6-20-25 レンルリ1(303氏) レンとルリ1 ◆LwDk2dQb92
私が従兄弟の三橋廉を異性として意識するようになったのは中学一年のころにまで
さかのぼることになる。
あれは中一の二学期、十一月下旬。期末テスト前のことだった。夜遅くまでテスト勉強に
励んでいた私は、時計を見て深夜の一時が近いことを確認した。んーと軽く伸びをすると
一息入れようと思って、休憩をするため部屋を出てダイニングに向かった。
平日なのにずいぶんと長く起きていたためか、疲れを感じていた。
そこで、疲労には甘いものがいいっていうし、好きなココアを作ってのんびりと楽しんでいた。
使ったコップを片して部屋に戻ろうとしたところ、今年の春から同居人となった従兄弟の三橋廉が
脱衣所に入っていくのが目に入ってきた。彼も真面目にテスト勉強していて、眠気を覚ますために
顔でも洗いにきたのかなと私は考えた。
気軽に
『レンレンもまだ勉強を頑張ってたの?』
と声を掛けようと思い、でもそれじゃやっぱり面白くないからこっそりと近づいて、おどかして
みることとした。
忍び足で物音を立てないように細心の注意を払って近づいていく。わっと大きな声を出そうと
壁から脱衣所内をそっと覗き込んだ。
ここで少しおかしいことに気づいた。私は顔でも洗っているのかなと思っていた。ところが、
水道から水が流れる音はまったくしなかった。何をやっているのだろうと更に注意深く薄暗い部屋の
なかを廉の様子を窺ったところで、逆に私が驚かされることとなった。
「……っ!?」
彼は手に持っていた白い布切れ――私が昨日はいていたパンツをじーっと見ていた。
(えっ……なんで? どーしてパンツなんか見ているのよ!?)
なんの変哲もない普通の女の子が身につける白いもの。見ているだけでは飽き足らなくなったのか、
パジャマのズボンから……その、男の子の部分を取り出していた。ビクビクとまるで別の生き物のように
蠢いている。
廉とは小学生の頃にうちに帰省した際に一緒にお風呂に入ったことが何度かあった。記憶の奥底に
眠っていたそれとはまったく異なり、私の興味を強く引いた。
確か小学校のころに見たときは親指程度の大きさだったはずだ。でも今、私の目を釘付けにしている
オチ○チンは肌色ではなくて、包皮は剥け上がっていて綺麗なピンク色をしていた。大きさも
比較すること自体がバカらしいほどに変わっていた。
私が数メートルしか離れていない背後にいるということに気づくことはなく、男の子の証を私の
パンツで包み込んでいった。
そして、前後にシュッシュッと擦り上げていく。
(まだ大きくなるの……?)
水平ぐらい位置に留まっていたのものが、だんだんと天井へと上向いていくにつれて大きさも増して
いっていた。
深夜ということで息遣いを抑えているらしく、くっとかうっとか苦しげなくぐもった声が聞こえてくる。
でも、実際にはそうではないらしくて廉の表情は苦しそうには見えなかった。
(あっ、これってコーフンしてるんだ……。これが男の子のオナニーなんだ)
ようやくそれに思い至った。友達が学校にちょっとエッチな雑誌を持ってきて、その本を皆で
キャーキャー言いながら見ていたことを思い出した。
男の子は本とか自分の頭の中で想像の女の子にエッチなことをするのを妄想して抜く(?)って
書いてあった。私は抜くって表現がいまいちなんのことかわからなかった。でも、この目の前で
起きているエッチな光景で理解できた。
(あのオチ○チンの先から精液出しちゃうんだね……。それを女の子のアソコで出しちゃうと赤ちゃんが
できるんだ……)
無意識のうちにパジャマの下へと手を滑らせ下着へと触れていた。
(湿ってる……これが濡れるってこと? そっか。私もレンレンのこと見て興奮しちゃってるんだ)
何故かはわからないけど、このときの私は妙に冷静だった。
友達とエッチな本を見たときには、どこか不潔なことに思えてバカにするような態度をとって
しまっていた。だから、今オナニーに耽っている彼を見て軽蔑するはずだった。
だけど、そんな感情は欠片もわいてこなくて
(嫌じゃない……ううん、これは、この気持ちはなんだろう?)
