【書きかけ】内田樹「身体知」(2006) *三砂ちづると共著
評価
★★★☆
ひとこと
身体の知恵について書かれた本。
本来はあまり得意ではない分野なのだが、読んでみた。
「出産に男はいらない」での三砂氏の見解には共感できた。出産した経験はないけど。
分類
目次
- 「出産」する動物としての人間
- 「ラマーズ法」は時代遅れ?
- 出産で出る恋を呼ぶホルモン
- 出産に男はいらない
- 野生のお産の安心感
- 「子どもなんか産まないほうがいい」
- 母親世代によい出産体験がない
- 科学信奉の昭和三○~四○年代が積み残したもの
- 子どもは親を許す役割がある
- 武道に伝わる「身体知」を抑制した近代日本
- ネガティブなオーラから逃げる武道の感受性
- 出産で一気に取り戻す宇宙感覚
- 広大なるものとつながる自分
- セックス、妊娠、出産、育児の身体技法の伝承
- 子宮と骨盤底筋群を意識しながら生きる
- 着物と身体文化
- 鉛直方向のものを身体のそばに
- 笹島寿美さんの着方
- 物語を受けとめていく
- 身体感覚が広くなる
- 受け流す技術
- 他者への畏怖とあかいらめが現実的な合意を生む
- いっしょにごはんを食べて味がしない関係
- 弱い個体を保護する機能
- きみには可能性がある
- 愛情とお金の有効な使い方
- 時間を先取りして実行していく身体捜査
- 陣痛の波をうまくイメージすると軽いお産に
- 流れを止めない
- へその緒がまきついていても自力で出てきた赤ちゃん
- どんなお産でもいい
- 思わず産みたくなりました
- 「カラダの知」は教えられるか
- 「いやな感じ」に鈍感になる身体
- 対話できない身体 硬直してやり過ごす
- 身体の使い方を教える教育
- 日本の学校はやることが多い
- 日本の教育のよさ 文化の科目と「クラブ活動」
- ドイツ語で「野薔薇」が歌え、ボタンもつけられる
- 「学校生活を送ったこと」を評価
- 学校と階層差
- 差の意識が鋭敏になった均質社会
- 文化資本による差別化の進行
- 本当は関係ない
- 変なおじさん、おばさんが役に立つ
- 政治と宗教とセックスは家庭の話題にはできない
- 家庭がひらかれていた時代
- 大家族で暮らすということ
- プライバシーは物理的なものではない
- 家には権力者がいないと公共性が保てない
- 大施設からパーソナルへ
- 家に他人が入ることを受け止める力
- 新生児室は二○世紀小児科の最大の罪
- 定点で見守る人
- いつまでもご縁がつながっている
- 結婚の相手は結局誰でもいい
- 早く結婚して子育てを終えて仕事する
- この子をちゃんと育てるのが最優先の仕事
- キャリアを細々とつなぐ方法
- 「楽をさせてあげよう」とならない姑根性
- 自分を解決できていない人
- トラウマの文脈ではなく未来からいまを見る
- 思春期の心の構造
- オニババ、負け犬、おひとりさま 歳の取り方がわからない
- 何で、オニババになっちゃうの?
- 女性としての機能を使えなかったオニババ
- エロスの「安定した社会化」の必要性
- いいから黙って結婚しなさい
- 女性ホルモンと鬼子母神
- 器官の快楽か、社会的な情緒か
- 妊娠出産、子育てに肯定的なイメージが伝わらない
- 「女としての暮らし」の幸福感を受け流す
- 毎日がおんなじの幸せ
- お産に医療が介入
- 歳の取り方が下手になっている
- カラダを取り戻す方法
- 何がフェミニストたちを怒らせたのか
- 負け犬がオニババに・・・?
- 「女」を捨てると評価される産業社会
- コミュニケーション能力を捨てている
- 「本当の自分」を守って他人に触れずに生きていく
- 女性らしさはなぜ必要か
- ノイズを聴き取る
- 子育てに失敗はない
- 赤ちゃんとの生理的な結びつき
- 夫婦のエロス的結びつきから家庭が始まる
- 父母の役割の逆転はいい結果を生まない
- 産む・産まないを当事者が決める哀しさ
- “通念”で痛みを回避する知恵
- 混沌としたものへのリスペクト
- エビデンスは余計な医療をしないために生まれた
- 「初級フランス語文法」講義でやっていること
- 価値感の混在の意義
- 数値化できない日本的なやり方のよさ
- システム化されるととたんに衰退する
- 百万円の使い道を決める会議に百万円使う愚
- 赤ちゃんの栄養状態のはかり方
- 白衣の威力で治る
- 医術は呪術
- 男の子の変化
- 「異質なもの」との折り合いのつけ方
- 他人と暮らせない人
- 早く結婚してたくさん子どもがほしい沖縄の若者
- 異質を受け入れる
ヨーロッパ的なディベート文化というか、対立をいとわない文化の根には「真理は必ず普遍化する」「正しい主張はいつかは必ず全員に受けいれられる」という抜きがたい真理信仰があると思うんです。(p45)
なんでもいやなことをじっと耐え忍ぶ。家庭で親の説教を聞く時も、学校で授業を受けている時も、子どもってずっとそう教えられるでしょう。「黙ってうつむいて、嵐が過ぎるのを待つ」という危機処理の仕方を子どもの時から組織的に刷り込んでいる。コミュニケーション不全は現代日本の風土病ですよ。(p68 )
メモ
参考文献
最終更新:2013年03月14日 01:08