7-26-30 ニシチヨ 西広×篠岡 ◆VYxLrFLZyg
試験週間が始まって、最終日の明日は私の苦手な教科。
最後の追い込みを教わろうと、一緒に西広くんの家に向かった。
「さ、どうぞ。」
「お邪魔します・・・。」
西広くんの後について家の中に入ると、しんとしていた。
「散歩にでも行ってるのかな?ま、いいや。どうぞ。篠岡。」
部屋に向かうついでにリビングをこそっと覗いたら、人の気配はなくて。
えっと、ふたりっきりってことよね。うん。
いやいや、今日は勉強しにきたんだから。
明日も試験なんだし。
そんなことを考えながら歩いてたら、西広くんが自分の部屋のドアを開けた途端、大きな声を上げた。
「ああっ!」
「な、何!?」
その声に私もびっくりしちゃって思わず見ると、ドアの取っ手を持ったまま苦笑いしている西広くんと目が合う。
「いや、妹が、また・・・。」
その言葉に、私はドアの隙間から中を覗いたら、かわいらしいぬいぐるみたちが部屋の中に散乱していた。
「か、かわいい!!」
「妹はね・・・。いつもこうやってオレの部屋にお気に入りのおもちゃ、置いてくんだよね。」
西広くんは照れ笑いを浮かべながら部屋に入り、ぬいぐるみを手にとっていく。
私もそれを手伝って西広くんの抱えた上にぬいぐるみを乗せていった。
くまさんや、うさぎや、パンダのぬいぐるみを、腕一杯に抱えてて微笑む西広くんが
なんだかかわいく見えちゃって、思わず私も笑ってしまう。
「ふふっ・・・。妹さん、西広くんのこと大好きなんだね。」
「トシ、離れてるしね、やっぱかわいいね。」
西広くんはそういいながら部屋を出て行った。
さて、勉強の準備しなきゃね。
部屋に置いてあるテーブルに、明日の試験教科の教科書とノートを広げる。
テスト範囲のページをパラパラとめくっていたら、西広くんがお盆に乗せたお茶と共に戻ってきた。
「さて、はじめよっか。篠岡、どこがわからない?」
「あのね・・・・・・。何もかも・・・わかりません。」
恥を忍んで告白すると、西広くんは再び苦笑いして。
そうよね。西広くんからしたら、私ってバカに見えるだろうな。
「じゃあ、ヤマ張るしかないね。一夜漬けで丸暗記したら大丈夫だよ。」
なんてことないことのように言う西広くん。
一夜漬けだってそんな簡単じゃないよね!?
さらっと言うんだから、すごいなあ・・・私、覚えられるかな。
西広くんのノートを見せてもらって、うんうん唸ってたら玄関が開く音がした。
「あ、帰ってきたみたい。」
西広くんがそう言うと、玄関から元気な足音が響いて、問答無用でドアが開き妹さんが飛び込んできて
そのまま、西広くんに突進して、抱きついた。
「おにーちゃー!」
「こ、こら! お客さんがいるんだから。ごめんね?篠岡。」
抱きついてきた妹を抱えながら、西広くんは私に謝るけど、妹さんの気持ちもわかる。
そりゃ、こんなお兄ちゃん、大好きだよね。
「ホラ、こんにちは、は?」
西広くんに窘められた妹さんが、ぱっとこっちを見て目が合った。
そのまま頭をぺこりと下げる。
「こんにちゃー。」
か、かわいい!
「こんにちは。」
私も思わず笑顔になってそう挨拶すると、妹さんも笑顔を見せてくれた。
すると、ドアの向こうから西広くんのお母さんが顔を見せて、慌てたように妹さんを抱きかかえた。
「あらあら、ごめんなさいね。勉強のお邪魔しちゃって。」
「こ、こんにちは。い、いえ! 全然、大丈夫です。ハイ。」
「ゆっくりしていってね。」
西広くんとよく似た笑顔を見せて、おばさんは妹さんを抱えて出て行った。
「ごめんね。篠岡。」
「ええ?全然いいよ。押しかけてるの、私だし。」
それにしても、西広くんの妹の扱い、さすがだったな。
本当に、いいお兄ちゃんなんだろうな。
もしかして、私もあんなふうに扱われてるのかな。
なんか、手のひらで転がされてるような・・・そんな気は、するよね。
いっつも穏やかな笑顔で、怒ったところを見たことがない。
あ、アノ時も余裕しゃくしゃくだし。
西広くんから見て、私ってどんな風に映ってるんだろう?
すると、脳裏にアノ時のことが一気に思い出しちゃって。
頬に一気に血が集まってきちゃって、顔が赤くなってくるのがわかる、ど、どうしよう。
ちらりと西広くんを見ると、ちょうどお茶を飲んでる所で。
ふと目が合った拍子に、西広くんは少し目を見開いて、ふっと笑った。
そのまま座ったまま私に近づいて、私の目をいたずらっぽく覗き込んでくる。
い、嫌な予感。
「篠岡。目がエロくなってるけど、何考えてる?」
「エっエロ!? な、何も考えてないよ!」
何で西広くんは、私が考えてることわかるわけ!?
エスパー!?
「さすがにこの状況じゃ、無理だから。我慢してね?」
「なっ!? 我慢って、な、何? 何もしたくないよ!?」
ますます顔が赤くなってくるのがわかる。
あ、どうしよう、涙まで出てきそう。
西広くんは、困り果てた私をくすくす笑いながら見ている。
ほんっと、余裕しゃくしゃくで、やんなっちゃう!
