6-650-655 レンルリ 君の喋り方が愛しい。 ◆tE8p2y4G8I


久しぶりに親戚の法事で三橋家が集まりがあって、俺達家族は三橋本家へ行った。
夜、大人たちはお酒を飲んで大騒ぎしてるし子供達は騒ぎすぎて寝ている。
高校生の俺にはどちらの居場所も会わなくてそっと外へ出た。
(早く埼玉に帰って野球したいなぁ・・・)
庭の小石を握り締め、振りかぶってみる。駄目だ、野球ボールじゃないと。
でも野球ボールは来るとき「置いていきなさい」ってお母さんに取られちゃったし・・・。

「あ、レンレン!」
「・・・・・・」
瑠璃が俺を見つけて外へ出てきた。
「ここに居たら風邪引くよ!」
「・・・大丈夫」
最近、瑠璃と話す時は、なるべくコトバが詰まらないようにするんだ。
俺、カッコワルイから。
「家に入りなってば!」
「いいよ。」
瑠璃の注意を聞かずに投球練習をしてみる。想像で阿部君のミットを思い浮かべながら。
花井君の『声だせー!』とか泉君と水谷君の掛け合いとかを思い出す。

うん、楽しい。



しばらく西浦のグラウンドを思い出してたのに、変な音が聞こえた。
「うぅ・・・ひっく」
振り返ると瑠璃が泣いていた。
「え?ルリ・・・」
「・・・かぁ・・・」
「?」
「レンレンの馬鹿ぁあああああ!!」
あふれ出るダムのごとく泣き出す瑠璃。え、お、俺なんかしたっけ?
「ど、な。」
どうしたの?何で?って聞きたいけど聞けない。
「レンレン~~冷たいんだもん!!」
けど瑠璃は俺の言いたいこと解ってくれてるみたいで泣きながら答えてくれた。
「お、俺、が?」
「レンレンわぁ・・・っく、私としゃべってくれなくなった。」
「え・・・」
「いっつも西浦の事ばっか考えて、叶の事ばっか考えて、野球の事ばっか!」
「あ・・・う・・・」
「そして篠岡さんと百枝さんとは笑顔で会話するのに!」
「う?」
どどどどうしよう・・・瑠璃の泣く理由が解んない、よ。
瑠璃は大声でわめきまくったあとすすりながらか細い声で
「どーして私と会話してくれないの・・・」
と肩を震わせた。




レンレンと一緒に住んでた時、私が一番レンレンに近いと思ってた。
いつもどこか抜けていてグズでノロマだけどそこが一番可愛いレンレン。
だけど高校を勝手に西浦に決めて、私の前から居なくなっちゃって。
久しぶりに会ったとき、レンレンはすっごい笑顔だった。
(やだ、皆にそんな顔で笑わないでよ・・・)
(マネや監督の人と仲良くしないで・・・)
きっと、レンレンはわかんないだろうな。何で泣いてるか。
あの夏の大会の時から、レンレンと私の間には深い深い溝があるの。
私の前で見せないレンレンの表情全てが私の体の中でぐつぐつ煮えていく。
レンレンを困らせる私、最低・・
「る、ルリ!」
がしっと私の肩を掴むレンレン。私は怖くて顔を見れずに居る。
「お、俺がしゃべらないのは、話し方がへ、変だからだ、よ!」
「・・・え?」
「お、俺ルリの前でこ、こんな喋り方聞かせたくなく、て。で、でも、泣かせてご、ごめんね!」
思わず見上げてしまったレンレンの顔。
まっすぐ私を見てくれている。ちょっと泣きそうな顔をしたレンレン。
「だ、だから、な、泣かない、で?」
ぽろぽろぽろぽろ。それでも私の目からは涙が落ちていく。
止めたい。レンレンを困らせたくない。
だけどそう思えばそう思うほどぽろぽろぽろぽろ涙が零れていく。


「う、う~~~っ。レンレンー!」
「・・・っわ!」
我慢できなくてレンレンの体にしがみつく。
(レンレンの話し方なんて気にしてないよ。大好きだよ・・・。)
もう全部好きなのに。大好きなのに。
三星の皆にとってグズでノロマでも私にとっては世界一かっこいいレンレン。
大好きだから離れて辛い。一緒に居たい。

お願い、今だけで良いから。
触れさせてください。
レンレンを独り占めさせてください。

ぐりぐり涙をなすりつける私をレンレンはそっと包み込んでくれた。
黒いスーツが大人っぽい。
(私達、ずっと一緒に大人になりたいよ・・・。)
二人で大人になりたい。
一緒に大人になりたい。
どうすれば良いのかなぁ・・・。
・・・レンレンは一緒に大人になってくれるかなぁ?


