小ネタ アベチヨ3 ◆VYxLrFLZyg
最近、大分涼しくなってきたけど、日が照ってるとまだまだ暑い。
日が照るってことは雑草はまだまだ元気に生えるわけで。
手が空いたから草むしりでもしようかと、
私はブルペンのそばを通って外野に向かっていた。
「危ない!篠岡!!」
そんな言葉と共に、何かが後ろからどかっとぶつかってきて、前のめりに倒れこんだ。
な、何!?痛いし!
「お、重い。」
ぶつかって私を倒した何かはそのまま私の上に乗っかってて、重くてたまらない。
「篠岡!大丈夫か!?阿部も!!」
駆け寄ってきた田島くんの声にびっくりして、無理やり首だけ振り向いたら。
阿部くんが私に覆いかぶさって、ピクリとも動かず、その目は閉じられていて。
血の流れが一気に逆流するのがわかった。
「阿部くん!! 阿部くん!?」
どこを打ったのかわからないから揺すって起こしたいのを必死で我慢して、
重たいけど、動かしてどうにかなっちゃったらそっちのほうが怖い。
怖くて、怖くて、涙が溢れてくる。
「篠岡、落ち着け。」
田島くんの冷静な声が、私の混乱を冷えさせる。
「篠岡、しばらく動かないで。」
やってきた志賀先生の声で、さらに冷静になれて。
志賀先生が、私の上に伏せたままの阿部くんの様子を伺う。
先生の呼びかけに、阿部くんがうっすら目を開けて、視点が定まらないまままた閉じた。
「脳震盪だね。頭を動かさないようにベンチに運んでくれる?」
先生が花井くんたちに指示を出す。
そっと阿部くんをみんなで持ち上げると、力の入ってない手がだらりと落ちて。
私はまた血の気が引く恐怖に襲われた。
やだ、阿部くん、どうしよう!?
運ばれていく阿部くんの後を追うように、ただ脚が動いてついていく。
ベンチに寝かされた阿部くんの前で膝から力が抜けて、その場にへたり込んじゃって。
閉じたままの阿部くんの顔を、泣きながら眺めると
その時、阿部くんの手が、何かを探すように動いたから、思わずその手を握り締める。
「篠岡、気持ちはわかるが、まずは冷却材をとってきて。」
「はっはい!」
志賀先生の言葉でやっと正気に戻った。
思わず手を離してしまったら、まだ阿部くんの手は何かを探してるようで
私の隣で同じく青くなってた三橋くんに頼むことにした。
「三橋くん、私ちょっと取りに行くから、代わりに阿部くんの手、握ってて?」
「う、うん。」
阿部くんの手を握る三橋君を確認した後、
離れようとしたら三橋くんの泣き声が耳に入ってきた。
三橋くんも、心配だよね。バッテリーだもんね。
冷却材を取って戻ってきたら、阿部くんはまだ気を失っていて。
その手をぎゅっと三橋くんが握ってくれてて、まだ泣いているようだった。
近くに来た所で走るのを止めて、歩いて近づいたら、
阿部くんがうっすら目を開けたのが遠目からでもわかった。
よ、よかった!
「な、泣くなよ・・・。」
阿部くんが視点の合わない目でポツリと話し始めて、思わず立ち止まる。
「オレは、ケガしねえよ。約束したんだ・・・。だから、泣くな。心配いらねえよ。」
そして阿部くんはそのまま手を引き寄せて、三橋くんの頭を抱きしめた!
「しのお・・・・。」
「あ、阿部く・・ん!!」
抱きしめられたと同時に三橋くんが絶叫して。
その空間が固まったのが、はっきり見て取れた。
阿部くんの目がゆっくりと焦点を取り戻していく。
三橋くんを認めた阿部くんの目が一瞬見開かれて、
そして顔色が青くなると共に目が半目になっていった。
逆に三橋くんは青かった顔がだんだん赤くなっていって。
「ご、ごめん!あ、阿部くん。し、篠岡さ、んと、変わる、よ!!」
三橋くんはキョドキョドしながら必死に言い捨てて、大慌てで逃げていった。
三橋君の後姿を見送って、視線を阿部くんに戻したら。
阿部くんは、拒絶のポーズのようにこっちに背を向けていた。
でも、見えてる耳は真っ赤で。
私は、何て声をかけたらいいのか、わからなくって。
とりあえずこみ上げてくる笑いを抑えるのに必死だった。
あの時阿部くんに当たったボールは勢いのないフライだったことと、
脳震盪になったのは私を庇って倒れた時に、
私の頭で顎を打ったせいじゃないかという事で、
念のため阿部くんは今日休養を取ることになり家まで送ってきた。
阿部くんの家に着いた時、家には誰もいなくて。
取りあえず阿部くんをベッドに追いやることにした。
「ホラ、横になってよ。あ、冷凍庫開けてもいい?氷取ってくるね。」
阿部くんの返答も聞かずに、下に降りて氷を拝借する。
部屋に戻ると、阿部くんは面倒くさそうにベッドに横になっていて。
袋に入れた氷をタオルで包んで阿部くんの顎に当てる。
「冷てぇ。」
「当たり前だよ。」
よかった。本当にもう平気そう。
そう思ったら、阿部くんが気を失った時の恐怖が蘇ってきちゃって。
「よかった。どうしようかと思っちゃった・・・。怖かったよ。」
「あー。ま、心配すんな。大丈夫だから。」
「そんな。私の身より、阿部くんのほうが大事なんだから、あんな無茶もう止めて?
