1-110 ハナモモ2

「だ、大丈夫スよっ…だ、誰にも言わないスから…(つーか言えねぇ…)」
部室に二人きりの空間。異様な空気が流れてることは簡単に察しがつく。
「本当に?」
「ぅ…ほ、本当です…」
間近で見てみると、思っていた以上に美人な顔立ち、思っていた以上に巨乳なモモカンから目を反らさずにはいられなくなった。
「うん、花井君のことだから私は信用する」
「はぁ…」
「けど…」
「ケド…?」
微妙に反らしていた視線を無理矢理合わすようにして、さっきよりも顔が接近してきた。
「ちゃんと目を見て言ってくれないと」
「め、目ですか…!?」
正直、こんなに近寄らなくてもと思った。後ろにあった机がちょうど腰につっかえて軽く体が反る。
「うん、私の目を見て…ちゃんと言って…」
「いや、あのぉっ、オレ誰にも…!?」
一瞬その出来事が理解出来なかった。まず、かなり頑張ってモモカンの瞳を見つめながら、答えようとしたら急にその瞳が近づいてきて、
口を口で塞がれて喋れなくなって…


「ん…」
口の中に生温かいものが侵入してきたところで、やっと抜けていた力が戻った。
「カン…トクっ…!」
今ある力を全部使って顔を引き離す。
「なんなんスか!?ワケ分かんないスよ…!」
条件反射的なもので唇を拭いながら必死の抵抗をする。
「…花井君は私とキスするのも嫌?」
その顔と声色は、さっきまでバットを持っていた女とは明らかに別人のような気がした。というか別人と考える他なかった。
「い、嫌とかじゃなくて、おかしくないスか!?こんなの…」
「おかしくないって言ったら…?」
「はぁ!?」
この女は今自分がどんなことをしているのか分かっているのだろうか。
「と、とにかく、オレはカントクのあの事は誰にも言いませんから」
「ダメ」
「はぁ!??」
勢いで帰ろうかと思ったが、無理だった。
「ダメって、あんた…っ!?」
「ココ…こんなにして言うようなセリフじゃないわよね?」
「うぁ」
モモカンの右手はいつの間にかはちきれんばかりに膨れ上がったモノをユニフォームごしに握っていた。
「キスだけでこんなになっちゃった?」
「ぅっ…」
軽く握られるだけで衝撃が走るようだった。

駄目だ…この女には敵わない…。
最終更新:2009年10月31日 18:45