2-439-468 ミズモモ
初の練習試合のチームは、三橋の卒業した三星学園だった。
三橋の重いトラウマになった過去を消し去るため、チームはなんとしてでも勝ちたかった。
試合はチームの思うまま7回戦まで西浦優勢。
「これで相手に無得点のまま終わらせれば中学なら完全試合」
皆の期待は膨らんだ。
その矢先の水谷のミス。
「あんなミス、許されないのはわかってるよね?」
試合後、勝利はしたものの、水谷に対する百枝の気持ちは治まりきれなかった。
皆が夕食の準備に取り掛かり始めた時、
試合のミスなどすっかり忘れた風だった水谷を引きずり出した。
「あ、ちょっ、すいませんって〜。えへへ」
独特の人を食ったような風体で冗談っぽくはぐらかそうとしていた彼だったが、
合宿所の床下斜面に連れ込まれた時には
百枝が本気で怒っている事がだんだんと分かり、表情をひきつらせていた。
「ねえ、なんでこんなとこに呼び出されてるか、わかってる、よねっ?」
アンダーシャツの胸倉を掴み上げ、にらみつける百枝。
甘夏を素手で握りつぶすことのできる握力だ、普通の女よりも力が強いのはわかっていたが。
怖い、本気で俺のことを怒ってる・・・
水谷は至近距離で烈火のごとく怒りの表情を見せる百枝の顔をまともに見る事ができず、
困ったように目をそらした。
「すいません・・・本当に、・・すんません、チームに、迷惑・・・」
何も言えない。振り絞ってもただ判を押したような謝罪の言葉しか出てこない。
いつも俺たちを叱咤激励し、太陽のような笑顔をくれる彼女が、こんなに怒っている。
俺は、監督を、失望させてしまった。
「ふざけないでよ!」
壊れたレコーダーのように「すいません」を繰り返す水谷に百枝は掴んでいたシャツを振り落とした。
反動で水谷は背中から地面へ突き落とされる。
「・・・いってえっ!!」
息をつくまもなく百枝が倒れた水谷に馬乗りになってきた。
「水谷君、ちょっと・・・いい?」
百枝の右腕が上に振り上げられ、手はこぶしを握っていた。
嘘だろ・・?
なんで、こんな事されなくちゃいけないんだ?
水谷は反射的に腕を顔面に交差させ防衛した。
直後、不意に涙が出てきた。
怖い、なんで、悔しい・・・
女相手に、でも、監督には逆らえない・・・
俺、監督のこと、好きだったけど、もうダメだ。
涙は止まらず嗚咽まで出てきてしまった。
「うっ、ひっ・・・ううう」
拳から身を守るために交差させた腕は、
情けなく泣きじゃくる自分の顔を見せないためのものに用途が換わっていた。
「ちょっと・・・」
それまで怒りに震えていた百枝の声が急に戸惑いを含んで低くなる。
「泣かないでよ。高校生にもなって。なんなのよ、その態度」
話しているうちにイライラがよみがえってきたのか、
泣き顔を隠している水谷の腕を引き剥がそうとした。
必死に抵抗する水谷だった。が、細い体で120キロ超の球を投げることができる、明らかに女のそれより力がある監督。
あっさりと腕を掴まれ引きはがされた。
涙でぐちゃぐちゃになった顔がさらされ、水谷は激しい羞恥を覚えた。
「何でこんなことするんですか!」
目をつぶったまま顔を横に向け、百枝に叫んだ。
叫ぶとまた悔しくて涙が溢れてきた。
高校生にもなって、人前で泣いてしまうなんて。
しかも、尊敬していて、淡い恋心を抱いていた女の人に泣かされているなんて。
こんな、恥ずかしい思いをさせられるなんて。
水谷はもうどうしようもないほど感情が入り乱れていた。
「・・・悪かったわ」
百枝がぽつりと言った。
「やりすぎたね。ごめん」
声が遠い。
近いのに遠く聞こえる。
ああ、これは何か悪い夢なんだ。
明日起きれば全部夢だったって事なんだろ?
