アリス「そんなことさせない!」
アリスは杖を強く握りしめ、少女に向けて構えた。
アリス(鏡)「へえ。で、どうするつもり?」
アリス「今ここで術者であるあなたを倒せば、みんな鏡の国へ強制的に帰還させられる!」
アリス(鏡)「ふふ、じゃあやってみなよ」
そう言うと、少女もアリスに向けてゆっくりと杖を構えた。
アリス「燃えろ!!『パンプキン・ファイア』!!」
アリス(鏡)「『パンプキン・ファイア』」
両者の放った火の玉は激しくぶつかり合い、大きな爆発を生んだ。近くの家具は吹き飛び、窓ガラスは砕け散った。
アリス「くっ、爆風で相手が全然見えない……!防御壁、『セントエルモスファイア』!!」
アリスの前方を覆うように、複数の火の玉が生み出された。これは接触すると爆発する、いわば地雷の壁である。
アリス(鏡)「そこで守りに転じちゃダメでしょー?はい、『ブラック・スモーク』」
杖の先から黒煙が吹き出す。室内はたちまち煙に覆われ、アリスの視界が完全に遮断されてしまった。
アリス「くっ……起爆!!」
アリスが先ほど設置した火の玉が一斉に爆発する。その風圧で黒煙を吹き飛ばし、視界を確保するアリス。
アリス「……いない!?」
周囲を見渡しても、少女の姿はどこにも見当たらなかった。その後もしばらく警戒を続けたが、結局少女が現れる様子は無かった。
作者:パラソル