井形慶子「イギリス人の格」(2006)
分類
目次
1章 気持ちが軽くなる「お金は使うためにある」というポリシー
- 四〇代から貯金は残さず、いかに使うか考える
- 英国式チャリティーはお金のリサイクル
- 会社も人も得する街作りの法則
2章 ヤル気が出ないと悩むより、新しい働き方を考える
- 会社を辞めるか残るか、「プロズ&コンズ」で決める
- 資金ゼロ!家で始めるおもしろビジネス
- 客の心理を掴む英国の銀行、驚きの広告
- 怠慢職員を奮起させた郵便局の当たりクジ
3章 年齢制限なしの恋や結婚で生涯幸せになる
- 「再会サイト」で確認する初恋の真実
- いくつになっても幸せな出会いの可能性はある
- なぜ子どもがいても養子を迎えるのか
4章 メニューや味よりも土にこだわる健康観
- ジャンクフードを撃退した「英国土壌協会」
- 日本とはまったく違うオーガニックの意味
- 飽食は命を縮める
5章 旅行や買い物より、わが家での楽しみ方を知る
- 夫婦の距離が近づく英国式DIYとガーデニング
- ビクトリア時代の「癒しの家事」で心の洗濯
- 数独は究極の在宅気分転換
6章 生涯現役はこうすれば実現できる
- 英国中高年が定年後に没頭するユニークな趣味
- 六〇代からモノトーンより赤やピンクを着る効果
- 老人が残した四万円遺産の価値
7章 外国人が日本を再建する
- 移民、留学生が集うロンドンの魅力
- 年金問題を支えるのは子ども達ではない
- 居酒屋、工場を支える「辞めない」外国人
8章 どんなことでも地道にやれば結果が出る
- 英国で成功できない日本企業の落とし穴
- ダイエットと飢餓救済、どちらもある暮らし
- 成績不良校の校長がクビになるのはなぜか
- 受刑者にハーブティを出す英国刑務所の考え
評価
★★★☆☆
ひとこと
以前から気になっていた井形慶子さんのイギリスエッセイ。
想像以上に硬質な内容で気に入りました。
(ちょっとサブタイトルがイケてないけど、これは編集者がつけたものでしょう)
問題先送り、自分(自国)に自信の持てない日本。
自らに自信があり、ポリシー(白洲次郎的にいえば「プリンシプル」とでも言おうか)がはっきりしているイギリス。無反省でイギリスを倣うのではなく、よいところを学んでいきたいものです。
「どんな生活ができるか」より「ここから何を始めようか」(p26「四〇代から貯金は残さず、いかに使うか考える」)
日本人は問題が起きると、じっくり検討しなければいけないと思い、とても長い時間考え続けるため、決断という最終目的にたどり着けないのです。(p60、イギリス人ジャーナリストのことば「会社を辞めるか残るか、「プロズ&コンズ」で決める」)
イギリスでは、もし誰かが死んでも、その人の通帳から葬儀代、税金などもろもろの支払いを済ませ、最後にプラスマイナス・ゼロになれば、それが幸せな人生の証だと言われる。(p217「老人が残した四万円遺産の価値」)
メモ
- Negative unemployment(人手不足)の法則:Business=Housing=幸せな街
- 3つの「とうし」:figting spirit(闘志)、investment(投資)、penetration(透視)
参考文献
最終更新:2010年08月15日 00:02