そうだ、そうにに違いない。
外気にさらされた頬が冷たい。
涙が冷えると段々感情が冷めてくる。
ああ、泣いちゃった。
何してんだ、俺。
正気に戻りつつあった水谷の頬を不意に柔らかい手のひらが触れた。
「んっ・・・?」
横にしていた顔を戻すと目の前に百枝の顔が近づいてきた。
「水谷くんって、ほっぺ柔らかいね・・・女の子みたい」
指先が、涙をふき取っていく。
ああ、まずい。
この指が心地いい。
両手が水谷の顔を包み込んでいく。
え、ちょっとこれはまずい。
と思い抵抗しようとした刹那、
百枝の柔らかな唇が水谷の唇に吸い付いた。
あまりにも急だったため、自分の歯が口中で唇の裏にぶつかり痛い。
しかし、そんな事を気に止めることなく、百枝はむさぼるように水谷の唇を吸い付き、嘗め回した。
熱くとろとろになった舌が、水谷のそれを絡めとり、吸い上げ、唾液を流し込んでくる。
じゅぼじゅぱっと聴いているだけで頭がおかしくなりそうな音が二人の間で響き続ける。
あっけにとられたように目を開けたまま、こつんとぶつかるモモカンの額や鼻を見つめた。
肌は肌理が細かくて、睫毛がとても長い。あまり化粧はしていないみたいだけど、綺麗に整っている。
長い髪。さらさらとしていて、その前髪は水谷の鼻をくすぐる。
いい匂いがする・・・なんでだ?モモカンの匂い。女の子ではない、大人の・・・
監督も目を開けていた。
目を開けて水谷の顔を見つめながらそれでもなお唇を舐り続けていた。
監督の頭の中はどんな状況になっているのだろう。
口付けをされながら、どこか冷静な自分から1歩引いた部分で自分を眺めている思考で思っていた。
俺、モモカンとキスしてる・・・
息が苦しくなってきた。
おかしいよな。
どうして監督とキスしてるんだ。
夢にまで見た、その唇が、今ここにある。
そんなとろけた目で見つめないでよ・・・
大体・・・このままじゃ抑えきれなく・・・
疑問が、頭をよぎると共に、振り絞った理性から百枝を突き飛ばしていた。
お互いの唇から、つぅっ と銀色の糸がひく。
突き飛ばされて顔は離れたが、百枝は馬乗りのまま体制を保っていた。
一瞬目を合わせてしまった。
だが百枝はうっとりとした目で、それでいて挑戦的に見つめてくる。
口元は、少し笑ってる。さっきの濃厚なキスで、唇が、いつもより赤い。
こんなの、知らない。見たことない・・・
言葉が、出せない。
何を言えばいいんだ。
何も言わないで無かった事にすればいいんじゃないのか。
しかし、ここで口を利かなければもうずっと気まずいまま話も出来ないだろう。
それではこの先野球部でずっと会わなくてはならない相手なのだから都合が悪い。
そう、どうせ冗談。悪ふざけ・・・
でも。
ああ、やばい、気持ちがいい。
好きだった監督の、唇。
さっきまで舐められていた唇が熱くてとろけそうで
しびれた口内の粘膜が性器になってしまったように気持ちがいい。
またあの口付けがほしい。
欲しい。
百枝が、口を開く。
「水谷君って、女々しくていじめてやりたくなったのよ」
「・・・は?」
水谷はあっけにとられた。
女々しいって、俺が?
確かに泣いちまったけど、それは監督が殴ろうとするから。
あれだけ凄い剣幕で罵られたら誰だっておびえるし、
恐怖で涙をこぼしてもおかしくない。
それを「女々しいからいじめてやりたくなる」と言った。
「何・・・すか、それ」
怒りが込上げてきた。俺は馬鹿にされている。
上半身を起こして監督を見る。
体を起こしても監督は水谷の腰に乗ったままだから、ひざ抱っこの状態になってしまった。
足でがっちりホールドされていて、上半身しか自由がきかない。
この格好はいけない。
下半身が、勘違いをしてしまう。
これじゃセックスしてる時の体位じゃないか。
「・・・どいて、ください」
水谷は必死に百枝の体を両手で押した。
手は、大きな両胸をダイレクトに触ってしまう。
う、わ・・・。す・・・っげ、柔らか・・・!
