伊坂幸太郎「重力ピエロ」(2003)

評価

★★★☆

ひとこと

映画化されたそうだが、映画はどうかなぁ・・・という印象。(映像で見たいとは思えない)
テイストは全くことなるがなぜか矢口敦子「償い」を思い出しました。
伏線の張り方が今までの本格ミステリーなどと異なる?かも。独特なのかどうかはまでは分からないけど。謎解きや全体のテーマではなく、細部がキラキラした印象の一作です。

分類



ネタバラシ作品(この本より先に読め!作品)

特になし

ネタバラサレ作品(この本より先に読むな!作品)



気になる表現

俺は空を見上げて質問をぶつけていたんだ。どうすることが正解なのか教えてくれとな。即席で神に祈ったわけだ。ああいう時に頼れるのは、神様くらいだ。<中略> 俺の頭の中にどなり声が、はっきりと聞こえたんだ。<中略>『自分で考えろ!』ってな、そういう声がしたんだ(p96)

本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ。重いものを背負いながら、タップを踏むように。(p106)

自分が考えているようなことは、別の人間も考えているってことだ。大抵の企みは自分に返ってくる(p178)



メモ

  • 芥川龍之介「トロッコ」
  • オングストローム:100億分の1メートル
  • グラフィティアート
  • テロメア
  • がん細胞


参考文献

本村凌二「ポンペイ・グラフィティ 落書きに刻むローマ人の素顔」
石田雅彦「先端研究者7人が明かす 遺伝子・ゲノム最前線」
ジョルジュ・バタイユ「エロスの涙」
リチャード・ミコッド「なぜオスとメスがあるのか」
池田清彦「さよならダーウィニズム 構造主義進化論講義」
ブライアン・サイクス「イヴの七人の娘たち」
ロジャー・ゴスデン「デザイナー・ベビー 生殖技術はどこまで行くのか」
デイヴィッド・ホロビン「天才と分裂病の進化論」
多田富雄「生命の意味論」
リチャード・ランガム&デイル・ピーターソン「男の凶暴性はどこからきたか」
坂崎乙郎「絵とは何か」
中原佑介「ヒトはなぜ絵を描くのか」
池田清彦「新しい生物学の教科書」
河合信和「ネアンデルタールと現代人 ヒトの500万年史」
サイモン・シン「フェルマーの最終定理 ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで」
ジョルジュ・バタイユ「エロティシズム ジョルジュ・バタイユ著作集」
清水信義「ヒトゲノム・ワールド 生命の神秘からゲノム・ビジネスまで」
ジョルジュ・バタイユ「エロティシズムの歴史」
上野厚「都市型放火犯罪 放火犯罪心理分析入門」
モーリス・ブランショ「ロートレアモンとサド」
東京富士美術館「アショカ、ガンジー、ネルー展カタログ」
ジェイムズ・シュリーヴ「ネアンデルタールの謎」
トルストイ「クロイツェル・ソナタ 悪魔」
マハトマ・ガンジー「ガンジー自伝」
ロベール・ドリエージュ「ガンジーの実像」
新潮社「芸術新潮」2002年11月号

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最終更新:2010年08月21日 18:40