5-136-141 ニシチヨ 小ネタ 西広×篠岡 ◆VYxLrFLZyg



「あ、あの、ちょっと待って・・・。やっぱり・・・その。」
「え?そ、そう?やめておく?」

ホテルの一室で、深いキスを交わした後の、
篠岡の訴えに西広は優しい言葉をかけた。

「で、でも・・・。その・・・。」
せっかく人目につかず入ったホテルだということと。
高校生の身分でこういう所はめったにこられないということ。
もう二度とないかもしれないチャンスだということに。
篠岡はためらいを見せた。
そんな篠岡の葛藤を読み取ったのか、西広は優しい笑顔を見せる。
「いいよ、お金のこととか気にしないで。
篠岡に怖がられる方が、よっぽど怖いから。また、今度にする?」
「でも・・でも・・・。」
羞恥と恐怖と葛藤がぐるぐると回っている様子の篠岡を見て
西広はふっと微笑んだ。
「篠岡、可愛い。」
そういって、ぎゅっと抱きしめる。
「篠岡が、嫌がることは絶対しないよ。大丈夫。」
その言葉に篠岡はばっと顔をあげて涙目で西広を見つめる。
「ち、違うの!い、嫌じゃないよ!ちょっと・・その・・・怖い。」
西広はそんな篠岡を優しく見つめながら、ほつれた髪を篠岡の耳にかける。
「じゃ、最後まではいかないから、途中まで・・・いい?」
「う、うん。」
「ね、その・・・服脱いで?」
西広の提案に、篠岡は真っ赤になる。
「ええ?ど、どこまで?」
緊張と羞恥のあまり、篠岡はとんちんかんな返答をしてしまった。
「えっと・・・じゃあとりあえず上脱いでよ。」
真っ赤な西広も少々ずれたことをいう。
おずおずとしたてつきで、篠岡は上のシャツを脱ぎ、キャミソール姿をさらす。
それを見て、西広も自分のシャツを脱ぎだした。
そのまま下に着ていたTシャツも脱ぐ。
日焼けしていない、しっかりと筋肉の着いた上半身が篠岡の目の前にさらされる。
篠岡はさらに赤くなった。
その目線に気づき、西広も赤くなる。
「ほら、ここ、半袖焼けカッコ悪いよね。」
くっきりと半袖の形に焼けた境目を指さして、篠岡に見せる。
「野球焼けだね。でも、ホラ、私も結構すごいよ。」
篠岡も自分の腕の日焼けラインを指さして西広に見せた。
篠岡の差し出した腕を西広はそっと掴んで、そのラインに口づけた。
「女の子なのに。こんなになるまで、いつもマネジありがとう。」
篠岡はまたもや赤くなる。

そのまま腕を引き寄せ、西広は篠岡を胸の中にすっぽり包み込んだ。
頬に、西広のしっかり着いた筋肉を感じて、篠岡は混乱する。
「なんか、篠岡とこうしているなんて、夢みたいだ。」
「え?そ、そう?」
「オレを選んでくれて、うれしい。」
「え?」
その言葉の意味が分からず、問いかけるように顔を上げると
待っていたかのように、西広の唇が降りてきて、篠岡の唇を塞いだ。
そのまま、舌で割入って、篠岡の舌を絡め取る。
「ん・・・・。」
普段からは考えられない西広の積極さに、篠岡は戸惑いながらも
西広の舌の動きに、答える。
不意に、西広の手が、篠岡の胸に触れた。
その瞬間、篠岡の体がびくんと跳ねた。
「あ、ごめん・・・これも怖い?」
慌てたように手を離し、西広は篠岡に謝った。
胸を触られるのは初めてではないのに、
場所のせいか、緊張が体に直に現れるようで。
篠岡は真っ赤な顔のまま、泣きそうな目で西広を只、見つめる。

