池上彰・佐藤賢一「日本の1/2革命」(2011)
評価
★★★☆
ひとこと
タイトルに惹かれて購入。
内容はフランス革命を題材としながら、日本や諸外国の革命、改革を斬るというスタイル。
フランス革命についてもっと知りたくなりました。
フランス人は「王を殺したこと(革命の後半戦)」に対してトラウマを持っていることも初めて知りました。
分類
目次
まえがき ロベスピエールの二分の一革命
序章 改革、変革、革命
- なぜ二分の一なのか
- ヘンな革命
- 「言葉」は政治のバロメーター
第一章 日本人がフランス革命を語る意味
- 死体よりナマがいい
- 避けて通れぬ関門
- 日本人がフランス革命について考えること
- 革命史の「前半」「後半」
- 大統領制は王殺しの痕跡
- 小国は共和政、大国は王政
- フランス革命の後半戦小史
- プーチンはナポレオン
- やっぱり王様が好き?
- すべての源がそこにある
第二章 「半分」だった明治維新
- ロベスピエールの銅像が一体もない
- とっても平等なギロチン
- 明治維新とフランス革命の共通点
- ヴェルサイユの参勤交代
- 二分の一でよかった?
- 王様が逃げちゃった!
- 火山が噴火し、革命が爆発した
第三章 「半分」だった戦後の革命
- 愛しのマッカーサー様
- イラク、アフガン、日本方式
- GHQ革命も「二分の一」
- 一九六八
- 革命の成功体験
- イデオロギーから政治文化へ
- 生き物としての政治文化
第四章 言葉の時代、あぶない後半戦
- 選挙がバスティーユ
- 民主党政治家を革命期の人物にたとえると
- 公約をめぐる狂騒
- 人権宣言はマニフェストだった
- ミラボーはなぜ人権宣言に反対したか
- 実績がないから、言葉しかない
- 制限選挙について
- マニフェスト原理主義
- 教会なんかいらない
- ナチス、小泉、ワンフレーズ
- ポピュリズムの起源
- メディアたちのいけいけどんどん
- 裏切られた革命
終章 日本は後半戦に臨むべきか?
- 進みたくない、戻りたくない
- 革命三段階論
- 戦争の効用?
- 英雄待望論を捨てる
- 参加する
- 小器用にまとめない
- 歴史は未来を照らす懐中電灯
対談を終えて 「二〇一一中東革命」の嵐の中で
「革命」と「改革」の間には大きな線引きがあって、
革命は、それまでの体制を完全にひっくり返して別の人間が取ってかわる。
これに対して、改革というのは、体制を大胆に変えはするけど、
別の人間が取ってかわるわけではない。(P30, 池上彰)
メモ
- なぜ日本ではアメリカの押しつけ民主主義が成功したのか?
- 「大正デモクラシー」を経験していて、民主主義を受け入れる素地があった
- イラクやアフガンは戦国時代(各戦国武将が各地に群裕割拠)で軍備だけ近代化。ここに民主主義はいきなりは根付かない
- ハイチ地震とフランス革命の関係
- フランス革命後、いち早く独立
- 経済基盤もなく、国家を経営するだけの人材もないまま独立したため独裁者が出現
- フランスに対して莫大な負債を抱え、経済発展が遅れた。(周辺の植民地は本国からの支援でそれなりのインフラ整備が進んだ)
参考文献
- 佐藤賢一「小説 フランス革命」
- 佐藤賢一「フランス革命の肖像」
最終更新:2011年07月16日 15:14