地球には、およそ800万種の生物が存在すると考えられている。 しかし、現在発見されているのは、およそ170万種。
この星は、まだ、我々の知らない生き物で溢れている。
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主人公、風切大和が山で子供たちと動物の観察をしている。
大和「ほらいた。あそこ。ニホンカモシカだ! どんなものを食べるか、観察してごらん!」
子供「ねぇねぇ」
大和「ん?」
子供「あそこに変な鹿がいるよ」
大和が見ると、それは鹿ではなく、コスプレをした森真理夫だった。
真理夫「おう! 大和じゃねぇか」
大和「ちょっと、何やってんの真理夫叔父さん!」
真理夫「何って、いつもの修行だよ」
恵太「大和先生! 卵落ちてた」
大和が木に登って鳥の卵を巣に返す。
恵太「大和先生、すげぇ…… 俺も将来ガイドになる」
大和「いや俺、ガイドじゃなくて動物学者!」
大和が下に降りると、その拍子にリュックからキューブが転がる。
大和「あっ、俺の大事なお守り! 待って!! あっ!」
大和は転がり落ちながらも、キューブを拾い上げる。
大和「四角いくせに転がり過ぎだろ……」
キューブが激しく発光。
川のそばに巨大なキューブが浮いている。
大和「何だ? あれ……」
キューブが大和に迫る。
キューブの一面には四角いくぼみがあった。
大和「これか?」
大和がキューブをセット。
すると巨大キューブが開き、大和は中に吸い込まれ、どこかに飛ばされる。
大和「うわああっ!! いててて……」
そこに動物の顔をした生き物、ジューマンが現れる。
大和「うわああっ!!」
ジューマンたち「わああっ!」
サメのジューマン「レオ、あんたは大声出すなっていつも言ってるでしょ! 私の耳潰す気?」
ライオンのジューマン「セラの耳が良すぎんだよ!」
セラ「うるさい」
トラのジューマン「もしかして、人間かな? ねぇ、タスク君」
ゾウのジューマン「やめろアム、押すな!」
大和「喋ってる……? サメが…… ライオンが…… ゾウが…… トラが…… 立って服着て喋ってる?」
辺りを見回すと、そこは別の世界だった。
レオ「おいおいおい、セラ、どうする?」
アム「動いたよ。ねぇ、やっぱり人間かな?」
大和「何なんだここは?」
宇宙──宇宙の無法者集団・デスガリアンの宇宙船「サジタリアーク」。
ナリア「ジニス様」
ジニス「どうした? ナリア」
ナリア「見えました。地球です」
ジニス「いいねぇ…… 噂通り生命の豊かそうな星だ」
ジャグド「イエーイ。待ってました!」
幹部の1人・ジャグドがゲーム盤をひっくり返す。
クバル「ジャグド、何て事を!」
アザルド「まぁいいじゃねえか、クバル。こんな退屈なゲームより、もっと血湧き肉躍るゲームが始まるんだ!」
クバル「アザルド、そういう台詞は勝ってから言うものですよ」
ジニス「ジャグド、つまらぬ星ならさっさと破壊しておいで。何せ、次の『遊び場』が記念すべき100個目の星になるのだから……」
ジューランド。
大和たちは町を歩いていた。
大和「えっと……」
アム「ここはジューランド、私たちジューマンが暮らしてる世界!」
町にはパンダやサイ、ナマケモノ、ブタなど、大勢のジューマンがいる。
大和「ジューマン? すごい…… 地球にこんな生き物がいたなんて! 一体どんな進化したんだろう?」
レオ「ジロジロ見てんじゃねぇよ!」
アム「しょうがないよねぇ? お互い珍しいもん…… 人間の世界とは、
リンクキューブでしか繋がってないから」
大和「
リンクキューブ?」
セラ「さっきあんたが出てきた、おっきな四角い奴」
大和とジューマンは先ほどの草原に戻る。
アム「気持ちいい……」
レオ「俺らは、
リンクキューブの番人って訳だ!」
大和「じゃあ、人間の世界に来た事あるの?」
レオ「ねぇな」
セラ「
リンクキューブを使うための、鍵が盗まれちゃったからね……」
大和「鍵?」
アム「『王者の資格』。これくらいの6つのキューブで、ジューマンを守るための不思議な力を秘めてるって言われてるの。そのうち1つが盗まれちゃって、ずっと人間の世界に行けなかったんだ」
