【書きかけ】宮部みゆき「淋しい狩人」
評価
★★☆☆
ひとこと
古本屋の主人の周りで起こる日常の出来事から、なぞ解きをする連作短編。
あまりホノボノした内容ではなく、どちらかというと背筋がぞくとする話の報が多い。
私は吉永南央の「紅雲町珈琲屋こよみ」シリーズの方が好みかな。
分類
収録作品
- 六月は名ばかりの月
- 黙って逝った
- 詫びない年月
- うそつき喇叭
- 歪んだ鏡
- 淋しい狩人
ネタバラシ作品(この本より先に読め!作品)
ネタバラサレ作品(この本より先に読むな!作品)
お前のことは信用してるよ(中略)
だがな、おじいちゃんも、おまえの父ちゃんもおっかさんも、
いざという時、なにか良くないことがある時には、
おじいちゃんたちがおまえに寄せる信頼なんかふっ飛ばされてしまうような勢いで、
事が起こるってことを知っている。そういう瞬間風速の前では、家族の信頼なんて脆いもんだ。
それくらい、世の中というのは何が起こるかわからないところなんだよ(中略)
だから、それを知っている以上、うちの子に限っては大丈夫、とは言えないんだ。
その代わり、こうは言える。なにか困ったことがあったら、手遅れにならないうちに相談に来い。(p178)
メモ
- ストーカー被害に会っていた女性が結婚に際して周りで不可思議な事件が起こる。姉の失踪、引き出物の落書。★★★
- 疎遠になっていた父の急逝の報に、父の自宅に駆け付けてみると、同じ本が302冊も揃っていた。Why do it。★★
- 幽霊が出る、と噂されている古い家の防空壕跡から、白骨化した遺体が出てきた。★★
- 「うそつき喇叭」という本を万引きした子どもの体には虐待の跡があった。人間ドラマに考えさせられるところがある。★★
- 名刺が挟まった本が電車の網棚に忘れられていた。★
- 失踪した売れない作家の遺作「淋しい狩人」に沿った殺人事件が発生した。★★
参考文献
- パリンジャー「歯と爪」
- 山本周五郎「赤ひげ診療譚」
主要登場人物
最終更新:2012年11月30日 00:23