胸のなかに起こった感情がわからずに、ただ呆然と見守るだけだった。
レンレンの体がビクッと大きく震えていた。ちらっと見えた赤く染まった横顔から私は気持ちよく
なれたんだなとなんとなく解釈していた。
廉は今更ながらキョドキョドと辺りを窺うようにしていた。来たときと同じようにしてダイニングの
ほうへとそろそろと引き返していく。これで彼と鉢合わせすることはない。
五分ほど待ってゆっくりと脱衣所に向かう。明かりは消えていた。今度は私が挙動不審になって足を
踏み入れていく。さっきまで廉のモノを包み込んでいた私のパンツを探す。洗濯機の奥底にて発見した。
見られるのはまずいから一番下に隠したんだと思う。いけないことをしている自覚はあるんだって
ことがわかって思わず小さく笑っていた。
「これが精液なんだ……」
部屋に戻ってきた私はテスト勉強に取り組んでいたことも忘れて、持ち帰ってきた自分のパンツを
広げていた。指先にてすくった粘つく液体を弄ぶ。ゼリー状のそれを鼻先までもってきて匂いを嗅ぐ。
なんといえばいいのだろう。とにかく不思議な――今までにない匂いだった。
「んむ……っ」
親指と人差し指まとわりつく粘液を口に含んでいた。なんでそんなことをしたのかはわからない。
敢えて言うなら興味本位からの行為だったと思う。
「にがい……」
匂いと同じように経験したことのない味わいだった。一瞬、それで我に返りかけたのだけど、身体に
異変を感じたことによって押し止められる。
身体が火照る。正確にはお腹の下のほうが疼くというか。今までになかったことに怖くなっていた。
それでもそこを触って欲求を満たせという頭の奥から出てきた声に逆らうことができずに、そろそろと
ズボンを下ろして下着に指を這わせる。
「さっきよりも湿ってる。ああ。いやらしいことしてたからエッチな気分になっちゃったんだね……」
ぼんやりと人事のようにつぶやく。
「んっ、ふぅあぁっ」
縦に浮かび上がってきた筋に沿って撫でただけだった。それなのに変な声が自然と漏れていく。
――怖い。やめたほうがいい。まだ引き返せる
ネガティブなことが次々に頭に浮かんでいく。だが、初めてもたらされた快楽の前には無力だった。
「はっ、はあぁぁん。あうっ」
上下に撫でるだけの単純な動き。それだけでも浮かび上がった筋はより鮮明となり、ふしだらな
水の音も大きくなっていった。
「だ、ダメだよっ。こんな……こんないけないことっ!」
余っていた手で胸を撫でる。夜なのでブラはしていない。どちらかといえば平らで薄い胸だけど、
頂点に位置する乳首ははっきりと起き上がっていた。
「きゃふぅ……っ! いけない子になっちゃうっ……ダメな女の子に、でも……っ」
手は止まらなかった。身体がそれによって得られる快感に夢中になっていた。
「んん……っ!?」
普通だったら痛みを感じるはずの強さで乳首を摘む。それと同じくしてキュッとアソコが収縮するのを
感じていた。
翌日の寝起きは最悪だった。雑誌を見せてもらって興味があったこととはいえ、ずるずるとエッチな
ことに囚われて繰り返してしまっていた。それから起こる自己嫌悪。寝不足も相まって憂鬱な
ため息を繰り返すばかりだった。
うちはお昼は無理だけど朝と夜は家族揃って食事を取るようにしている。朝食でいきなりレンレンと
顔を合わせなければならないことを思うと気が重かった。
洗顔やトイレなどの身支度を済ませて制服に着替え、ダイニングに行ったときはドギマギしてしまった。
とはいっても、彼は自分がやったことが私にばれたということを知らないわけで、当然ながら平然と
していた。
もちろん、わかっていたことだけど乙女心としては面白くなかった。
朝ご飯を食べ終えて一緒に学校に行くときに、道すがらレンレンの頭を叩いていた。
「……レンレンのバカ」
「……っ?」
こんな精神状態ではテストもよい結果が出せるはずもなかった。同じように成績の悪かった彼と
こっぴどく叱られる羽目となったのだった。
このあとも私たちの関係は別に変わることもなく、普通の生活を送っていった。少しずつ暗くなっていく
レンレンのことが気がかりだったけど、三星は男子と女子で校舎が分けられていたからその理由を
知ることはなかった。
あの夜から廉のことを男の子なんだと意識していくようになった。あんなヘンタイなことをされたのに
