エクストリーム餅つき

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譲「あ、あれは…エクストリーム・餅つき…!」

鳴海「知っているの、譲君!?」

譲「ああ…。

古代中国、漢の武術者『江(え)』『楠(くす)』の兄弟が編み出した技、江楠斗流 無望月(えくすとりゅう むもちづき)を基に、安全性を考慮してルールを設定したスポーツ。

江・楠は当時「斗(と)」と呼ばれる長い棒の先に丸太をつけた槌の達人で、江は斗を用いて対象をつき、楠は対象の叩かれた面を手でととのえ、再び江がつきやすくした。その動きは独特で『江楠斗流』という流派が生まれた。
ある時、漢の皇帝が宴に2人を呼び、戯れに「あの満月をついてみよ」と言った。すると2人は池の中に立ち、江は満月を斗でついた。しかし激しく揺れる水面は楠の手による一撫でですぐさま鏡のような水面に戻ったという。これを半刻ほど続けたところで満月は雲に隠れてしまい、池には映らなくなった。そこで皇帝は「(この2人の前には)望月すら無し」と感嘆した。
この事から『無望月』という技が生まれ、斗の極致と言われた。

なお現代において、斗は名・形を変え、杵として日本にも存在する。いかに速いペースで餅をつけるか競うことを「エクストリーム・餅つき」と言うが、これは「江楠斗流 無望月」の転訛であることは聡明な読者諸兄には言うまでもないだろう。

民明書房刊『中国武術に見るエクストリームスポーツの起源 ~日本文化圏編~』より」

鳴海「でもあれは…餅が飛んでる!」

譲「そう、故に奴らはまだ江楠斗流の門を叩いて間もないのだろう」

 

作者:代理店(イラスト:げおるげ)

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最終更新:2014年05月19日 18:30
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