その時、遠慮がちなノックが響いて、おばさんが再び顔を見せた。
「辰太郎、お母さんちょっと出かけてきてもいいかな? あの子、今昼寝してるから
2時間くらいは平気だと思うんだけど。」
「いいよ。オレ達どこにも行かないし、勉強中だから静かにしてるから。」
西広くんの返答に、おばさんはよろしくねと言った後、そっと部屋のドアを閉めた。
足音もたてずにこっそりでていったみたいで、玄関の扉が僅かに閉まる音が聞こえた。
私は嫌な予感がしっぱなしで、必死に教科書だけを見つめていた。
西広くんが笑みを浮かべて私を見てるのがわかる。
絶対、西広くんの、ほうは、見ない。
私は、勉強、するんだから。
呪文のように脳内で呟きながら、ひたすらじっと教科書を見つめていたら。
西広くんが肩を奮わせながら小声で私に耳打ちしてきた。
「し、篠岡、教科書・・・逆だよ・・・?」
西広くんの言葉に、はっとよく手元を見返すと、本当に逆だった。
「あっ・・・。」
西広くんは床の上にお腹を抱えながら伏せ、震えながら声を立てずに笑っていた。
私はその様子に再び顔が赤くなる。
「ヒ、ヒドイよ!笑いすぎだよ!」
「し、篠岡、シー。」
声をひそめながら西広くんにそういわれて、私もはっと口を手で塞いだ。
妹さん、昼寝中だもんね。静かにしないと。
まだ肩を震わせながら、西広くんがゆっくり身を起こし、潤んだ目で私を見てきた。
そのまま、ずいっと私に寄って来て距離を詰める。
西広くんのその行動に、私が思わずお尻をずらして遠のこうとすると
ひょいと肩に手を回され、ぐっと西広くんの胸の中に引き寄せられた。
「に、西広くん!?」
「シー。篠岡、静かに。」
西広くんの体温を身近に感じてしまい、思わず声を上げると、
囁き声と共に、唇が降ってきて、私は唇を塞がれた。
こっちが身構える間もないその強引な行動に、西広くんの舌が入ってくるのを止めようがなくて。
直接触れ合った彼のの舌に、頭の芯がじんとなる。
頭の中にもやがかかっていく様な快感。
こういう時、本当に西広くんの手のひらで転がされてるな、と思う。
私が声を出さないように、ずっと唇は塞がれてしまって。
息をするのも少し苦しい。
西広くんの手が滑るように私の身体を撫でて、きゅっと胸を揉まれる。
「・・・っふう・・・っ。」
やっと、唇が開放されて、大きく息を吐くと、至近距離で私を覗き込む西広くんと目が合った。
「篠岡・・・。最後まで声、我慢できる?」
「さ、最後・・・まで?わ、わからない・・・。」
声を出さない自信はないけれど、正直ココで止められたら、辛いかも。
「オレも、ちょっと、止まらないかも・・・。いい?」
少し照れくさそうに笑いながら、そんなことを言われたら。
黙って頷くしか、できないよ。
頬に、西広くんがふっと微笑んだ吐息がかかる。
手がそっと私のスカートの裾に下りてきて、私の脚に触れた。
「っひゃっ・・・。」
それだけで声が漏れそうになって、私は慌てて自分の口を両手で塞いだ。
その間にも西広くんの手がどんどん侵入してきて、下着の上から擦られた。
「っ・・・んんっ・・・。」
「声、我慢して?」
西広くんが耳元で囁くから、身体にぎゅっと力を入れて必死に両手で口を塞いで我慢した。
「篠岡、力は抜いて?」
力抜いたら、声がでちゃいそうだから、私は思わず首を勢いよく左右に振った。
そのまま目までぎゅっと瞑っていたら、急に手を掴まれ、ビックリして目を開けたら、
西広くんの顔が至近距離に迫っていた。
そのまま、また唇を塞がれる。
「・・・ん・・・。」
また頭がぼうっとなって、何も考えられなくなっていると。
西広くんの指が、ぐっと私の中に入ってきた。
「んん・・・っ!」
思わず喉の奥から声が響いたけど、唇を塞がれていて、音は漏れない。
身体の奥から何かが湧き出てきて、恥ずかしくてたまらない。
こんなことするのは初めてじゃないのに、全然慣れない。
その刺激に思わず腰を浮かせると、その隙にするっと下着を下げられた。
思わず視線を下に向けると、もう脚から引き抜かれていた。
す、素早い。
「妹、起きるとやばいから、このままでもいい?」
ほんの少し、唇を離して、西広くんがそんなことをいう。
断れるわけ、ないよね。
西広くんが、ぴりっと小さな袋を開ける。
素早く準備した後に、ベッドにもたれる姿勢に移動して、にこっと笑って私を見る。
私はそっとスカートの裾をつまんで、ゆっくり西広くんに跨った。
ひんやりしていた所に、暖かいモノが触れる。
そのままがんばって腰を落とそうとしたら。
「ギャー! ママー!!」
妹さんの絶叫が聞こえてきた。
足音がこっちに向かう音が響いてきて、私は慌てて西広くんから離れようと身体を起こすと。
西広くんもずらしていたズボンを必死にずり上げようとしていて。
そのまま二人であたふたして、私が脚がもつれてこけた瞬間、部屋のドアが開いて、妹さんが姿を見せた。
「ママがー!おにちゃー!!」
涙で顔がぐちゃぐちゃの妹さんは、私をちらりとも見ずに、西広くんに突進して抱きついた。
多分、私は視界には入ってないだろうな。
西広くんの胸に顔を埋めて泣きじゃくる妹さんを気づかれないように、下着を手にとって。
そっとそれを履いていると、妹さんをあやす西広くんと目が合ってしまって。
思わず二人で苦笑いした。
泣きつかれた妹さんが再び眠りについた後、さすがに続きをするわけにもいかず。
二人で真面目に勉強をした。
おかげでテストの成績は過去最高だった。
終わり
最終更新:2008年01月30日 22:44