6-171-172 小ネタ おっきなの、好き? 


三橋と俺が別練習を終えて、合宿所に戻ってきた時の事だった。

「わ、花井君の、凄く大きい!」
「そ、そんな事ないだろ?普通だよ。」
「だって、両手でもあまっちゃうよ。」
「あんま、ジロジロ見んなよ。恥ずかしいだろーが。」

中から聞こえてくる声に、三橋と俺は固まった。

「しのーか、俺のも見てよ!」
「田島君のは、ちっちゃくてかわいいね。」

ええーっ!?
花井だけじゃなく、田島までっ!?

「あっ!巣山君のって、凄くキレイ。」
「そうか?写メでも撮る?」
「いいの?待ち受けにしちゃおうかな?」

篠岡、何考えてんの!?
そんなモノ、待ち受けにしちゃいけません!!
あぁ!三橋、鼻血が出てるっ!!

「しのーかっ、俺のを食べて~」
「むぐっ!」
「水谷!いきなり口に突っ込む奴がいるかっ!!」
「だって、みんなのばっか見て、俺の見てくんないんだもーん。」
「篠岡、無理すんな。出しちゃえ。」
「んっ、もったい、ない。だい、じょうふ、じぇんぶ、のむ、から。」

篠岡、飲めるの?あんな、臭いのを、飲んじゃう人なの!?
すげーよ、篠岡。俺、尊敬する。
てか、三橋、そんなところで座り込むな!!

「けほっ、何で、水谷君の、甘いの?」

あ、甘いぃー!?
水谷、糖出ちゃってんの!?
生クリームの食いすぎだ!クソレフトめっ!!

耐え切れずに、合宿所に駆け込む。
「何やってんだ、おめーらっ!!」


涙目で蹲る篠岡。
篠岡の背中を擦る花井。
水谷から砂糖を取り上げる田島。


オニギリを握る巣山。

合宿所内で固まっている、以上の5人。


「や、オニギリ作ってたんだけど、どったの?」
怪訝そうな顔で水谷が聞いてくる。


オニギリですか。オニギリ。
花井の大きなオニギリ。
田島の小さなオニギリ。
巣山のキレイな形のオニギリ。
水谷の砂糖まぶしオニギリ。


鼻血を出しながら、内股気味で座り込む三橋と、
顔を真っ赤にして、前屈み気味の俺。

巣山が、俺が何を考えたのかを察したのか、
「で、何を考えたんだ、阿部は?」

性格悪そうな顔で聞いてきた。


巣山の野郎、全部わかってやがる。
どう言い訳しようかと途方に暮れる。

畜生、憶えていやがれ!!






最終更新:2008年01月06日 22:03