不思議と嫌いにはなれなかった。そもそも、多感な年頃を迎える男女を一緒に住ませた
親たちが悪いわけだし。
あの夜以降にときどきするようになった一人遊びで頭に浮かべるのは廉のことだった。きっと好きに
なっていっていたんだと思う。
だけど、思春期真っ只中の微妙なお年頃のためそれを認められなくて――素直になれなかった。
好きだから意地悪したくなるというか、泣かしたこともある。そこから更に理不尽に
『男の子が泣かないでよ……っ!』
とかなんとかいってエンドレス。どんなことをしてもレンレンは私のことを嫌いにならないとか
思い込んでいた。
中等部を卒業して春休みに入ったある日。友達と遊びに行って帰ってきた私を待っていたのは
廉がいなくなった家だった。
家にいたお母さんに聞いても三星の高等部に進学するのをやめて、地元である埼玉の高校に進学が
決まったから実家に帰ったということだけしかわからなかった。
当たり前だけど、レンレンが使っていた部屋には誰もいない。力が抜けてしまってペタンと座り込んで
しまっていた。
「どうして……? 私が意地悪しちゃったから……?」
私の目からは涙が止め処なく溢れていた。
三年間一緒に同じ屋根の下で暮らしてきて家族になれた――曲がりなりにも仲良くなったと思っていた。
――もっと素直になっていれば、意地悪しなければレンレンは帰らなかったんじゃないかな
胸に残ったのは後悔の念ばかりだった。
廉がうちを去った理由――中等部の野球部でつらい目にあっていたことを知ったのは、高等部に進学して
からのことだった。もともと彼は大人しい性格だから、叶以外には親しい友達ができなかったみたいだった。
それに私や彼は学校経営者の孫だから、腫れ物に触れるみたいに扱う人は先生だけでなく、同じ立場の生徒
でもいる。人見知りな廉はそのせいでクラスでも浮いた存在だったらしい。
クラスでも部活でも孤立して本当につらかったんだと思う。三年間同じ屋根の下で暮らしてなんでも
わかる家族になった気でいたことが恥ずかしかった。
レンレンがうちからいなくなってからは、とにかく彼に会いたいとばかり考えるようになっていた。
ゴールデンウィークにあった三星との練習試合のことを教えてもらえなかった。意地悪しちゃったことを
謝るチャンスを逃して落ち込んでしまった。やっぱり彼はまだ怒っているのかなって。
だけど、学校でたまたま会った叶の話だと、向こうの高校の野球部ではうまくいっているみたいだって
聞いて安心をした。
転機は夏の高校野球だった。
廉の初めての公式戦を応援に行こうと思って連絡をとった。とはいっても、レンレンはまた試合のことを
教えてくれないかもしれない。だからより確実に、おばさんに試合の日程を別に聞いて確認した。
本当に久しぶりに見る野球をしている彼はかっこよかった。私が好きだから、目にフィルターがかかって
特別に見えているのかもしれない。でも、真剣な表情で強豪校相手にも黙々と投げ込んでいく姿を見ていると
――男の子が一生懸命になって頑張っている姿は本当に眩しかった。
試合に勝った後、疲れて眠ってレンレンを家へと連れて帰る。
買い物に行ってくるから廉のことを見ていてとおばさんから頼まれて、ベッドで昏々と眠り続ける彼を
イスに座って見入っていた。
「今まで意地悪とかしちゃってごめんさない」
眠っているのをいいことに謝っていた。もし、起きていたら素直に謝れないだろうから。
「ホントはね、レンレンのことが好きだって今すぐにでも告白したい。でも、レンレンが三年生になって
野球部を引退するまで我慢するね」
今日の試合を見ていて確信した。今の彼は野球に夢中で部の皆と心から楽それをしんでいるんだって。
そこへ勝手に踏み込んではいけない気がした。
今の私たちは一緒の学校に通っているわけじゃない。近くにいないのに好きだとか言って困らせては
いけない。
だから、これからこまめに連絡を取って二年後までに少しずつ距離を詰めていく。そして、好きになって
もらって、ちゃんと謝ってから告白したい。
「私はあなたが好き。これから少しずつ伝えていくから、レンレンも私のこと好きになってね」
未だに眠り続ける大好きな人に私はそっと唇を重ねていった。
最終更新:2008年01月06日 21:45