森博嗣「すべてがFになる」(1996)

評価

★★★☆

ひとこと

森博嗣のデビュー作。
理系ミステリと言われている。
確かに理系の知識がない(苦手意識がある)人でも楽しめるが、
おそらく若干読みづらかったり、トリックの伏線が
全く理解できない可能性があるかもしれない。

非常にトリックが構成されていて、評判どおりの良作だと思うが
個人的にこのトリックが好きではないという理由で★は1つ減らしました。

なお、本筋とは全く関係ないが「ひとまねこざる」の話が挟みこまれていて、
ちょっと和んだ。


分類



ネタバラシ作品(この本より先に読め!作品)

ネタバラサレ作品(この本より先に読むな!作品)



気になる表現


思い出は全部記憶しているけどね、記憶は全部は思い出せないんだ(p289)


日本では、一緒に遊ぶとき、混ぜてくれって言いますよね。
混ぜるという動詞は、英語ではミックスです。
これは、もともと液体を一緒にするときの言葉です。
外国、特に欧米では、人間は、仲間に入れてほしいとき、ジョインするんです。
混ざるのではなくて、つながるだけ・・・・・・。
つまり、日本は、液体の社会で、欧米は固体の社会なんですよ。
日本人って、個人がリキッドなのです。
流動的で、渾然一体になりたいという欲求が社会本能的に持っている。
欧米では、古人はソリッドだから、けっして混ざりません。
どんなに集まっても、必ずパーツとして独立している・・・・・・。
ちょうど、土壁の日本建築と、煉瓦の西洋建築のようです。(p430)





メモ

  • Who do it&How do it
  • 完全に記録・監視された状態でどのように殺人事件は起こったのか?
  • 完全無欠なコンピュータがなぜ故障したのか。
  • ウィルス感染とトロイの木馬の違い

参考


主人公

  • 犀川創平 N大学助教授

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最終更新:2011年10月22日 11:03