3-119 小ネタ
部活終了後の部室で、口々に飛び交う、自分や仲間への労いとどこか充足感を含んだ雑談。
泥臭さと汗のにおい。疲れの中にも解放感が湧き出して、喋る者も黙って着替える者もなんとなく一体感を感じる空間。
「なーなー泉ぃ!」
その中で、今日も突拍子も無く叫ぶのは。
「んー?」
「お前ってさぁ、オカズなに派?」
我らが天然4番田島神。
くりくりとして、いっそ無邪気にとでもいうのが当て嵌まるような田島の視線に、半眼で溜め息交じりの泉の視線が向き合う。
「おっまえ、またイキナリだよな」
「いーじゃん、なに派ー?俺は本だけどー。水谷はDVDなんだよなー」
「あー水谷って部屋にパソコンとかありそう。で、そういうの見てそー」
「別に今俺のこと言わなくていーじゃんかっ!」
「つーかなんで田島知ってんの」
「前に水谷ン家行った時に聞きだしたモン」
なんだかんだで、わいのわいのと騒ぎ出すグループを背に、また始まったと苦笑いを噛み締めながら着替えを続ける他メンバー達。
その中でも、ひとつ飛びぬけた頭のほうへ、田島はくるりと向き直ると、ぽんと顎を乗せて肩越しに話題を飛び火させる。
「なー、はないはぁー?」
「くだらねー事はいいからとっとと着替えろよ…」
「つまんねーつまんねー!合宿でチンコ話した仲じゃん。隠すコトねぇってー」
気侭な田島の標的はふらふらと移り変わって、そして。
「あっ阿部はー!?」
きちんと着替えも完了し、鞄に畳んだ服を詰め込む阿部を、上半身裸のままで田島が覗き込む。
「っんなコトいちいち聞いてくんな!本だろーがDVDだろーが妄想だろーがカンケーねぇだろ!誰が答えるかっ!」
阿部の一喝に、きゃい!っと周囲が縮こまる、と…
「なーんだぁ阿部は妄想派かぁ。ねーねー誰か特定の人居んの?」
「だからっなんでそうなる!!」
ぎゃーぎゃーと喚く一角に、主将はこめかみを押さえて溜め息をつき、副主将・栄口は部室の隅で肩を叩く。
「みはしーぃ、固まんなくていいから、はやく着替えろよー?」
今日も西浦ーぜは元気です。
最終更新:2008年01月06日 19:34