(どどどどどどど、どうしよう。あ、阿部君、る、瑠璃が。
た、田島君、い、泉君、ハマちゃ・・・どうしよう。)
お、俺の腕の中に泣いている瑠璃が居るんだ。
ドキンドキン!と心臓が跳ねる。
「る、瑠璃!」
ぽろぽろと涙を流す瑠璃を見ていたらふっと何かが飛んで俺はキスした。
ふにっとした感触。真っ白な頭。
「・・・・・・」
「・・・・ご!あああああ!ごめん!」
「ごめっ!ゴメン!!!!!」


俺は走って逃げた。
って・・・だって。
涙を流す瑠璃はあまりにも愛おしかったから。
黒いワンピースがとても色っぽかったから。
(ど、どうしよう!瑠璃はイトコなの・・・に!お、俺サイテーだ!)
熱くなる顔を必死に隠しながら俺は埼玉に逃げ帰ってしまった。
もうきっと瑠璃の顔は見れない。
俺の知らない瑠璃が居て、
瑠璃が知らない俺が居るんだ。
ここから先は行っちゃいけない。行けないんだ!!




あの日から俺は瑠璃の姿が頭から離れなくて。
今まで味わったことのない気持ちになるんだ。
なんかねっとりしたものが体を駆け巡るよう、な。
田島君に言わせると
『それはムラムラしてんだよ!三橋ーちゃんと抜けって!』
って事らしい。
(それは瑠璃にって事なのかな?)
いつもはマウンドに立つと忘れれたのに、監督がみつあみしてるから、思い出しちゃった。
そんな俺にあべ君はため息ついて練習を中断した。
「今日は早めに帰れ。ゆっくりしろ」
「う、うん・・・」
ねっとりした気持ちを必死に押さえながら家に戻る。誰も居ない。
適当に荷物を置いてベットの上に寝転がる。
多分この気持ちは吐き出しても吐き出しても収まらない。
(このままじゃ野球出来ない・・・。)
一人でしようか。そんな事を考えた時、玄関でガタガタと物音がした。
(!?・・・お母さんだ・・・)
ヒヤリと背筋が凍る。危ない危ない。
足音はトントンと軽快に階段を上る。普段居ない息子を気遣いに来たのだろう。
(布団をかぶって寝たふりをしよう。。。)
カチャと扉が開き、カーテンが閉められる。三橋の布団も少し動かしたようだ。

