吉越浩一郎 「デッドライン仕事術」(2007)
評価
★★★☆
ひとこと
正直な話「効率教信者」や「効率教信者に祀り上げられている人々」は苦手です。
私自身、年々「短気」になっていっていることは自覚しているのですが、矛盾してるんですけどね。
で、この本ももちろん「バイブル」にしたいようなものではありませn。
しかし、そのような皮肉なスタンスで読んだとしても、やっぱり得るところは何点かある。そんな本です。
分類
目次
1章 仕事のスピードを3倍にする
- 残業大国ニッポンの惨状
- 優秀な女性が、会社を辞めざる得ないシステム
- なぜ、日本のホワイトカラーの生産性は低いのか?
- 理由その①-必要のない仕事を一生懸命にやっている
- 理由その②-「ワイガヤ」は集中力を奪うだけ 電話がよくなる、日本のオフィス
- 「集中できる時間」や「集中できる空間」を作る
- 理由その③-「判断」の遅い企業は、日常業務も間延びする
- 川に飛び込んでから、渡り方を考える
- 仕事のアウトプットは、<能力×時間×効率>で決まる
- 「時間」を固定すれば、「効率」は必然的に上がる
- 「時間をかけないと仕事の質が落ちる」は、思い込みにすぎない
- 香港のオフィスで味わった「メリハリ」の効用
- 書類を時系列でファイリングして、「今日やるべきこと」を明確にする
- 目標をブレイクダウンすることで、仕事を「可視化」できる
- 仕事は「宿題」にせず、熱いうちに打て
- 一日の中で仕事を片付ける順番は人それぞれ
- 効率ダウンの悪循環を断つには、「午前中」が勝負
- 仕事のスピードを上げて、一番楽になるのは自分
- 能力差は、「効率アップ」で逆転可能だ
2章 即断即決
- 「仕事のスピード」=「判断のスピード」
- 判断材料はすべて「現場」にある
- 仕事のできない管理職ほど、情報を隠す
- 社内の「常識」のレベルを高めれば、判断力も高まる
- 調整型リーダーが、組織の判断を鈍らせる
- 債権の焦げつきを、見て見ぬふりをしていた役所の人々
- 社内の意見対立に、個人の「勝ち負け」はない
- 本当の「トップダウン」とは何か
- 迷っているならやってしまえ!
- 「撤退のルール」を決めておけば、迷わずチャレンジできる
- どこの会社にもある「根の深い問題」への対処
- 一つの商品に、複数の商品番号
- もつれた糸も、ほどけば単純な一本の糸にすぎない
- 問題の「エメンタールチーズ化」
- 判断ミスで、命まで取られるわけではない
3章 キャリアアップできる人間の思考法
- 日本人はなぜ、「仕事の効率化」に意義を感じられないのか
- ワークライフバランスの「ライフ」とは「私生活」のこと
- 「私生活」は、「仕事の手段」なのか
- 定年後に直面する「空っぽの私生活」
- 仕事の対極は「遊び」か「休み」か
- 仕事のできない人間ほど、「いい人」を演じる
- 「社員教育」は無駄である
- マニュアル化できない「暗黙知」
- 仕事を盗めない人間は、伸びない
- 「仕事のできる人間」という評価だけでは、成功できない
- リーダーシップは、「フォロワーシップ」から生まれる
- 目標は周囲に公言して、自分を追い込む
- 経営者になりないなら、最終的には「独立」を目指せ
4章 「会議」と「デッドライン」で部下を動かす
- 「会議」は本当に無駄なのか?
- 戦いの「最前線」としての会議
- 会議では、「下手な言い訳」は許さない
- 会議は「話し合う場」ではなく、「決める場」
- ブレインストーミングは、時間の無駄
- 「論理的に説明する能力」も、会議で鍛えられる
- 「好き嫌い」でものを論じがちな日本人
- ダメな会議は、社員の甘えを助長する
- 吉越式の会議は、リーダーにも相当の準備と覚悟が求められる
- 会議でのデッドライン管理は、続けることに意味がある
- 仕事とは、やれることを100パーセントやりきること
- 一人でも部下を持ったら、仕事は任せる
- 部下にとって最高の褒美は、「上司が何も言わないこと」
- 部下の「嘘」は絶対に許さない
- リーダーに求められる「危機管理」
- 笑いの共有には「同じ釜のメシ」と同じ威力がある
- 「現場を知る努力」が、トップの仕事を激務にする
- 徹底したコンピュータ化は、なぜできたのか
- 美辞麗句の「経営戦略」に、会社を動かす力はない
- 「売上」はすべてを癒す
- 頂上を見据えて、道を作りながら登る
メモ
- ホンダの「ワイガヤ」というのは、全社員対象ではなく、役員同士のコミュニケーションを深めることが目的。
- デッドラインの基本は「明日」
- 情報を共有化とは、ある状況について全員が同じ認識を持てるような「組織全体の判断力」を高めるために行う。
- システムD(デブルイエ:もつれた糸を解く)でいく:大きな問題を前にして茫然とするのではなく、「ちょっとした糸口を見つければ何とかなるはずだ」と考える
- 問題のエメンタルチーズ化(チーズそのものは硬いが、ところどころにガスホールが開いているので、わりと簡単に押し潰すことができる)
- プロセスまで含めて「情報を共有化」することで、現場の判断力を上げる
参考文献
最終更新:2011年07月16日 11:26