1-615-618 レンルリ
帰り道、友達と話していて、なんでか「男の子とエッチな本」の話になった。
フケツよねーとかでその時は済んだんだけど、
そう言えば廉の机の引き出しにもこっそりあるんだよね。
廉もそれ見て「フケツ」な事をするんだろうか。
下校中、気になって気になって帰宅してすぐにあたしは制服のまま従兄の部屋に飛び込んだ。
「レンレンってオナニーするの?」
ノックもせずに飛び込んだ私に廉は目を白黒させている。
もっとも廉はいつだって挙動不審で目が泳いでるからいつも通りとも言える。
廉は学校指定のTシャツとジャージと言ういでたちだ。
ちゃんと着替えときなさいよって思ったけどあたしも人のことは言えないから口には出さない。
「ねえ、レンレンってオナニーするの?」
重ねて聞くと、廉は口を尖らせる。
「い、いいだろ、そんなこと」
ムッ、レンレンのくせに生意気。
「ねえ、教えなさいよ」
後ろ手に扉を閉めて踏み込む。
廉は手入れをしていたグローブをぎゅっと胸に抱え込む。
あ〜あ、Tシャツにオイルが付いちゃうじゃない。
その横をすり抜けて机の引き出しを開けてエッチな本を取り出した。
「あたし、知ってるんだから」
「やめろよ!」
手を伸ばす廉の肩を押したら変な姿勢だったから簡単に倒れた。
あっどうしようと思いながらあたしは廉に馬乗りになる。
廉は体を硬くしてグローブを嵌めた手で顔を覆った。
「や、やめて」
廉ってば声が裏返ってる。
あたしには強気の振りをするのにすぐ臆病な本性が出ちゃうんだから。
薄いTシャツを通して廉の鼓動が激しく打つのをあたしは太腿で感じる。
「ちゃんと答えたら退いてあげる」
廉が唾を飲み込む音を聞いてあたしにもいつの間にか唾が溜まっていたのに気付く。
「ねーえ」
無理矢理手を押し退けるのに廉はあたしと目を合わさない。
レンレンのくせに生意気。
あたしは空いてる手で廉の顔を掴んでこっちに向ける。
あっ、廉ってばこんな所にホクロ有るんだ。
超至近距離で、今まで気付かなかったホクロに気付く。
「ねえってば」
廉ってば汗臭い。
「し、しないよ!」
今日もきっとピッチングの練習してんだろうから当たり前だけど。
「じゃあしてみせて」
子供の時にじゃれあった時の匂いと違う。
「無理ッ!」
お父さんの匂いとも違う。
「無理じゃないわよ、皆してるんだから」
自分でも何を言ってるのか分からなくなってきた。
廉は涙目であたしを見つめる。
こんな廉、知らない。
だって、だって。
そんな廉にカッとなってあたしは気付いたら唇を押し付けていた。
多分、そんなに長い間じゃないと思う。
でもその短い間に廉の唇が案外柔らかいとか
鼻から漏れた息がくすぐったいとか
廉、目を閉じたらいいのにとか色々な事が頭を過ぎる。
そんな短い間に。
「んっ」
お尻の所で何かが動いてる!
何かって何?
ナニだわ!アレだわ!
うわっうわっうわっ!!
どうしよう!
お尻をもぞもぞさせていると廉が呻いた。
「んん…んぁあっ」
「えっ、ごめん!」
ますますアレは硬くなる。
変な所に当たるからつい動いてしまう。
「あぅっはぁっ…ん、ん、ん…」
あたしの動きに合わせて廉は呻く。
気付いたら廉の顔は真っ赤になって吐息が…なんか甘い。
「あっ…んっんんぅ、あっ…あぅっ…ダメッ、うああぁ!」
廉が一際大きな声を出して、気付いたらお尻の所に違和感はなくなっていた。
これって…収まったんじゃなくって
…終わっちゃったんだよね?
どうしよう。
気まずくなったけど、意を決して廉を見たら、ベソをかいている。
小さい頃からよく泣くから馴れてるはずなのにあたしはすごく焦った。
だっていつでもあたしは泣いてる廉を慰める役で、
廉を泣かせるなんて事はした事なかったんだもん。
「ごめん、拭くから!」
近くにあったティッシュを取って
腰を浮かせて廉のジャージを力任せに引き摺り下ろした。
「あっ!」
辺りになんか…なんとも言えない匂いが漂う。
「横向いてるから!見ないから!」
って言いつつもちらりと見ちゃったよう。
おちんちんを見たのなんてリュウが幼稚園の時以来だわ!
で、おちんちんを握ってティッシュを擦りつけた。
「うあっ!」
廉が慌ててグローブを嵌めた手で隠す。
その下であたしが握ったおちんちんはどんどん大きくなっていった。
緊張のあまり喉を鳴らす。
ど、どうしよう!
ともかく拭かなくっちゃ。
握り直してティッシュでさきっちょを押さえつける。
「や、やめて」
「すぐ済むからっ」
「ダメだって、て、え、あ…ん、んんっ」
何回か擦ってるうちに、廉の息は荒くなる。
「ん…んあっ、はぅあっぁぁ!」
さっきと同じように大きな声を出して廉はイっちゃった。
一息置いて、廉は声を押し殺すように泣き出す。
「ひ、ひえっふえええん」
ど、どうしよう・・・。
やっぱり拭かなくっちゃ。
頭の中はパニック状態になりながらも新しいティッシュを取ってちゃんと拭く。
初めて、まじまじと見たけどさっきの手の中の物が嘘みたいに可愛くなっていた。
「カワイイ…」
呟いてふと廉を見ると恨めしげな顔でこちらを見ている。
「なっなによ!言いたい事あるなら言えば」
あたしがきつく言うと廉はまた目を潤ませて視線を泳がせる。
その顔を見るとやっぱり焦る。
慌てて話を変えようとする。
「あ、グローブにはせ、せーき付いてないみたいだよ!」
精液、とちゃんと発音するのが恥ずかしい。
それにどう考えても、話変わってないし。
顔が火照ってきて、あたしは横に放り出していた廉の汚れたパンツを掴んで立ち上がる。
「あのっあたしが…あー今日はあたしが悪かったから、洗って干しとくね!」
早口でなんとか言い終えたら、そのまま一目散に廉の部屋から逃げ出してしまった!
ああ、次、どんな顔して廉の顔見たらいいんだろう?
最終更新:2009年10月31日 22:46