西広はふっと微笑んで、そっと篠岡のキャミソールの裾を掴んだ。
「手、あげて?」
言われるままに手を挙げた篠岡から、するりと抜き取る。
「ね、見てもいい?」
篠岡はもう顔を上げていられなくなり、思わずうつむいてしまったが
それを西広は肯定ととらえたらしい。
プチンと篠岡の背中のホックをはずした。
西広の目の前に晒される、篠岡の小振りな乳房。
篠岡の耳に、西広が息を飲む音が聞こえた。
「ご、ごめんね・・・。その、小さくて。」
なんともなしに西広のおへそを見つめながら、篠岡は本音を漏らした。
「なんで?すっごくきれいだよ。」
「だ、だって・・・カントクはあんなにおっきいし・・・。」
「そんなの、気にしちゃだめだよ。カントクはカントク。篠岡は篠岡だ。
オレは篠岡のがいい。」
優しい言葉につられて篠岡が顔を上げると、いつもの西広らしい笑顔で
篠岡を見つめていた。
篠岡は、すっと、不思議なぐらい緊張が解けたのがわかった。
「西広くん・・・・。」
篠岡の口から漏れた言葉に誘われるかのように、西広は篠岡を引き寄せ
唇を塞ぎながら、手は優しく乳房に触れた。
そのままゆっくり揉みしだく。
手全体ですっぽり覆い、きゅっと力を込め、指でやわやわと刺激する。
手のひらで突起を優しく転がし、指できゅっとつまむ。
「や・・・ああん・・・。」
篠岡の口から思わず、あえぎが漏れた。

西広はそのままゆっくりと篠岡を横たわらせ、唇を首筋に移動させ、
そのまま押しつけながら、鎖骨から乳房へ降りていき、突起を口に含んだところで止まった。
舌で転がし、押しつぶし、唇で挟む。
「や・・・あああ・・・んん・。」
篠岡の声はひときわ大きくなり、西広はいっそう行為に没頭する。

西広の手がゆっくり篠岡の太ももに触れ、そっと撫でた。
そこで手を止めて、西広は篠岡をじっと見つめる。
「ね・・・・いいかな?」
西広のいわんとすることを瞬時に理解して、篠岡は一瞬視線をさまよわせたが、
すぐに西広と視線を合わし、こくんとうなずいた。
西広の手が、そっと篠岡の下着の上からなでる。
誰にもふれられたことのないその場所を西広が触れている羞恥よりも、
襲ってきた刺激に心は奪われる。
「んん・・・・ああん。」
スカートのファスナーが下げられ、西広の手がスカートを足から抜こうとする動きに
会わせて、知らず腰を浮かすと。
そのまま下着ごと、はぎ取られた。
「えええええ!?あ、あの!」
思わず素になって西広に抗議する。
篠岡と目があった西広はにこっと笑って言葉をつづけた。
「ごめん・・・つい・・・。」
「あ、あのついって・・・。西広くん・・・。」
羞恥心のあまり、シーツをたぐり寄せ、くるまる。 
西広はシーツごと篠岡を抱きしめ逃がさない。
「篠岡を、全部知りたい。だめかな?」
篠岡の耳元でそっとつぶやく。
いつもの西広とは違う、やたら艶めいたその響きに、篠岡はどきっとなった。
ささやくその言葉は、甘く篠岡の耳朶に触れる。
「だめじゃ・・・ないよ。」
その返答以外、篠岡にはできなくて。
西広の手が篠岡の脚をゆっくり開いて行く。
篠岡は目をぎゅっとつむり、自分の恥ずかしいところが
西広の目にさらされる羞恥心をぐっとこらえる。
西広の指がすっと割れ目にそってなでた。
「ひゃっっ!!」
「ぬれてるね。篠岡。」
篠岡は思わずシーツをぎゅっと引き寄せ、顔を隠す。
西広はそれを追うように篠岡からシーツをはぎ取る。

