1-341 カノルリ

「や…ちょ…かのっ…」

ようやく自由になった唇で、浅く吐息を漏らしながら抵抗する。
なんでこんな事になったのか、どうして叶が豹変したのか
混乱する頭の中で必死に考える。

何でと、どうしてばかりがグルグル渦巻き、長く唇を弄ばれたことで
ルリの体は熱を持ち、頭の芯から痺れが伴う。

息が整う間もなく、影がルリに重なる。

「…っん!んんー!!」

ジダバタもがくルリの両の手が壁に縫い止められる。
最終更新:2009年10月31日 19:45