大和「えっ? 盗まれた!?」
回想──
鳥のジューマンが、幼い大和にキューブ=王者の資格を手渡す。
鳥男「もう大丈夫だ。きっとこいつが、お前を守ってくれる……」
そこへタスクがゾウに乗って現れる。
大和「えっ!?」
アム「タスクくん、こっちこっち」
レオ「おい、お前どこ行ってたんだよ?」
大和「ゾウ・オン・ゾウ!?」
タスク「おい人間。お前がこれを盗んだのか?」
タスクが取り出したのは大和が持っていた王者の資格。
大和「えっ?」
レオ「てめえ! 泥棒だったのか!」
大和「いやいやいや!」
一方、大和の世界──ジャグドが地上に降り立つ。
ジャグド「へっへっへ…… メーバ!」
ジャグドが投げた数十枚のメーバメダルが、戦闘員「メーバ」となる。
ジャグド「どんな獲物が隠れてるか、炙り出してやるぜ! ヒャッハー!!」
ジャグドが手から火炎弾を放って森を焼き払い、人々に襲いかかる。
そしてジューランドでは──
大和「俺は盗んでないよ。貰ったんだって!」
レオ「ああん? 適当な嘘つくんじゃねぇっ!!」
アム「見て! 何あれ?」
セラ「えっ!?」
レオ「何だ、ありゃ!? おい来い!」
大和「わあっ!」
番人ジューマン「
リンクキューブが……」
大和「おい、何だ?」
アム「こんな
リンクキューブ、初めて見た。ねぇ、まさか壊れたりしないよね?」
大和「えっ!? あれ壊れたら俺、帰れなくなるんじゃないの!? 大丈夫なの? ちょっと、ねぇ!」
レオ「知るか! 泥棒は黙ってろ!」
大和「泥棒じゃないし、黙ってられるか!!」
大和が王者の資格を
リンクキューブにセット。
再び
リンクキューブが開く。
レオ「あの野郎……」
セラ「待ちなさい!」
レオ「待てーっ!」
大和と4人のジューマンが
リンクキューブに入り、ジューランドから大和の世界に移動。
しかしそこは、デスガリアンに襲われていた森だった。
大和「うわーっ!」
レオ「何だ、ここ!?」
デスガリアンが人々を痛めつけ、木々を焼き払う。
逃げ惑う、鹿や小動物たち。
レオ「おい! 人間の世界っていうのは、こんなヤバいとこなのか!?」
大和「違う! こんなとこじゃない……」
ジューマンの尻尾が反応。
アム「あっ! 尻尾が痛い…… こんなに禍々しい気配初めて!」
ジャグド「いいぞぉ~!! どんどん出て来い、獲物ども~!!」
ジャグドが転んで倒れた恵太に迫る。
ジャグド「群れからはぐれた奴は死ぬ。獲物の宿命だ」
大和「恵太!!」
ジャグド「死ね……」
ジャグドが火炎弾を発射。
大和はとっさに恵太をかばう。
大和「大丈夫か!?」
恵太「先生……」
大和「何なんだ、お前ら!?」
ジャグド「俺たちか? 俺たちはデスガリアン!」
レオ「デスガリアン!?」
ジャグド「この星は今日から、俺たちの遊び場だ」
大和「これが遊び……?」
ジャグド「そう。『ブラッドゲーム』だ」
ジャグドが再び砲撃。
ジャグド「ヒャハハハハハ!!」
レオ「危ねぇ!」
タスク「僕たちの
リンクキューブが!」
アム「何してくれてんの、あいつ!」
セラ「許せない。何がゲームよ!」
レオ「やめろーっ!!」
ジューマンたちが
リンクキューブから外れた王者の資格を拾い、デスガリアンの前に立ちはだかる。
ジャグド「生きてやがったのか……」
レオ「このままじゃ済まさねえっ! ジューマンのプライドにかけてな!!」
王者の資格に光が灯る。
アム「不思議。力が伝わってくる……」
王者の資格が変身アイテム・ジュウオウチェンジャーに変化した。
タスク「これが王者の資格に秘められた力?」
レオ「ジューマンを守る力だ!」
『シャーク!』『ライオン!』『エレファント!』『タイガー!』
ジューマンたち「本能覚醒!!」
『アー、アー、アアアー!!』
4人のジューマンが覚醒を遂げ、ジュウオウジャーとなる。
シャーク「荒海の王者、ジュウオウシャーク!」
ライオン「サバンナの王者、ジュウオウライオン!」
エレファント「森林の王者、ジュウオウエレファント!」
タイガー「雪原の王者、ジュウオウタイガー!」
一同「動物戦隊、ジュウオウジャー!!」
大和「えっ!?」
ジャグド「ハッハッハ! メーバ、遊んでやれ」
ライオン「かかってこいよ!!」
