8-416 カノルリ(未完)

叶の舌が私の一番敏感なところに触れる。
叶の指が、私の一番深いところを撫でる。
私が声を我慢出来なくなって叶にしがみつくようにして背中に手を回すと、いつだって優しいキスをくれる。
私はそれだけで、これが愛だと簡単に錯覚することが出来た。


「…ん、…ッはぁ……、叶…もうきて……?」
「………」

叶の部屋でいつものように行為に及んでいた私達。指だけで達してしまいそうになった私は、叶にその先を促す。
しかし、叶の様子がいつもと違った。
いつもなら、私が促せばもう我慢出来ないとでも言うようにすぐにあの大きくて熱い塊をくれるのに。
私の秘部から指を抜くことなく、黙ってそこを弄び続ける。

「…あッ、!…ッぁ、…ッかの……っ!?」
「………」

叶の顔は私の首元に埋められていて、表情が見えない。何も言わずに与えられる快感に、不安になる。
顔が見たい。声が聞きたい。
なのに、私の頭は快楽に逆らえず真っ白になっていく。

「ッあぁ…!だ、だめ…ッん、かのぉ…っ」

二本の指は私の内壁を擦り、親指はクリクリと敏感な突起をいじくる。
たまらない、気持ちいい。もうなにもかもどうでもいいって感じだ。

「…ああん!」

カリ、と叶が私の胸の小さく主張していた蕾を甘噛みした。
ああ、ダメ。
いく、いってしまう。
もう私の頭の中は早く達してしまいたいという気持ちで一杯で、叶が与えてくれる快楽にただ身を委ねた。

「や…っ!いく…ッい……ッッはぁあん!」



達したばかりで、はぁはぁと息を荒げる私の身体の上から、ゆっくりと叶が起き上がるのがわかった。

「……かのー…?アンタは、シなくていいの…?」
最終更新:2008年08月17日 00:03