4-415-418 小ネタ 小ネタ 合宿のとある日


合宿に入って数日。
それは全くの偶然で、
世界は可能性に満ち溢れていることを象徴するような出来事だった。
合宿所にはモモカンもおらず、シガポもおらず、篠岡もいない。
うら若き少年たちしかいない、
すべてが開放されるようなその空間で、
清らかな天使たちはあるものを見つけてしまった。

「おーい!これすっげーぞ!!」
田島が大声で叫びながら、一同がマッタリしていた部屋に乱入する。
「どうした?田島?」
後のキャプテンとなる花井が、面倒見のよさを発揮する。
田島が手に持っているものに、一同の視線が集中した。

それは。

いわゆるタコ足と呼ばれる洗濯物を効率よく干す道具の一つで。

それには。

色とりどりの女性物の下着が、所狭しと干されていた。



「いいいい!?」
「うわああああ!!」
「ひえええええ!」
「どっから持ってきたんだ!田島!!」
「にしし、部屋の隅に干してあった。」

全員、にじり寄って観察する。
「これ、ブ、ブラジャーだよなあ?」
「ねーちゃん、こんなの持ってるよ。」
「ちょ、ちょっと待て!こ、コレは!!」
おもむろに、水谷が一つのブラジャーを手に取る。
真っ赤で、さらに総レースで縁取りされていて、カップがかなりデカイ。
姉がいる沖も水谷も、ココまでのものは見たことがない。
「こ、これ、モモカンの・・・だよね?」
「だ、だと思う・・・。」
その時、ブバっという何かが噴出する音が響いた。
慌てて振り返ると、三橋が鼻血を噴水のように飛ばしていた。
「あ、ああ!三橋!落ち着いて!」
西広が慌てて介抱するために三橋を外に連れ出す。
二人、脱落。

「こんなにデカイと、ちょっと引くなあ。」
阿部のポツリとつぶやいた言葉に、田島が反応する。
「阿部は貧乳派か!?じゃあこっちはどうだ!?」
さくっと手に取ったブラを阿部に見せる。
真っ白なブラに、可愛らしくレースが施された、やや小ぶりのブラジャー。
おそらく、篠岡の。
ブッ!!俯いて顔を覆う手の隙間から、赤い筋がダラダラたれる。
阿部も出て行った。
また、一人。

「おお!!これっていわゆるヒモパンじゃね!?」
女性の下着に慣れているらしい水谷と沖がまじまじと観察を続ける。
「どっちのだ!?」
「ちょっと待って・・・。」
水谷がそのヒモパンを手に取り、びっと開いて何かを想像する。
「このでかさ・・・・モモカンだ。」
バシュッ!っと音がして、花井と巣山の手が真っ赤に染まる。
また、二人、消えた。

「じゃあ、これは篠岡かな?」
ピンク色の小さな下着を沖が手にとって開いた。
いわゆるお尻の部分に、可愛らしいダックスフンドがプリントされている。
プッ!ププッ!!小さな音が響き、栄口と泉が鼻を押さえて俯いていた。
さらに、二人。



残りはどうやら女の下着を見慣れているらしい田島、沖、水谷の3人。
「なあ、なんでお前ら平気なの?」
「いや、だってオレの部屋ベランダあって、ねーちゃんの下着もがんがん干されるもん。」
「オレもそんな感じ。」
「それにしても、モモカンでっけーな。ねーちゃんの何倍あるだろ?」
「っつーか、この対比、すごくない?篠岡のとモモカンの並べると壮観なんだけど。」
「ん~。巨乳派か片手にスッポリ派かで対立しそうだね。」

ガラガラガラガラ!!
勢いよく引かれた扉に、3人はビクっと振り返る。
鬼の形相で仁王立ちしているモモカンがそこには、いた。


「ぎゃああああああああああ!!」
最後まで立っていた3人の勇者達の断絶魔が
合宿所の空に消えていった・・・。


終わり





最終更新:2008年01月06日 20:03