手のひらで収まるはずのない大きなそれは、もちもちとしていて、初めての感触だった。
すぐに離すことができず、しばしの間その感覚に酔う。
ジャージを着ているが、下着は着けていないようだ。
乳首の形が、はっきりとわかる。乳輪からプックリと膨らんでいて、そこを指がかすめると、
百枝はぶるりと震えた。
上気した頬で、その様子をじっと見下ろしていた百枝の、目尻が少し上がったと思ったら、
すぐに水谷の腰に手を回してきた。
熱い体温が包み込む。
誰かに抱かれる感触。
それがついさっきまで自分を殴ろうとしていた相手であろうと、
敬意を払っていたチームの監督であろうと、人肌の温度は、なんて気持ちいいんだろう・・・。
だからヤバイ。
おかしくなってしまう。
「あっ、離してください、離せっ・・・」
我に返り、百枝の行動を拒否する。
しかし、声には力がなく、言葉だけの抵抗なのは火を見るより明らかだった。
「うふふ、静かにしなさい・・・?」
聞いた事も無いような、少し低くて、とても甘くねっとりとした声。
吐息が首筋に降りかかると、水谷は身体がじんわりと痺れた。
この感覚はアレに似ていた。
オナニーをして射精した直後のあの快感の痺れ。
田島ほどではないが、水谷だってオナニーをする。
それこそ毎日といってもいいほど。監督をオカズに。
それだけ思春期の男子は溜まっているのだ。
女と付き合ったことはあるけど、まだセックスの経験は無い。
だからこれは初めて人から与えられる快感。
水谷のペニスかなり前から反応を示していたが、
百枝のむっちりとした大きな尻の下で、さらにむくむくと硬度を増してきてしまった。
やっべぇ・・・・!
監督に気づかれたら・・。
だが、ペニスは既にギチギチに勃起してしまい、
百枝の尻に触れてしまっているような気がした。
「おい、ちょっ・・・どけよ・・・!」
身体をよじらせ抜け出そうとしたが、
百枝は無言のまま、口角だけをあげ、ニヤッと口で笑ったまま動かない。
水谷が身体をよじればよじるほど更に体重をかけて
すり抜けられないようにしてくるのだ。
顔を近づけ、真っ赤になって震える敏感な耳を躊躇なく、ぬるりと舐められる。
「ねぇ・・・チンポ、勃ってるでしょう」
息を吹きかけながら、そう囁かれた。
あざ笑うように百枝は勃起している水谷のペニスを尻でなで回すように腰を振ってきた。
やばい!やばいって!こんな・・・
こんな風にペニスに刺激を与えられる事など当然初めてだ。
身体はどんどん勘違いをして快感に飲まれていく。
「やめ・・監督・・・っ!あ、・・・ダメだって・・」
このままでは本当におかしくなってしまう。
水谷は声をひっくり返らせながら辞めて欲しいと懇願した。
しかし、百枝はそんな水谷の様子を面白がるように眺めながら
わざとズボン越しでもペニスに快感が与えられるよう巧みに腰をくねらせた。
時には円を描くように、時には騎乗位で腰を上下させるように。
そう、まるでセックスのように。
「あっ、、はあ、はあ・・、う・・・」
次々に与えられる快楽の刺激に「もう、どうなってもいいや」
と半ば諦めと、続けられる百枝からの、擬似とはいえ、
性行為にのめりこみたい欲望が絡み合わさり、
水谷はぼうっとしてその行為に熱中し始めた。
もっと気持ちよくして欲しい。
もっと刺激して。
やがて自分から腰を動かし、百枝の尻に擦り付けるように、
