有栖川有栖「ジュリエットの悲鳴」
評価
★★☆☆
ひとこと
有栖川有栖のノン・シリーズの短編集。
ショートショートも含めかなり軽め。
巧いなぁというものもあるけれども、全体としてはやや消化不良というか。
素材(着想)はいいのに、料理しきれてない感じがする。
幻想運河にも通じる作品が多く、これが好きな人には向いている一冊。
分類
収録作品
- 落とし穴(1993)
- 裏切る眼(1994)
- 遠い出張(1997)
- 危険な席(1997)
- パテオ(1997)
- 多々良探偵の失策(1997)
- 登竜門が多すぎる(1997)
- 世紀のアリバイ(1996)
- タイタンの殺人(1996)
- 幸運の女神(1997)
- 夜汽車は走る(1995)
- ジュリエットの悲鳴(1998)
ネタバラシ作品(この本より先に読め!作品)
ネタバラサレ作品(この本より先に読むな!作品)
メモ
- 完全犯罪をたくらむ男の話。倒叙。★★★
- 不倫の関係にあった男女。女の夫の事故死により疎遠になったが、七年後に真実が明らかになる。「色覚異常」に関する話。★★
- ショートショート。赤川次郎の「回想列車」に通じる話。★★
- 自分が乗っていた列車の一本後の列車で、席に針を仕込んだ殺人が発生した。★★
- 作家仲間に登場する奇妙な夢の話。★
- ショートショート的なミステリ。なぜ彼は張り込み先の地図をFAXで受け取ったにも関わらず、張り込み先を間違えたのか。★★★
- 星新一にありそうなギャグ話。ミステリ懸賞に応募しようとする作家の卵のもとに「すぐれた推理小説を書けるための特別ワープロ」を売り込んできたが・・・。★★
- どうしても解けないアリバイ。ラストが秀逸。すごーく有名な日本のアリバイトリックと同じ訳だが、調理法がよいので愉しい。★★★
- SFのフーダニット。「読者への挑戦」付。★★
- ショートショート。クスリと微笑む結末。★★
- 幼い頃、夜汽車に乗った記憶を持つ男の話。意外な結末。★★
- ぐいぐいと引きこまれるストーリー。そこで語られた真実とは・・・。ラストはちょっとなぁ。★★
参考
主人公
- 元演劇部の会社員
- 色覚異常を持つ男
- 若手営業マン
- 推理小説を書く専業主婦を妻にもつサラリーマン
- 売れない作家
- 迷探偵
- ミステリ作家の卵
- 警察
- 警察
- 女性ライター
- 幼いころ夜汽車に乗った記憶を持つ男
- ロックシンガー
最終更新:2012年01月23日 00:19