ジュウオウジャーがメーバに挑む。
一同「はぁーっ…… 野生解放!!」
それぞれの腕、足、背ビレが大きくなる。
ライオン「おっ、何だこれ?」
タイガー「ジューマンパワーが引き出されてるって感じ!」
シャーク「うん」
エレファント「ああ!」
シャーク「はぁっ!!」
ライオン「行くぞ!」
エレファント「たあっ!」
タイガー「はぁっ!」
ジュウオウジャーはメーバを次々と一掃していく。
大和「まるで、動物たちが地球を守ってるみたいだ……」
ジャグド「ヒャッハー、意外とやるじゃねえか!」
ライオン「次はてめえの番だ!」
一同「ジュウオウバスター!」
ジュウオウジャーとジャグドの戦いが始まる。
そんな中、大和は王者の資格の1つを見つけてジュウオウジャーの下へ向かう。
そして大和がいなくなった後、最後に残った6つ目の王者の資格を、猛禽の爪を持ったジューマンが拾い上げる──。
メーバが上空からジュウオウジャーを襲撃。
シャーク「あいつら飛べるの?」
ジャグド「よそ見してていいのか!?」
ジャグドとメーバの砲撃がジュウオウジャーを襲う。
ジャグド「さーて……」
大和「うおお~っ!!」
大和がジャグドに挑む。しかし、すぐに返り討ちに遭ってしまう。
タイガー「人間!」
ジャグド「てめえごとき、痛くもかゆくもねえぜ!!」
ライオン「馬鹿かお前! 何でわざわざ?」
大和「戦いたいんだ、俺も。守りたいんだ、この森を! 地球に生きる命を!! 頼む、俺にも力を貸してくれ!」
エレファント「無理だ。それはジューマンにしか使えない!」
大和「何が違うんだ!」
ジャグド「ゲームオーバーだ……」
大和「人間だって動物だ!!」
大和の王者の資格がジュウオウチェンジャーに変わる。
一同「えっ!?」
『イーグル!』
ジャグド「死ねぇっ!!」
ジャグドが大和を砲撃。
しかし、ジュウオウキューブからほとばしる赤い光がそれを防ぐ。
『アー、アー、アアアー!!』
キューブの光の中で、大和の体に強化スーツが装着される。
鳥のジューマンの姿が、大和の脳裏をよぎる──
大和「本能覚醒!!」
大和が覚醒を遂げ、ジュウオウイーグルとなった。
イーグル「大空の王者、ジュウオウイーグル!!」
エレファント「どうして人間が、ジューマンの力を!?」
ジャグド「メーバ!」
上空からメーバが飛来。
イーグル「野生解放!」
イーグルは背中から翼を広げ、空に舞う。
そのままメーバを一掃していく。
イーグル「俺凄っ!」
ジャグド「面白えじゃねえか!」
イーグル「イーグライザー!」
イーグルは鳥獣剣イーグライザーを鞭のように振るい、ジャグドを斬りつけ、縛り上げる。
イーグル「とどめだ!」
ジャグド「何!?」
イーグル「ライザースピニングスラッシュ!!」
必殺技がジャグドに炸裂。
ジャグド「馬鹿な…… この俺が、下等生物ごときに……!!」
ジャグドが大爆発。
ライオン「お、おい……」
タイガー「凄い!」
ライオンたちがイーグルに駆け寄る。
サジタリアーク──
クバル「チームリーダーのジャグドを倒す者がいるとは!」
ジニス「ほう……」
ジニスが立ち上がる。
ナリア「ジニス様……」
ジニス「これは興味深い。ナリア、コンティニューだ」
ナリア「はい!」
ナリアがジニスからコンティニューメダルを受け取り、地上に降り立つ。
シャーク「デスガリアンの仲間!?」
ナリア「ジニス様の細胞から抽出したエネルギーです。無駄遣いせぬよう励みなさい」
ナリアがジャグドの体にメダルを入れる。
息絶えたジャグドが蘇生し、そのまま巨大化。
ジャグド「サンキュー、ナリア~!!」
シャーク「何あれ!?」
イーグル「生き返るとか反則でしょ。しかもでかいし!」
するとジュウオウチェンジャーが反応。
エレファント「これを押せというのか?」
ライオン「よし!」
ジュウオウジャーが一斉にジュウオウチェンジャーの黄色いボタンを押し、さらにチェンジャーの絵柄を変える。
『ジュウオウキュ~ブ~!』
ジュウオウチェンジャーからジュウオウキューブが出現。
ライオン「っしゃあ! あれがありゃいけんだろ!」
イーグル「行こう!」
エレファント「うん!」
5人はジュウオウキューブに乗り込む。
