永禮弘之「マネジャーになってしまったら読む本」(2011)

評価

★★☆☆

ひとこと

昇進を機にダンナが購入した蔵書群から拝借。
引用されていた「キャリア形成の2つのステージ(筏下りと山登り)」はなるほどと思いました。


分類

目次

Part1 マネジャーになんかなりたくなかった
第1章 リーダーシップ研修でよく聞く悩み
  • マネジャーは損な役回り?
  • 新任マネジャーの突き当たる壁
  • 就職難、成果主義、リストラを見てきた会社不信の就職氷河期世代
  • 成果主義がプレーヤー志向を強めてきた
  • いまだ「ガラスの天井」に阻まれる女性マネジャー
  • 年上部下の扱いに手を焼く若手マネジャー
  • これ以上我慢を強いられるならば、マネジャーなんかならなければよかった
第2章 無理して頼られるマネジャーになろうとしない
  • 日本人マネジャーは、リーダーシップに自信がない
  • 「思い込み」思考の落とし穴
  • リーダーシップの基本は他人への影響力ではなく、自分自身で考え判断し行動すること
  • リーダーに頼り過ぎると部下は思考停止になる
  • カリスマ・リーダーは歴史上「負け組」だった
  • コラム:リーダーのカリスマ性
Part2 新任マネジャーが陥る7つの思い込み
第3章 思い込み1:自分にはリーダーシップがない
  • リーダーシップは天賦の才か
  • あのガンジーも弁護士時代は頼りない若手だった
  • リーダーシップは未来に目を向けることから始まる
  • 理想に向けた試行錯誤が成長を促す
  • 会社や上司が経験を積ませてくれない昨今の職場
  • 未来への思いを持とう
  • コラム:映画「ショコラ」の女性主人公に見るリーダーシップ
第4章 思い込み2:常に、部下には仕事で勝たなければならない
  • 部下の評価や育成をする責任に戸惑いや不安を感じる
  • 優秀なプレーヤーがマネジャーに選ばれる
  • マネジャーになっても、すべての仕事で部下に勝とうとしていないか?
  • プレーイングマネジャー制が、マネジャーの成長を損ねている
  • マネジャー経験は成長のチャンス
  • 「エースを抜く」と組織は強くなる
  • 部下に勝ってもチームの成果は上がらない
  • コラム:組織全体でリーダーを綿々と育てる「リーダーシップ・パイプライン」理論
第5章 思い込み3:指導力が高くなければならない
  • 「スポ根」漫画のコーチは反面教師?
  • HOW(方法)を教えると、部下は伸びない
  • 指導することで、「自分の力」を誇示していないか
  • リーダーの成長に必要な経験=「7:2:1」の法則
  • 部下は指導するのではなく、「チャンス」と「目標」を与える
  • 隙があるリーダーが組織を強くする
  • 経験豊富な上司は部下との問いかけと対話を大切にしよう
  • 指導力ではなく、仕事の経験が部下を伸ばす
  • コラム:隙があるリーダーが全土を統一した古代中国
第6章 思い込み4:人望を高めなければならない
  • 部下が上司を評価する会社が増えている
  • 日本人マネジャーは、世界で一番信頼されていない?
  • 部下に人気がある上司が、本当に理想のリーダーか
  • 人間力なんて、どうすれば高まるの?
  • 部下にとって尊敬する上司像とは?
  • 部下は、リーダーの持つ「軸」に共感すればついてくる
  • 曖昧な人望を高めるのではなく、自分の軸を固める
  • コラム:リッツ・カールトン創立者の信念「ビジョンなき仕事をさせない」
第7章 思い込み5:リーダーシップのスキルやテクニックを身につけなければならない
  • ビジネス書は「ハウツー本」であふれている
  • スキルやテクニックを身に付ければ優れたリーダーになれるか
  • 勉強熱心な「資格オタク」や、自分の成長だけを求める「キャリア・ボヘミアン」たち
  • 武器はいくら磨いても、使い道を知らなければ使えない
  • 「ライフキャリア」が武器の使い道を教えてくれる
  • スキルやテクニックを身につけるのではなく、職業観を固めよう
  • コラム:キャリア形成の2つのステージ(激流下りと山登り)
第8章 思い込み6:自分を犠牲にしなければならない
  • マネジャーは自分を犠牲にしなければならないのか
  • 無力感が働きがいや希望を奪う
  • 他責の感情はリーダーシップの天敵
  • 「3つのH」のネガティブワードに気をつける
  • できない言い訳ばかり考えて、自己逃避するのはやめよう
  • 肩の荷を降ろして、自分の強みに磨きをかける
  • 苦手分野を部下に任せるには、リーダーとしての覚悟と自己開示がカギ
  • 自分を犠牲にするのではなく、自分の強みを活かす
第9章 思い込み7:自分の分身をつくらなければならない
  • プレーヤーとして優秀だったの自分と部下を比べてしまう
  • 「マイクロマネジメント」をしても部下は動かない
  • 自分の分身をつくろうとすると、部下は離れていく
  • 過去の成功体験にしがみつく上司が、部下の成長を妨げる
  • 部下に報連相を強要しない
  • 結局、あなたの分身はつくれない
  • コラム:20代、30代の若者たちに、社長を任せるサイバーエージェント
Part3 悩まないリーダーシップ
第10章 「思い込み」思考をやめて、自分に自信を持とう
  • 生まれつきリーダーシップがある人なんていない
  • リーダーはスーパーマンではない
  • 隙があるくらいが、ちょうどいい
  • マネジャーの役割はチームの成果を高めること
  • スキルやテクニックといった「武器」ではなく、リーダーとしての「軸」を固めよう
  • 登る山を決めると、リーダーとしての覚悟が定まる
  • 登る山が「自立」と「自律」を育む
  • 強みを活かして、会社や上司に使われる道具を卒業する
  • リーダーを受け入れるのは相手次第
  • 時代や国によって、理想のリーダー像は違う
  • 他責にして変化と成長を拒む人はリーダー失格
  • 共通のキーワードは、正直、誠実、未来志向
  • コラム:状況対応型リーダーシップ論
エピローグ さらにリーダーとして成長していくための4つのステージ
  • リーダーシップの思いこみから脱するのが成長の第一歩
  • 「アラサー」の漠然とした不安を振りきる
  • 今日の全力投球が未来への一歩
  • リーダーシップにはさらに4つの成長ステージがある
  • 成長するには学習するしかない
  • リーダーシップ成長への旅に出よう
  • コラム:現在を管理統制する「マネジメント」と未来を創る「リーダーシップ」