私が怪我してもみんなは困らないけど、
私のせいで阿部くんが怪我したらみんな困っちゃうんだから。」
私がそう言った時、阿部くんが急に身を起こして私を睨むようにじっと見てきて。
「アホか。お前が怪我したら、オレが困る。くだらないこと言うな。オレは怪我しねえよ。」
そういって、私の肩を掴んで、唇を重ねてきた。
そのまま、肩から手を脇の下に潜らせて、
無理やり抱え上げられてベッドに引きずり込まれた。
「だ、だめだよ。阿部く!っんっ!」
安静にしてなきゃいけないのに、阿部くんは荒々しく私の唇を塞いで、舌を入れてくる。
手は胸を触ってくるし、その手を必死に押さえて抵抗するんだけど、相手は怪我人だし
また脳震盪起こしちゃうんじゃないかと思うと、力いっぱい抵抗できない。
阿部くんの手が器用に動いて、あれよあれよという間に私の手はがっちりと抑えられて。
右手は阿部くんの体で抑えられ、左手は頭の上で阿部くんの左手に掴まれて。
唯一自由に動く阿部くんの右手が、私の胸をまさぐる。
きつく揉まれて、痛みが走る。
「んんっ!!」
抗議の声は阿部くんの唇にかき消されて。
一つづつ、ボタンが外されていく。
必死に身を捩じらせるけど、脚もがっちり阿部くんに押さえ込まれて。
だめだよ!阿部くん!怪我人なのに!
やっとのことで唇を開放してくれた阿部くんに、さあ文句を言おうと息を吸い込むと。
「篠岡。頼む。」
ずるい。このタイミングで、そんな優しい目で言われたら。
抵抗なんて、できないよ。
阿部くんが手馴れた様子で私の服を脱がしていく。
私も手を伸ばして阿部くんを脱がしていって。
すっかり、定着しちゃった手順。
阿部くんはいつも私の靴下を最後に脱がす。なんでだろう?本当に不思議。
優しく胸を包まれて、阿部くんのぬくもりが、身体に広がる。
阿部くんの唇が触れた所が、熱をもったように痺れて。
はしたなく溢れていく。これじゃ、私、ただの淫乱じゃない。
「う、は、恥ずかしいよ。」
思わずそう声を出すと。
「何がだ?今更。」
どこまでも冷静な阿部くんが心底不思議そうに私を見てくる。
もう、ホント、女心わからないんだから。
大きく脚を開かされて、阿部くんの舌が触れてくる。
「はっ・・んっ・・んん。」
やすやすと指を受け入れて、阿部くんの舌が、そ、その私のく、クリ・・を
転がすように震わせて、体中に快感が走る。
頭の中で何かが弾けるような感覚に襲われて、一瞬意識が遠くなる。
何かを破る音で現実に引き戻される。
この時の阿部くんってホントに素早いと思う。比べる対象なんて、ないけど。
ゆっくりと阿部くんが覆いかぶさって来て、同時に深く侵入されていく。
無我夢中で阿部くんの首にしがみつくと、ふっと笑った気配がして、私を激しく揺らし始めた。
「ひゃっ! あああん!」
どうしよう、すごく気持ちいい。
阿部くんとこうする度に、気持ちよさが増えていく気がする。
こ、怖い。自分の体が、自分じゃないみたいで。
阿部くんの与える快感に、理性が飛んじゃいそう。
「千代・・・千代・・。」
ずるいよ。こんな時だけ名前呼ぶなんて。
私は意地でも呼んでやらないんだから。
阿部くんの動きがひときわ激しくなって、私はまた頭が真っ白になった。
そうして阿部くんも動きを止めて、私にもたれかかってくる。
「ちゃんと、イったか?」
そんな恥ずかしいことを、真面目な顔で聞いてくる。
「う・・うん。」
「あのなあ、ちゃんとイく時はちゃんと言えっていつも言ってるだろ?」
こんな場面でも、なんでそんなにえらそうなんだろう?
そんなこと、口が裂けたって、言えない。
最終更新:2008年01月06日 18:59