イーグル「キューブイーグル、ゴー!」
『キューブイ~グル~!』
シャーク「キューブシャーク、ゴー!」
『キューブシャ~ク~!』
ライオン「キューブライオン、ゴー!」
『キューブライオ~ン!』
エレファント「キューブエレファント、ゴー!」
『キューブエレファ~ント!』
タイガー「キューブタイガー、ゴー!」
『キューブタイガ~!』
ジュウオウキューブがキューブアニマルに変形。
サジタリアークから戦闘機トライアングラーが出動、ジャグドとともにキューブアニマルを攻撃する。
キューブアニマルが応戦するが、デスガリアンに燃やされた森はますます燃え続けている。
イーグル「やばい。早く火も消さないと……」
エレファント「消火は僕が!」
キューブエレファントが鼻から水を出して消火を始める。
ジャグド「そこだ!」
キューブシャークとキューブタイガーが体当たり。
シャーク、タイガー「どうだ!」
ライオン「行けーっ!」
キューブライオン、シャーク、タイガーはトライアングラーを次々と破壊。
キューブイーグルはジャグドを攻撃する。
イーグルのジュウオウチェンジャーが反応。
イーグル「またなんかきた!」
宙に3つの四角い輪が浮かぶ。
イーグル「何だあれ?」
シャーク「わかった。潜るんじゃない?」
ライオン「っしゃあ、突撃!」
キューブイーグル、シャーク、ライオンが輪を潜る。
しかし、キューブエレファントとタイガーは潜れなかった。
エレファント「えっ?」
タイガー「先着3匹ってこと?」
イーグルがジュウオウチェンジャーの青いボタンを押し、チェンジャーの絵柄を変える。
イーグル「動物合体!」
『イーグル!』『シャーク!』『ライオン!』
『アー、アー、アアアー!!』
キューブイーグル、シャーク、ライオンがキューブ形態に変形。
それぞれの面には「1」「2」「3」のマークが書かれている。
『3! 2!! 1!!!』
3人「完成! ジュウオウキング!!」
『ジュウオウキ~ング~!!』
下からライオン、シャーク、イーグルの順で3段重ねになったキューブアニマルにビッグキングソードが合体、ジュウオウキングとなる。
ライオン「うお~、強そうだな! 気に入ったぜ!」
イーグル「行くぞ!」
ジャグド「食らえ!」
ジュウオウキングはジャグドの砲撃にも微動だにせず突き進む。
そしてそのまま武器・キングソードでジャグドに斬りかかる。
ジャグド「何て奴だ……」
ジュウオウキングのキングソードとキューブエレファント、タイガーの砲撃がジャグドを怯ませる。
イーグル「よし!」
シャーク「一気にとどめに持ち込むよ」
3人「キングソード・ジュウオウ斬り!!」
ジュウオウキングの必殺技が炸裂。
ジャグド「ジ、ジニス様ぁぁっ!!」
ジャグドはジニスの名を叫びつつ、再び大爆発。
キューブエレファント、タイガーが勝鬨の雄たけびを上げる。
一同「よっしゃあ!!」
シャーク「よかった……」
戦いは終わり、ジューマンはジューランドに帰ろうとしたのだが……。
レオ「ああっ? ジューランドに戻れない!?」
タスク「仕方ないだろ! 王者の資格が1つ足りないんだ」
レオ「ああっ?」
アムは小さくなったキューブアニマルたちと戯れている。
アム「よしよし。壊れちゃったのかもね、あの爆発で……」
大和「いや、諦めんの早いよ。きっと遠くに飛んでったんだって! 諦めずに探そう。俺も手伝うから」
アム「でも私たち、人間の世界で住むとこもないし……」
大和「俺がまとめて面倒見る!」
レオ「人間! お前いい奴だな!」
大和「でも、この顔どうやってごまかそう?」
するとジューマンのジュウオウチェンジャーが光り、セラたちの顔を人間の顔に変える。
一同「ええ~っ!?」
レオ「うお──っ!!」
アム「やだ~、王者の資格便利すぎ!」
レオ「マジ人間だ!」
大和「いや、尻尾残ってるけどね? ……じゃあ改めて、俺は風切大和!」
レオ「レオだ。よろしく!」
アム「アムでーす。しばらくお世話になります」
セラ「私はセラ。よろしくね」
大和「えっと、君は?」
タスク「……僕は行かない」
レオ「えっ?」
タスク「僕は君の世話にはならない」
大和「……えっ?」
最終更新:2022年08月29日 21:13