ズボンとパンツの中で猛り狂った自分のペニスを刺激するようになっていた。
「あは、やる気満々ねぇ水谷君。嫌だなんて言って、
こんなチンポ、ビンビンにさせて・・・恥ずかしい格好で喘いじゃって」
百枝はすっかりその気になって腰を振る水谷を冷たくあしらうように言い放った。
だが、行為はやめない。
腰を擦り付ける水谷に応えるように自分も身体をくねらせている。
身体を水谷に倒し、抱きしめて首筋に何度もキス。鎖骨のくぼみに、舌を這わせる。
「こういうの・・・感じるでしょう」
耳を甘噛みし、熱い唾液による淫靡な音をダイレクトに鳴らしながらささやきかけると、
水谷ははあはあ息を荒らげて声にならない声を上げて応える。
両手を百枝の締まった細い腰に回し強く抱きしめてきた。
「・・・もっと、気持ちいいこと、してあげる」
腰を振り続ける水谷をあやすようにしてから百枝は起き上がり、
水谷のズボンをあっという間に引き摺り下ろし、露になったペニスを手で包み込んだ。
「ひぃっ!」
先ほどからの刺激でがちがちに堅くなった水谷のペニスは
亀頭が先走りの液でドロドロに濡れており、そこを指でこすると媚声をあげてよがった。
包皮は薄く、上下にしごくと亀頭を半分ほど包み込んだが
またすぐ剥けた。
「あ、あ、うっ・・・か、んとく・・・」
まだ誰の手にも触れられた事が無いのだろう、
ペニスを生で触れられ刺激され続ける時の水谷の嬌声は半端なものではなかった。
野球部員の癖に髪型にこだわりをみせたり、
部活で並ぶ時だってマネージャーの横をキープしたりしている。
おまけに見るからに女たらしの風貌。
本当はもっと経験豊富なんだろうと思っていたが、意外に水谷は純だった。
初モノ。悪い気はしない。
「その様子じゃ、初めてね。可愛い・・・。準備はいい?」
今にも射精してしまいそうなほどビクビクと脈を打ち出した水谷のペニスをしごきながら
百枝は尋ねた。
水谷は顔を火照らせながらその光景を眺め、
理性が飛んでしまったような表情で「うん、うん」と小さくうなづいた。
ちゅ、ぶ、ぷ・・・っ
苦い先走りの液の味がするが、そんなもの、
ここまで来てしまえば甘いジュースと同じ。
恥垢の辛い味とペニス独特の若いオスの香りが口一杯に充満する。
久しぶりのご馳走。同じペニスなのに大人男のそれとはまた違った味がする。
美味しい・・・
「ん・・・も・・。うふふ、ん、ちゅ」
上歯茎の裏の皺になっている部分を亀頭に当てて動かされ、
ペニスの裏側は舌で舐め続けられる。
喉の、信じられない所、深い深い奥まで飲み込まれる。
もう、口そのものが性器になったとしか思えないような、熱く柔らかく、強烈な刺激。
百枝の口からは、喉の奥まで咥えていることによって分泌される
粘着質な唾液が、飲み込みきれずに溢れている。
それはローションのように濃く、白濁していて、脳天を貫かれるような卑猥な光景。
水谷は、ひぃひぃと狂気の沙汰で悶えながら身体を捩じらせて
はじめて味わうフェラチオの快感に酔いしれていた。
フェラチオを続ける百枝の頭を手で押さえながらも、いやいやと頭を振り、身体をよじらせる水谷。
本当に、こんな快感は初めてなのだ。
「すご、監督、かんとくぅ・・・!も、出・・る!離してっ」
「うふふ・・、ん、そのまま、出しなさい・・?」
そのまま!?監督の口に射精するなんて、いくらなんでもできない・・!
