9-443 カノルリ(瑠里誕生日ネタ)

英語の宿題がわからん。教えて

そんなメールをもらい、修悟の部屋に来て早小一時間。
最初は真面目に問題を解いていたのだが・・・
いい加減に聞いても良いものだろうか。

「あのさ・・・近いんだけど。」
「・・・そりゃ、キスしようとしてるから」
「えっ!?ちっ、ちょっと!!」
「いってぇ!」
思い切り瑠里につきとばされた修悟は
打ち付けた頭をさすりながら、ちぇっと舌打ちをした。
「私は”宿題の手伝い”をして欲しいって言われてきたんだけど!」
課題のプリントを修悟の前に突き出して瑠里は抗議する。
「んなの、口実に決まってんじゃん」
「なんですって・・!」

瞬間、かあっ!とほほを染める瑠里。
『口実』
それは目的は別にあると暗に言っている訳で。
意外と修悟はストレートな部分があるらしい。

「何?お前本当に何にも考えないできたわけ?」
「だっ、だって、あんた英語苦手だし・・・」
突き飛ばしたついでに落とした、シャーペンを拾いカチカチと芯を出す。
いけない。ここで流されてはいけない。

けれども、駄目押しの一言

「俺が好きな女と二人きりの密室で、何も考えないとでも?」

「・・・・だってぇ」
涙目になりながらも、今度は近づいてくる修悟を突き飛ばしたりはしない瑠里だった。
最終更新:2009年10月22日 22:50