羽生善治「決断力」(2000)
評価
★★★☆
ひとこと
羽生善治のエッセイ。決して決断力を高めるためのノウハウ本ではありません。
タイトルが非常に整理されている気がします。
将棋界の育成方法として読むとなかなか面白いかもしれません。
将棋とは相手があって初めて成り立つ勝負の世界であると実感させられた一冊。
分類
目次
第一章 勝機は誰にもある
- 勝負の土壇場では、精神力が勝敗を分ける
- 勝負どころではごちゃごちゃ考えるな。単純に、簡単に考えろ!
- 知識は、「知恵」に変えてこそ自分の力になる
- 経験は、時としてネガティブな選択のもとにもなる
- 勝負では、自分から危険なところに踏み込む勇気が必要である
- 勝負では、「これでよし」と消極的な姿勢になることが一番怖い
- 勝負には周りからの信用が大切だ。期待の風が後押ししてくれる
第二章 直感の七割は正しい
- プロの棋士でも、十手先の局面を想定することはできない
- データや前例に頼ると、自分の力で必死に閃こうとしなくなる
- 一回一回の対局には、新たな航海に乗り出す充実感と新しい発見がある
- 決断は、怖くても前に進もうという勇気が試される
- 最先端の将棋は、集中から拡散へと進歩している
- 常識を疑うことから、新しい考え方やアイデアが生まれる
- 事前の研究が万全な人は、私にとって手強い人だ
第三章 勝負に生かす「集中力」
- 深い集中力は、海に深く潜るステップと同じように得られる
- 集中力を発揮するには、頭の中に空白の時間をつくることも必要である
- 人間は、どんなに訓練を積んでもミスは避けられない
- 私が対戦する相手はいつも絶好調で、やる気を引き出してくれる
- プロの将棋は、一手の差が逆転できる想定の範囲内である
- 感情のコントロールができることが、実力につながる
- わき上がる闘争心があるかぎりは、私は現役を続けたい
第四章 「選ぶ」情報、「捨てる」情報
- パソコンで勉強したからといって、将棋は強くなれない
- 最先端の将棋を避けると、勝負から逃げることになってしまう
- 私は、敢えて相手の得意な戦型に挑戦したいと思っている
- 創意工夫の中からこそ、現状打破の道は見えてくる
- 将棋は駒を通しての対話である。お互いの一手一手に嘘はない
- 将棋上達法-近道思考で手に入れたものはメッキが剥げやすい
- スポーツ観戦の七割は趣味だが、三割は将棋に役立つ
- コンピュータの強さは、人間の強さとは異質なものだ
第五章 才能とは、継続できる情熱である
- 才能とは、同じ情熱、気力、モチベーションを持続することである
- 子どもは「できた!」という喜びが、次の目標へのエネルギー源になる
- 「真似」から「理解する」へのステップが創造力を培う
- 「これでいい」という勉強法も、時代の進歩によって通用しなくなる
- プロらしさとは、力を瞬間的ではなく、持続できることだ
- 将棋の歴史には、日本が世界に誇れる知恵の遺産がある
メモ
- 八面玲瓏(はちめんれいろう):周囲を見渡せる状態のこと
- プロセス
- アイディアを思い浮かべる
- それがうまくいくか細かく調べる
- 実戦で実行する
- 検証、反省する
参考文献
最終更新:2010年08月21日 18:29