「え、そ、んな、ぅっ、口になん・・て!」
「む・・・ぷ、じゃあ、このまま、やめるわよ?いいの?」
今まで散々激しく動かしていた口をぴたりと止め、ちゅぽん、と離す。
まさかここまできてこれで終わりなんて、無理だ、もう、ガマンできない。
「やっ・・・めないで、、くださ、」
「イイコね。・・ほらぁ、出して!濃いの、ちょうだい・・・んぶ、ん、ぷ!」
また、ずるりと全体を飲み込まれる。裏筋に舌をぴったりとあてられ、強く吸い上げられる。
「あああ!だ、め・・・イく、イく!うっ、あ!」
その瞬間、百枝の口内で水谷のペニスが激しく痙攣を起こし、
大量の精液が勢いよく噴射された。
ビュクビュクと物凄い量の精液がみるみる阿部の口内で溢れかえる。
「! ん、ぶ、っごほっ・・・」
あまりの量に百枝はむせてしまったが射精された水谷の精液は全部飲み干した。
やっぱりのどに引っかかる。
特に初物のせいで凄く濃密な精液だったため、余計にのどに絡まってくる。
自分の唾液と噴射された精液でドロドロに汚れて怪しい光を放っている水谷のペニス。
まだ堅さを維持していて射精後の痙攣が残っていたのか、
時々ビクンビクンとペニスが跳ねた。
まだ幼さが残る高校1年生の白い身体に、
粘膜の刺激を受け続けて唾液と精液にまみれたペニスだけが跳ねる。
その光景がまた卑猥だ。
百枝は興奮した。
このペニスを、私の中に埋め込ませて、激しくかき回して欲しい・・・
ジャージを脱ぎ捨てる。窮屈そうに閉じ込められていたボリュームのある胸が、
勢いよくぶるんっ、と現れる。
まだ余韻に浸り朦朧としてる水谷の前にしゃがみこんだ。
自分の指を唇で舐り、唾液をたっぷり絡みつかせる。
その指を、ゆるゆると乳首の辺りに這わせ、唾液を塗りこむようにする。
「あぁー・・・、あ」
乳首に当たる指先と爪の感触に息が漏れ、背中が仰け反って、ゾクゾクと快感が高まっていく。
余韻に浸っていた水谷だったが、百枝のその痴態を見て、ゴクリ、と生唾を飲む。
ずくん、と体の中心が疼くのを感じた。射精したばかりなのに、勃ち続けたままのペニス。
「かん、とく・・・」
水谷が手を伸ばす。その目からはとうに理性は抜け落ちていて、
ただ目の前の肢体に視線が注がれる。熱い手のひらでその肩に触れ、ガバリと押し倒す。
「・・・っあ」
百枝が声を漏らす。抵抗の色はまったく見えない。
ただ情欲にまみれたトロリとした目で、水谷を見つめる。もう、止まらない。
その途端、いきなりきつく乳房を掴んでいた。爪をたて、激しく揉みしだく。
「っい・・・あ、痛っ!乱暴、すぎ」
思わず百枝が声をあげると、ハッとした水谷はソフトな指使いで、
労わるようにゆっくりとした動きで乳首を刺激する。
「ん、いい、、上手・・・」
腹のラインを指でなぞりながら、下腹部まで手が到達する。
もともと引き締まった腹だったが、さらに下を触られるということを察すると、
グッと力がこもる。
ジャージに手を掛け、下着のゴムも確認すると、そのまま両方を引き摺り下ろした。
「そんな、がっつかないの・・・ゆっくり、しなきゃ」
下半身を露わにした状態で、優しく、だが吐息は甘く熱く、湿っている。
初めて見るそこは、まだ触りもしていないのに、白くぬめった液体でぐずぐずになっていた。
ピンクとも赤とも言えないような色で、テラテラと淫靡に光を反射する。
「ほ、ら・・・じっとしてないで、触っ・・あ、あぁ!」
水谷はためらいも無く、中指と薬指を埋め込む。
「監督・・・中すご・・グチョグチョ、・・・っ」
「はぁあっ・・そん、な、いきなりっ!・・・イィ、あ」
一度入れた指を引き抜き、今度は両手の人差し指を差し込む。
そしてゆっくりこじ開けるように広げていった。
「ひっ・・・や!水谷、くん、ああ!そんな風に、しないで!」
水谷は百枝の懇願を無視してどんどん指を広げ続ける。
「うっ・・・はあ・・・・っっ!」
秘部がぱっくりと広がってしまうのを感じ、強烈な快感と、
少しの痛みで、百枝は我を忘れて声をあげる。
さっきまでとは形勢が逆転した。
