江宮 波仁依 (えくう はにえ)
生まれた時から眼に障害が有り、物心つく前の事故で更に弱視になってしまった少女。彼女の見ている景色は殆ど色が脱色されたかのような白い世界に、
物の輪郭が見えるだけのものである。だが、当の本人は意識する前からかの景色だった為、すっかりこの景色に馴染んでおり、動体視力自体は良いので、
キャッチボールも普通にこなせる等日常の生活で不便を感じた事は無い。普段は特殊な偏光板を嵌めたサングラスをかけており、
暗い屋内等では自分の眼が銀色に光ってしまうので、屋内や夜でさえ人前ではこのサングラスを滅多に取らない。
このサングラス自体も彼女の誕生日に自分がデザインした特注オシャレ眼鏡なので、彼女の大切な宝物である。また眼以外の感覚は非常に鋭く、
そこを歩けばコンクリートの厚さも把握出来、それを聞けば舞い落ちた枯れ葉の所在も理解出来、一息吸えば雑草に紛れるタンポポさえ見つけ出せ、
味わいは漂う香りからさえも分かってしまう。その感性の鋭さからダウザーとして仕事を頼まれる程であった。
しかし人よりも数段鋭い感覚野は日常の生活にもそこそこのストレスを与え、都会等の感覚を刺激する物が多い土地は嫌いであり、
自然の多い生まれた田舎町から出るつもりはなかった。そんなある日、彼女は友人と一緒に山間で遊んでいた所で突如として斜面が切り崩れ、
彼女を助けようとした幼馴染みの少年が事故死してしまう。彼女にはそこが危ないと言う事が分かった筈なのに、
注意を怠った事で結果的に彼を殺してしまったのが自分だと言う重責を感じ、一時間以上、彼の死体のあるその場で突っ立ていた所にキュウべぇが現れる。
彼女はその言葉の殆どを聞いてなかったが、その中で聞こえた願いを言えと言う一言に反応し、
自失状態の彼女は「この死を無かった事にして」と口に突いてしまう。こうして契約は完了し彼女は魔法少女となる。
その願いの結果として幼馴染みの少年が生きていたと言う証が全て消えてしまう。公的記録にも、誰の記憶にも。
彼の生きた全てが消えた事で、彼の死は確かに無くなった。ただ一人彼女の思い出を除いて―
己の生も誰かの一存で瞬く間に消えてしまうのだろうと生きる事に空しさを抱え、しかし自分でその生に幕を引く事も出来ず、
半ば自暴自棄同然の状態で魔法少女をやっており、幼馴染みの死んだ山にある神社の境内で野ざらし同然の暮らしをしている。その出で立ちから、
たまに彼女の魔法少女姿を山で目にした土地の人からカラス天狗か?と恐れ敬われ、山で迷った子供を助ける事も有り、子供達からは好かれているようである。
魔法少女としての姿は、よく絵本等に見るような分かり易いデザインの王冠を頭に斜めに被っており、掌が隠れる程長く大きい、
袖の拾い白装束のような姿に、天狗の高下駄を思わせるような靴を履いている。両目は包帯のようにも見えるバイザーで隠されている。
- 願い
- 「この死(幼馴染みの少年の死)を無かった事にして」
- 武器
- 鎖
- 袖の中で手に巻き付くかのように普段は収納されており、先端には丸い分銅が付いている。
- 必要に応じて袖からさながら暗器を飛ばすかのように相手に分銅を投げつけて攻撃を行う。
- ちなみに鎖の長さは彼女が任意で好きに伸ばせる為、実質魔翌力のある限り無限。アンドロメダ瞬もびっくりの鎖技となる。
- 必殺技
- 烈拭離千打(レップリセンダ)
- 両腕の鎖を同時にくっ付け、一つの巨大な鉄球にした後、それをハンマー投げの要領でぶん回しながら相手にぶつける。
- ぐるぐると自分が回転すればする程鉄球の破壊力は増し、最大まで充填した場合は海すらも割る事が出来る。
- しかしそこまでエネルギーを溜めるには百回転以上の回転を行わなければならない為、実戦中はそこまで溜める事は不可能に近い。
- 固有魔法
- 感覚強化
- 今までの感覚野だと脳内で処理しきれなかった情報も処理出来るようになり、閃光弾等の目くらましも無効に出来る。
- 極限まで磨いた感覚野は相手の肉体の状況や、建築物の弱点まで瞬時見抜いてしまう程で、先読み同然の動きすら可能にしている。
- (未来予知能力とかではないため、本当の先読みではなく、たまに外れる)
- ジェムの色
- 淡いベージュ
- 頭の王冠に飾るように付いている。
- 尚この王冠は逆さまになっても頭から落っこちない。
最終更新:2012年11月18日 13:22