1-480-481 ハルスズ

「やっぱりいたぁ〜!は〜る〜な〜!」
「いっ!!」練習帰りの榛名の背中を、バシバシと叩く強者がいた。
「みっ宮下先輩っ何やってんスかっ?!」
「オーカワとケンカしたぁ あはははは」
「……」(先輩、酔ってる…)
突然の酔っ払い登場に、ただ呆然する榛名。
しかし涼音は気にしない。ケラケラと笑いながら榛名に近づく。
「アイツほんとむかつくのぉ」
「…あの、宮下先輩?だからって何でココに…??(汗)」
「ん〜、榛名ァしばらく見ない間にまたでかくなったでしょ〜」
(しばらくって!先輩卒業してからもよく部活見に来てるでしょーが!)
落ち着け、オレ。一息、少し深めに吸って吐く。
「先輩、とりあえず、帰らないと(先輩も、オレも)」
「やっぱり鍛え方が違うよね〜いいな〜」(何が「いいな」なんスかっ?!)
反論する間もなく、涼音が榛名の腕をぺたぺたと触り、よりかかってくる…とろんとした目に紅い頬、おぼつかない足元。
よくよく見れば、胸元が大きく開いたキャミソールに、ふわんとしたスカート、歩きにくそうなミュール…
少し前に屈んだら“見えそう”だ。否、絶対見える。なんという無防備。
これ、誰かが家まで送らなきゃ、やばいだろ。奥手な榛名もさすがに焦る。
(やばい…先輩、エロいっす…)


「先輩、オレ、大河先輩呼びますから、家まで送ってもらいましょう?」
「は?」
「ですからね」
「それよりさ榛名ァ…あたし…眠い…かも」
ふあぁと、涼音があくびをすると目に涙がたまって、ますます色っぽい目つきになった。
(もう、ダメだ…!)思わず唾を飲み込む。汗は流れ、血は一ヶ所に集まり始める。
これは誰かに仕組まれたドッキリなのか?夢なのか?
それとも食わないと男の恥だという『スエゼン』というやつなのか?
「宮下先輩!オレ「あ、いたいた、涼音ー探したぞー」「え」
「うそー探したのー」
「加具山さん…」
「おお榛名、お疲れ」
「お、お疲れさまっす…?」
「酔っ払いのお相手、ご苦労さん。こいつ酒癖わりーから、大変だったろ?…っておい、涼音、携帯鳴ってんぞ」
「え〜?あ、ホントだ〜…」

 ピピッ ピピッ ピピッ ピピッ ピピピピッ ピピピピッ… 

何だか、わけがわからず、ただ意識が遠退いていく感じがする…
(へぇ、先輩の携帯の着信音、オレの目覚ましと同じなんだ…?)
「っておい、夢かよ…orz」
何か変だとは思ったが。
こんなに朝からへこんだのは、久しぶりだ…

終わり

御粗末さまでした…
涼音に絡まれる榛名の図が見たかったけど自分で書き散らしてしまいました
高校生に酒飲ませちゃまずいので、涼音たちが卒業した後の話、ということで。
最終更新:2009年10月31日 22:26