南場智子「不格好経営」(2013)
評価
★★★☆
ひとこと
会社のくだらないことでモヤモヤしている人にはお勧めの一冊。
喝を入れられた気分になります。
南場智子さんのことはそれほど知っていた訳ではない。
が、「モバゲーのCMが気に入らなくて大反対していたが、
意に反して好評だったことを知り、猛省して以後はクリエイティブに口を出さなくなった」
という話をどこかで聞いた時にかなり彼女への見方が変わったことをよく覚えている。
DeNAという会社。
私が勤務している会社からも優秀な技術者が何人も転職している。
モバゲーが大ブレイクした後はもちろんだが、2000年前後の創世記にも。
そういう意味でもどんな会社なのか興味があったことも事実。
なお私が気になったエピソードは以下の3つ。
- ビッターズ立ち上げ時の大トラブルの話(開発完了と思ったら一行のコードも書かれていなかった)
- モバオクを0から立ち上げた話(ビッターズと切り離した決断)
- エヌジーモコ買収後の苦労話(グローバル展開の苦労)
こうやって見ると、私もIT業界の人間だな。。。
あとは、「社長の時間の使い方」(意思決定の仕方)も学ぶべきところが多い。
分類
目次
- 立ち上げ
- 生い立ち
- 金策
- モバイルシフト
- ソーシャルゲーム
- 退任
- わが家を襲った激震
- 南場カンパニーか公器か
- 闘病プロジェクト発足
- 守安-いびつな奇才
- 春田-二人羽織の相棒
- プロ野球参入とナベツネさん
- 試練を乗り越える新経営陣
- 前例のない「道なき道」
- 人と組織
- 社長の時間の使い方
- コンサルタントと事業リーダーの違い
- 人を口説くときに心がけること
- 人が育つ組織
- 優秀な人の共通点
- MBAは役立つか
- 社長についていきます?
- ロールモデルと師匠
- 社員の卒業について
- 女性として働くこと
- これから
- 広がり続ける事業領域
- 社長守安の任せる勇気
- 熱病は続く
仲間を増やそう<中略>
条件はたったひとつ。自分より優秀なヤツ。(p20)
2005年の夏ごろだが、私は2011年3月期の数値目標を打ち立てた。<中略>
狙ってもなかなか達成できないような難しいことが、
狙わずにできるはずがない、大きい試合をしよう、と
幹部連中に本気でコミットを迫ったのを覚えている。(p115)
このチームが秋になって、これならいけると、カジュアルゲームとSNSを組み合わせた
携帯向けサービスのプランを提案してきた。1億円以上は掘らないでくれと赤字の上限
だけ伝えて、すべて守安のチームに任せた。(p116)
今を起点にベストを尽くす、10年以上経営者をやり、そういう訓練だけはしてきたはずだ。
過去を悔いても仕方がない。(p169)
メモ
参考文献
最終更新:2013年06月22日 00:24