気になる表現


メモ

  • マネジャーの主な役割の内容
    • チーム全体の方向づけ、ゴール設定
    • チーム全体の計画、予算、人材配置の設定
    • チーム内の情報共有、合意形成
    • チーム内の仕事の役割分担
    • メンバーへの仕事の権限委譲
    • メンバーとの意思疎通、動機づけ
    • メンバーの評価
    • メンバーの成長支援

  • キャリア形成の2つのステージ
    • 筏下り:ゴールではなくプロセスに意味がある。とにかく目の前の急流と向き合い、自分の持つすべての力を振り絞ってその急流や岩場を乗り越えていく。この繰り返しの中で力をつける。
    • 山登り:自ら登る山を決めてから始まる。意思決定の拠り所になるのが職業観。


参考文献

  • 日経ネットPlus「働くニホン」
  • 日本生産性本部「第10回 日本的人事制度の変容に関する調査」
  • リクルートマネジメントソリューションズ「昇進・昇格実態調査2009」
  • エドワード・l・デシ、リチャード・フラスト「人を伸ばす力」
  • 池田守男「サーバントリーダーシップ入門」
  • 司馬遼太郎「項羽と劉邦」
  • ジョセフ・S・ナイ「リーダー・パワー」
  • 松下幸之助「指導者の条件」
  • ビジネス哲学研究会「心に響く名経営者の言葉」
  • ラム・チャラン、ステファン・ドロッター「リーダーを育てる会社、つぶす会社」
  • 中原淳「企業内人材育成入門」
  • 稲田和浩「5人の落語家が語る ザ・前座修業」
  • 高野登「リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間」
  • 大久保幸夫「キャリアデザイン入門」
  • ダニエル・ギルバート「幸せはいつもちょっと先にある」
  • 浜口隆則「『心の翼』の見つけ方」
  • 曽山哲人「サイバーエージェント流 成長するしかけ」
  • ワトソンワイアット社「日中韓リーダーシップ調査」
  • ケネス・ブランチャード「1分間リーダーシップ」
  • 梅澤正「職業とは何か」
  • ジョン・P・コッター「リーダーシップ論」

参照している文献

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最終更新:2011年07月16日 11:20