羞恥のあまり目を潤ませた篠岡と目を合わせ、ニコっと笑う。
「篠岡。かわいいね。」
「うう、西広くん・・・ひどい。楽しんでる。」
こんなに、恥ずかしいのに・・・と消え入りそうな声で続けた篠岡に、
西広は頬に、額に、耳元に、キスを降らせる。
「うん。すっごく楽しいよ。当たり前だよ。そんなの。」
シーツの中に、一緒にくるまってきた西広は、いつのまにか全て脱いでいて。
篠岡の脚に、西広のものが当たる。
「あああ、あの!あ、脚に!」
「あ、ごめん。」
謝罪とともに、西広は腰を引いた。
西広は腕を篠岡の首の下にくぐらせ、腕枕をする形になった。
そのまま篠岡の肩をつかみ、ぎゅっと引き寄せる。
自分の裸の体に、西広の裸の体を直に感じて。
篠岡は体の奥がじんとなるのを自覚した。
「今日は、ずっと、こうしてようか。」
至近距離から篠岡を覗き込む西広はどこまでも優しくて。
自分が西広に、無理な我慢をさせているのではないかと、申し訳なくなる。
しかし、自分の身に起きる変化は予想もつかなくて。
だけど、密着した体から伝わる西広の熱はどこまでも暖かくて。
篠岡の目から、涙がこぼれた。
「ど、どうしたの?し、篠岡?」
焦った西広の手が、篠岡の頬に触れる。
「ご、ごめんね。西広くん。わたし・・・。」
西広が、最大限の自制心を発揮して、我慢していてくれるのが
篠岡にわかって。自分を責める気持ちでいっぱいになる。
その不安を、西広は察したようだ。
「いいんだよ。さっきも言ったよ?今日はもう、なにもしない。
こうやって、くっついているだけでも、オレは幸せだよ。
ちょっとづつ、すすんで行ったら良いんだよ。焦るのは多分良くないんだ。ね?篠岡。」
西広の指が、ゆっくり篠岡の涙を掬っていく。
篠岡の自己嫌悪も、一緒に掬って行くようで。
篠岡はやっと笑顔になった。
「うん。ありがとう。西広くん。」
「篠岡。好きだよ。」
唐突な西広の告白に、篠岡は真っ赤になりながらも、一生懸命答える。
「わ、私も、好き。」
二人は、ゆっくりと唇を合わせた。


「に、西広くん。あの・・いいよ。」
「え?」
「さ、最後まで・・・。」
「本当に?大丈夫?篠岡。」
篠岡は決意を込めて西広を見つめる。
「うん。大丈夫・・・だから。」
その言葉に誘われるかのように、西広の手がゆっくりと篠岡の体を撫でていく。
首、肩、背中、胸、おなか、おへそ。
そして、その下。
西広の細い指が篠岡のうすい茂みでくるりと指を一回転させると
篠岡はちいさく嬌声をあげた。
「ひゃっ・・。」
西広の指は篠岡の中心に到達し、そっと刺激を与える。
と、同時に、篠岡の首筋に、西広の唇が触れて、軽く挟みながら鎖骨まで下る。
「は・・・・ひゃぁ・・・・。」
自分の恥ずかしい所から、はしたなく溢れ出るのがわかる。
「ね、篠岡。最初ってね。ほんとは女の人が上の方が、負担は軽いんだって。」
「え?ええ?」
「自分のペースで、できたほうがいい?できる?」
西広は自分の躯を気遣って、いろいろ調べてきたのかと思うと
恥ずかしくも、うれしくもある。
痛みは確かに恐怖だが、自分で耐えるのもいいのかもしれない。
「う・・うん。わかった。やってみる。」

ベッドの上に仰向けに横たわった西広を、篠岡はゆっくりまたいで、自らいざなう。
「ゆっくりで、いいから。」
そっと、腰を落としてみる。
つるりと西広のものが滑って、はずれた。
「あ・・・。」
篠岡が思わず西広を見ると、にっこり笑った西広がいる。
その笑顔に安心感を覚え、もう一度チャレンジする。

腰を浮かして、そっとあてがって、腰を落とす。
ぐっと何かが自分に割り入ろうとする感覚に、思わず腰を浮かしかけるが、
我慢して、さらに腰を落とす。
じわじわと、身が張り裂けそうな痛みが篠岡を襲う。
「う・・・ああ・・・いっ・・・。」
「大丈夫?篠岡?」
十分時間をかけて、篠岡は西広を受け入れることに成功した。
篠岡は荒く息をつき、目尻に涙を浮かべ、しかし西広と目を合わせ、微笑む。
「は、はいったよ・・・。西広くん。・・・どう?」
「最高に、気持ちいいよ。篠岡。」
「本当に?私で、気持ちいい?」
「篠岡、好きだよ。」
「私も・・・好き。」
篠岡は、痛みをこらえながらゆっくり身体を西広に沿わせて、自ら西広の唇を塞いだ。


「身体、大丈夫?篠岡。」
「うん。大丈夫だよ。動いてないからかな?」
あの後、西広は篠岡の負担を考えて、そのまま達せずに抜き、
二人で風呂に入って、時間ぎりぎりまでねばってから、ホテルを後にした。
人目には十分注意しながら。
「ね、私たち、より深く知り合えたかな?」
おずおずと尋ねた篠岡に、西広はふっと微笑んで。
「当たり前だよ。今まで以上に、篠岡を好きになった。」
篠岡の顔は夕焼けよりも赤く染まった。
それを見る西広はどこまでも優しく微笑んでいた。


終る





最終更新:2008年01月06日 20:14