快感に声を抑えきれない様子を満足げに眺めた水谷は、片手の人差し指を抜き取ると、
残ったもう片方の手の指を3本に増やし、百枝の中を指をかき回し始めた。
3本の指をくっつけ、中から掻きだすように1点を刺激しながら激しく動かしてやる。
「ひいっ!んァ・・・・ひぅ・・・イィい・・・」
ジュプジュプとねっとりした体液が絡み、伸ばされ卑猥な音を鳴らす。
「あうっ・・あっ・・・あっああん・・・・んんんっ・・・」
「うわ・・・どんどん溢れてくる」
「いやっ、恥ずかし・・・っ、あァ」
一旦ずるりと抜き取る。指には百枝の快感の印である液体が絡み付いている。
それを百枝の乳房に塗りつける。ヌルヌルとした液体で乳首がすべり、
ビクビクと百枝の体が反応する。物欲しげな熱い視線で見上げられる。
自らの指で、クリトリスを弄んでいる。
「何、じ、自分で触ってんだよ、」
「ん、だってぇ・・・」
「コッチ、やるから、が、我慢しろ、」
「ひあっ…!」
また、一気に束ねた指を突き入れられて、中をグチャグチャに掻き回される。
「ズブズブに入る、な。へ、へ、変態っ、」
「ん、あ、あ、ああ、あぅ…」
「監督、ヒクヒクしてる、ぞ。そんなオレの指、好き?」
「指、も…いい、から…ァ」
「じゃ、何・・・あ。これ?」
水谷は乱暴な言葉を浴びせながら百枝の秘部へ顔を寄せる。
そして、かき回していた指を抜き取ると、そこへ唇を寄せ、舌を中へ突き入れた。
ぐちゅ、じゅ、ぱっ・・・ずず、じゅ、
後から後から溢れてくる液体を全て吸い尽くすように、すすり音が響き渡る。
水谷のすぼめた舌が、浸入している。激しく中を舐り上げる。
「ぅぁあーっ!!っひぐ、あ、・・・うあ!」
体内が快感に飲み込まれ、百枝は必死に逃れようと身体をくねらせた。
しかし、それがかえって水谷の加虐心をそそったのか、
より一層舌の動きを早め、百恵を攻め立てた。
「いやあっ!・・・いっ・・・やあ!!ひぃ、あ、」
両手両足の先がぶるぶる痙攣を起こし始める。
気持ちいい・・・なんてものじゃない。
ずくん、ずくん、と内側から熱い感覚が押し寄せてくる。
早く、欲しい。もっと奥、内側までえぐられたい。
口を離した水谷の頬を熱い指で触れる。
組み敷かれていた体を、むくりと起こす。
情欲に満ちた瞳をした百枝が、そこにはいた。
「監督・・・」
「・・・ほら、入れたい、でしょ?」
百枝は四つんばいになって水谷を誘った。自分の尻を後ろ手にぱっくりと開く。
自分では見えないが、そこはもう熱を帯びてピンク色に染まっているのだろう。
柔らかくなったヒダが、自分でもよく分かるほどヒクついているのを感じる。
「監督・・・誘ってるんだね・・・お、俺、ぶち込んじゃうよ?」
誘惑に乗った水谷は、あたかも主導権は自分にあるかのように言い放ったが、声は震えていた。
そして、まだためらいがあるのだろう。
なかなか次のステップに踏み込めないでいる様子だった。
「はや・・・く!しっかり、しなさいよ!」
なかなか挿入しようとしない水谷に百枝がじれたように言った。
「お、おすっ・・・」
百枝が恫喝すると先ほどの威勢が急に崩れたようだった。
水谷は勃起した自分のものを握ると、百枝の入り口へ押し付けた。
百枝はこの瞬間がたまらなく好きだった。
ペニス独特のあの亀頭の肉の柔らかさに包まれた底の茎の強固な硬さ。
押し付けられるとやわらかい肉がしぼまり、堅い茎の感触が現れてくる。
その堅さを感じる瞬間に、ひだが拡張されて体内へ挿入されてくるあの快感。
繋がっていく・・・
「あ!イ・・ィ、水谷、く・・・ん! ああぁ」
初体験で相当興奮しているのだろう。
限界を超えるほど膨張した水谷のものは
金属バットよりも堅いのではないかと思えるほどだった。
進入してくるペニスの圧迫感と膣壁を擦られる快感に浸っていると、
やがて、ごわっと水谷の陰毛の感触がした。
根元まで入ったのだ。
「はっ、うっ、、俺のが・・・入ってっ・・・る・・・」
背中から水谷の声が聞こえた。
掴んだ百枝の腰を水谷はもっと力を込めて握ってくる。
ああ、そう、もっと強く、痕が残るくらい強く握り締めて!
