場合/おとなの場合/親近性と新奇性と予測機能/内部モデル/ここまでのまとめ/潜在と顕在/感覚皮質の「暴走」仮説/切り離された凧のように/フォト・リアリズム/現代文化のリアリティ/リアリティの神経増幅?/ニューラル・ハイパー・リアリズム
2章 刺激の過剰
  • 絶対量の過剰/過剰とストレス/変化や動きの過剰/動きに反応する細胞/速度の過剰/速度の上限?/反応の速さをめぐって/周辺刺激の影響/速度の感染/上限の突破/ポケモン事件/危険な崖/情報量の過剰の影響/多元化、同時並行チャンネルの過剰/「ながら族」という死語/選択肢の過剰/選べる自由?/四億六千万の選択肢/馴化と順応/反動?/ポジティヴな効果/なぜ過剰は不足なのか?
3章 消費者は自由か
  • 広告社会/ニューロエコノミクスとニューロマーケティング/選択を本当に決めているのは何か/そもそも何故、広告(CM)は効果があるのか/条件づけと転移/「スキャナー内の店」実験/CMの効果を支える潜在記憶/親近性と新規性の棲み分け/原因の帰属と、洗濯の正当化/ロイヤリティ、ブランドイメージ、高級感/人は報酬を求めて買う/結局、私たちは操作されているか?/自由と不満/お勧め商法/選択肢の管理、制御/ボーダレス広告、インフォマーシャル、ドラマーシャル/テクノロジーが倫理を無効にする?/狭める、誘発する、気づきにくくする/制御と自由は両立する/制御と自由の棲み分け/選択盲/私たちはどこへ行くのか/報酬系/政治の世界へ
4章 情動の政治
  • 大衆誘導の時代?/雪だるま式に独り歩き/知っていてお防ぎきれない/無意識へ働きかける危険/エピソードの力、登場人物の力/大統領選の心理/潜在記憶は消せない/抵抗できない/情動に訴えるのは悪いことか/マスメディアの「潜在的な」威力/政治、権力を語るには、情動が欠かせない/情動は個体以前のリアリティ/ホッブスとスピノザ/ファシズムと9・11、脱イデオロギー/快適という名の制御/抵抗は不可能か/マクドの賢い客/まとめ
5章 創造性と「暗黙知の海」
  • 潜在性の「海」/危険なテーマ/ありがちなアプローチ/無視されがちな問い/独創性とは何か/メノンのパラドクスと、心のモデル/それとわかる/「早すぎた天災」とそれにまつわる誤解?/知は透明ではない/第二のモデルと前意識/前意識はインターフェースである/再認とは何か/再認=「前意識の知」の指標/オリジナリティはどこに存在するか/「変化盲」現象/知の周辺と中核/周辺/夢、辺境、後づけ/オセロのアナロジー/情動の役割/暗黙知の中身/創造性は訓練できるか/天性の才能とは/天才の複製は可能か/クリック・ジュニアの思考実験/夢よもう一度/独創性を培う訓練?/結び



評価

ひとこと

非常に興味深いが、「認知心理」の素人がパラパラと読めるほどカンタンではなかった。この前作を読んでから、再度読みなおす予定。

気になる表現



メモ



参考文献

甘利俊一、外山敬介「脳科学大事典」
アントニオ・R・ダマシオ「感じる脳-情動と感情の脳科学 よみがえるスピノザ」
アントニオ・R・ダマシオ「無意識の脳 自己意識の脳 身体と情動と感情の神秘」
ジョセフ・ルドゥー「エモーショナル・ブレイン 情動の脳科学」
下條信輔「視覚の冒険 -イリュージョンから認知科学へ」
下條信輔「サブリミナル・マインド 潜在的人間観のゆくえ」
下條信輔「<意識>とは何だろうか 脳の来歴 知覚の錯誤」
東浩紀「動物化するポストモダン  オタクから見た日本社会」
リチャード・バーン、アンドリュー・ホワイトゥン「マキャベリ的知性と心の理論の進化論 ヒトはなぜ賢くなったか」
バリー・シュワルツ「なぜ選ぶたびに後悔するのか 選択の自由の落とし穴」
高橋晃子「子守歌の現在」
廣中直行「やめたくてもやめられない脳 依存症の行動と心理」
ポール・W・グリシャー「神経経済学入門 不確実な状況で脳はどう意思決定するのか」
ハドリー・キャントリル「火星からの侵入 パニックの社会心理学」
田中宇「仕組まれた9.11 アメリカは戦争を欲していた」
青野由利「ノーベル賞科学者のアタマの中 物質・生命・意識研究まで」

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最終更新:2009年03月10日 01:10