1-136-137 レンルリ3

「う……ぅ、す、す、…すっ」
舌、が。もつれてなんかうまくしゃべれなくて、情けなくて涙出そうになった。
女の子に、好きとか言ったことも言われたこともなくって、早く早く、ちゃんと返事しなきゃってわかってるのに。
ああ、どうしよう、ルリちゃんが、ちゃんと好きっても言えないオレのこと呆れて、嫌われちゃったら!
ぎゅって目をつぶってめいっぱい大きく息を吸い込んで、一気に言ったらちゃんと言えるかな。
はぁはぁ。自分の息ばっかり聞こえる。
「す、すきっ」
やっと言えた。
ちょっとほっとして、ルリちゃんを見ると、ルリちゃんはうるうるの目でオレの顔をじーって、のぞき込んでくる。
「レンレン…? 今ムリして言ってない?」
ああああ、言うの遅かったから!
オレは、必死にブンブン首を振った。
「ムリ、じゃないよ! オ、レ、ルリちゃんのこと、大好き、だ!」
さっきは目をつぶってだったけど、今度はちゃんとルリちゃんの顔を見て、言った。
そのとたんに、ああ、オレはホントにルリちゃんの事が好きだっていう気持ちが、体の中からむずむずって沸いてくる。
ルリちゃんは、こくんって頷いた。見慣れてる筈の目の大きな白い顔が、すっごくかわいく見える。
もともと、可愛いのは、分かってた、けど。いつもよりずっとずっと、かわいい。
も、もいっかい、抱きしめたい。
「ルリ、ちゃん」
オレはルリちゃんの肩を掴んだ。
すべすべの肩は細くて小さくて、強く掴んだらまた痛くしそうだから、そっと引き寄せる。
抱きしめて、ふわふわの髪に顔を押しつけると、シャンプーの花のにおいと、ルリちゃんの汗のまじった甘酸っぱい匂いがした。
ルリちゃんはすっぽり、オレの腕の中に収まって、少し震えている。
ドキドキしていた心臓がすごく激しくなって、なんだか、二重に乱れて聞こえる…と思ったら、ルリちゃんのドキドキがオレにも伝わってるんだった。


「れん」
喉から上手く声が出ないみたいな、引っかかる声でルリちゃんがオレの名前を呼ぶ。
あ、また苦しかったかな。ご、ごめん。手をゆるめると、ルリちゃんは違うのって首を振った。
「ね……」
オレの手をまた取って、ルリちゃんはちょっとうつむいた。
伏せた睫毛の上で涙が光ってても、そのすぐ下に見える柔らかそうな白い胸のほうに、どうしても目がいっちゃう。
あ、んまり、じろじろ見たら怒られそうで、でも。
ルリちゃんの胸は水着の跡が薄く残っているとこより下は真っ白で、でも今はドキドキしているせいでまだらに赤くなってて、
ちょんと上向いてくっついてる乳首は、田島クンがときどき見せてくれるグラビアの写真の女の人とは違ってとても小さくって、赤くない梅干しみたいな色だ。

いきなり触っちゃダメだ、ってことに、触っちゃってから気づいた。
あっ、って、ルリちゃんは短い悲鳴あげて。
わっ って、オレも自分のしたことにびっくりして飛び上がる。
「ご、ごめん…あの、オレ」
「いいの!」
あやまんないで、って、ルリちゃんはとっさに後ろにひいたオレの手を掴んで、自分の胸にもってった。さっきはほんとにちょっとだけ、そっと触った柔らかな肌に、ぎゅって押しつけられる。
自分でしたのに、ルリちゃんはびっくりしたみたいにきゅうって肩をすぼめて震えた。
目を閉じて、眉を寄せて、口を半分開けた顔は、びっくりするくらい色っぽくて。手のひらからは胸の柔らかさが伝わってきて、なんかもう。
が、がまんできないよっ
自分がなにをしたいかもよくわからないのに、ただもうなにかをがむしゃらに「したい」って気持ちだけが高まって、気がつくと、オレはルリちゃんをベッドの上に押し倒してた。
最終更新:2009年10月31日 18:50