水谷は、自分のものを百枝につきたてる行為に無我夢中で浸っている。
暫く単調な腰の振り方をしていた水谷は動きを一旦止めると、
百枝の秘部からペニスの先端ギリギリまで引き出し、
ためらいなく根元まで一気に突いた。
グポッと独特の陰音が響く。
「ひぃ・・・っ!ぅうあっ・・・はあ、あ、あ、・・・っっ!」
根元まで押し込めてやると百枝が胃の底から吐き出されたようなよがり声をあげた。
瞳は空中を泳ぎ、半開きになった唇はぱくぱくと声にならない声をあげる。
飲み込みきれない涎が溢れている。
これは、痛みの声じゃない。快感で出ている声だと本能で分かった。
気持ちいい。
セックスをしている。自分は今セックスをしている。
まだやるのは先の事だと思っていたセックスを、今自分はやっているのだ。
興奮が治まらない。
体中の血液が逆流してパンクしそうな感覚に襲われながら
水谷は百枝とのセックスに没頭していた。
薄暗くなった山奥の雑草林で、2人の嬌声が響く。
「ああっん!・・・あっ、あっ、ああ・・・・」
熱く疼きをあげていたひだが激しく擦りあげられる。
水谷のたぎったペニスの感触が、
愛撫されて昂ぶり続けた疼きを新たな快楽へと変えてくれる・・・
与えられる肉体の快楽に、百枝は我慢できずに悦びの声を上げていた。
両足を突き上げさせられ、赤ん坊のおしめを取り替えるような体位にされる。
百枝の両足首を掴みながら水谷は「オラッ」と腰を動かし、
そそり立ち続けるペニスを百枝の広げられた股に突き立てる。
幾度となく百枝にペニスを打ちつけ続けた水谷に程なくして射精感が沸きあがってきた。
出る。もう出そうだ・・・はああ、気持ちいい・・・気持ちよすぎる・・・
「気持ちいいよぉ!監督!か、んとくぅ、う!!出る!出ちゃうっ俺出ちゃうよぉっ!」
百枝は快楽で狂ったように叫ぶ水谷を見上げる。
「一緒にイこ、ねっ・・・ああぁ」
「あぁ、監督、気持ちイっ、俺、もぉっ」
恍惚とした表情でつぶやくと水谷のそれは、ぐぐっと一回り大きくなった。
「あーっ!あ、あたし、も、すぐ・・・・!!!」
「ああっ出る!で・・・うっ、はあっ!!うっぐ・・・くうぅ・・・んあぁ・・・は・・・」
水谷の嬌声とともに百枝の膣内に何度も精液が叩きつけられた。
熱くて濃い粘液が勢いよく膣壁に叩きつけられる感触が伝わると、
同時に百枝も痙攣しながら達した。
「これで、童貞卒業、ね」
百枝がにやりと笑うと、水谷は恥ずかしそうにはにかんだ。
「まさか、監督となんて思っても見なかった、けどさ」
そういい終わると、水谷は「ふうっ」と吐息をついて寝転がってた背中を起こした。
いつもはきっちりセンター分けしている髪も、
激しい行為でくしゃくしゃになっている。
汗で少し額に張り付いた前髪を書き上げると、水谷は照れたように言った。
「俺、監督のこと、好きになっちゃったかも・・・しれないです」
水谷は寝転がったまま隣に横たわる百枝に身体を落とすと、
ほっぺたに軽くキスをして人懐っこくほお擦りしながら、百枝をきつく抱きしめた。
「水谷君は、イイ子ね。こんな風にしちゃって、ごめんね」
「イイ子って・・・子供扱いしないで、くださいよ」
百枝はくすっと笑って、ささっと服を着始める。
「俺、本気、っす」
「ありがと。でも、今は、ダメ」
「な、んでっすか。だって、さっきは俺と・・・」
「今日のことは、秘密。ね。
・・・あたしも好きになっちゃったら強行突破しちゃうから、ダメだなぁ」
えへへ、と笑いながら、少し恥ずかしそうだ。
・・・ん?好きって言った?
「お、俺、監督のこと、本気で・・・」
そこまで言うと、監督は人差し指を唇に当てる。
「本気なんだったら、卒業してから、もう一度言って」
おわり
最終更新:2009年11月07日 18:36