『カシャン!カシャン!』

金属音と共に手首にひんやりとした感触が走った。
(・・・・え?)
うっすらと目を明けるとそこにはいつもの母ではなく瑠璃の姿があった。





レンレンを見下ろしている私。
「る、瑠璃・・・」
「・・・起こしちゃったね。」
姿勢を変えようとしたレンは異変に気づく。
「まさかもうレンレンが帰ってきてるなんて思わなかった。」
手錠で拘束された自分の姿に。
「な、な・・・」
すばやく手錠の片方ずつをベットの柵に繋いだ。
「今日、おばさん仕事でしょ?私お母さんから御遣い頼まれたの・・・」
「う・・・。こ、これ!」
「それ、雑貨屋で買ったの。ジョークグッツだけど片手じゃ取れないよ。」
「え、え?!」
レンレンの目の前で見せ付けるように自分の服を脱いでいく。
最初はシャツのボタン、スカートのホック。
キャミソールも勇気を出して脱いだ。
「ごめんね、レンレン・・・こんな事して。」
怖いくらい優しい声で私は呟き、レンレンのズボンのベルトを外していく。
「瑠璃、駄目だよ・・・」
「・・・駄目じゃないもん」
自分の言葉で自分を奮い立たせ、レンレンのそれを口に含んだ。
「あっ!」
レンレンの叫び声を聞きながら私は一生懸命舌を這わせる。
大人になるためにと、学んだ知識を思い出しながら。
包むように舐め、ときどきジュッと音を立てて吸ってあげるとレンレンは腰を浮かせる。
「だ、だめだよ瑠璃・・・!お、俺!」
そんな言葉を何回聞いても私は止めない。
むしろ一層強く吸ってあげた。
「うぁっ!!!」
半ば泣き叫びみたいな声と共に口にえぐい味が広がる。
私が口を話すと白い液体が唇から垂れた。
「うう”・・・思ったよりマズイ・・・」
部屋にあったティシュに吐き出し、口を持ってきてたお茶でゆすいだ。
「はぁ・・・はぁ・・・」
脱力感に満ち溢れ、涙を浮かべた目でレンレンは私を見つめる。
「ルリ・・・」
「ごめんね、レンレン。どうしてもレンレンとこうしたかったの」
何回も空想で思い描いた事。独占したい。Hなことをしてみたい。
それを今日、してしまったのだ。
これから先の事もしたいけど、なんだか繋がれているレンレンがすごく可哀想で。
「もう、しない・・・から」
ぎゅっと一回汗ばんだ体に抱きつき、手錠を手から外した。

レンレンはゆっくり起き上がると、強い力で私の腕を掴んだ。
(殴られる・・・!!)

ドサッ。

「え・・・」
今度おどろいたのは私の方だった。
ものすごい力で押し倒されたのだ。
「レンレン・・・?あっ」
首を軽く吸われ、私の吐息が漏れる。
レンレンは私を押さえつけながら下着をずらし、手を滑り込ませる。
「やっ!」
思わず叫んでしまう位、触られるということに免疫が無い私。
くすぐったいというよりざわざわとする・・・。
レンレンは何も言わない。黙々と凄い勢いで舌を這わせている。
「んっ・・・」
自分の聞いたことの無い声が脳内を駆け巡り、体中を熱くさせる。
胸を据われながら私の中を弄られると、もうなんだか訳がわからなって。
次第に力は抜け、なすがままになってしまった。
「レン・・・レン。レンレン!」
指でで激しく擦られると、もうしがみ付いて泣きながら名前を呼ぶことしか出来ない。
この変な気持ちはどこまで行くのだろう?
ふと、熱くて硬い物が私の体に当たった。
「レンレン、これな・・・っ」
私を何かが突き裂く。
「いや、何これ、抜いてっ!」
ものすごい痛みと共にレンレンのそれは私の奥へ入っていった。
「ごめっ、瑠璃。止まんない・・・う」
「や、やぁ、やー」
どんどんスピードを上げて痛みが加速していく。
「やぁあぁっ」
「ごめん、瑠璃、俺、瑠璃がす、好きだ!」
でもなんだかどんどん痛みなのか訳がわからなくなって。
「あ、ああっ!」
「んっ・・・!!!」
私達は二人で一緒に大人になった。


瑠璃からのメールを見て、俺は凄く安心した。
「おい、三橋、どうした?」
「あ、阿部君。あのね、瑠璃からメール来たんだ、よ」
「瑠璃?・・・あああのイトコか。」
「うん!『生理来たって』」
「ブハッ!!!えぇ?!」
「お、俺、今度からちゃんと着ける、よ!」
「三橋ぃっ!!??」
「お、俺、阿部君より大人だから!」
「てんめーブッ殺す!!!!!!」
「ふぎゃぁぁ!!」
阿部君はウメボシをしようと俺を追いかけ回す。
皆はそれをみてワハハって笑うんだ。
練習もいっぱいして、強くなる、ぞ!
そして西浦の皆で甲子園行って、優勝して。
インタビューで答えるんだ
「瑠璃の応援のおかげです!」って。
まってて、瑠璃。おれ、がんばる、よ!
その頃にはこの喋り方、少し直す、から。
多分。






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最終更新:2008年01月06日 22:36