アリス「フェンリルまだかなぁ。もうすぐパーティー始まるのに…」
フェン「アリス、お待たせ」
アリス「フェンリル、やっと来……え?」
フェン「ど、どうした?」
アリス「フェンリル…?」
フェン「ああ」
アリス「なんっ、え、なんで、ドレスッ!?」
フェン「えっ、変…だったか?」アセッ
アリス「いやっ、違う!あの、綺麗、だよ。すごく…」カアァ
フェン「そ、そうか。アリスも…すごく、可愛いぞ」カアァ
アリス「あ、ありがと…」テレテレ
フェン「じゃ、じゃあ行くか」テレテレ
【会場内】
フェン「アリス。お酒どっちが良い?」
アリス「じゃあ…こっち。ありがとう」
フェン「…今日は、髪結んだんだな。いつもと違って、なんか新鮮だ」
アリス「それはフェンリルもだよ!髪、ボサボサじゃないし。化粧、してるし。露出、多いし…なんか、知らないお姉さんみたい」
フェン「…アリス、なんか怒ってないか?」
アリス「別にっ」プイッ
(こんな綺麗なフェンリル、他の人に見られたくないとか、そんなんじゃないし。絶対違うし。)
「真紅のドレスのお嬢さん。一緒にダンスでもいかがですか?」
フェン「え、私!?」
アリス「!」バッ
フェン「いや、えっと…」アセアセ
アリス(誰だコイツ!このエロオヤジ…紳士なフリして、だらしなく鼻の下伸ばしやがって!フェンリルをたぶらかそうなんて300年早いっての!…フェンリル、どうするんだろう。行っちゃうのかな。まあ、こういう付き合いも大事だよね。行かないでとは言えないし…)
フェン「すみません、私にはもう相手がいるもので。失礼します」グイッ
アリス「えっ、フェンリル!?ちょっ!」アタフタ
【テラスにて】
アリス「フェンリル、なんでさっき…」
フェン「危なかった…」
アリス「え?何が?」
フェン「私がさっきの男に付いて行ってたら、アリスが他の男に取られる所だった」
アリス「……はい?」
フェン「だから。アリスを一人にしたら危ないと思ったんだよ。お前、鼻の下伸ばした男共にジロジロ見られてたの気が付かなかったのかよ」
アリス「え、なにそれ。全然」
フェン「私が睨み付けてたから来なかったものの、私がアリスのとこを離れたら絶対アイツら、アリスに集って来たに違いない」ギリギリ
アリス「嫌なの…?私が他の人に寄られるの」
フェン「当たり前だろ。今日のアリス、すごく可愛いし。いやいつも可愛いけど。こんなに可愛いアリス、他のヤツに取られたくないって、思うだろ普通」
アリス「…フェンリル、自分で言って照れてんの?」
フェン「…悪いかよ」
アリス「誰かに取られないか心配だったんだ。いつもと全然違うから。綺麗だから」
フェン「…そうだよ」
アリス「あ、違う違う。今のは私の気持ちだよ」
フェン「は?」
アリス「フェンリルと一緒。私も取られないか心配だった」
フェン「なにが?誰に?」
アリス「もう、鈍いなぁフェンリルは!フェンリルが!他の人にだよ!」
フェン「なんで?」ポカン
アリス「…もういいや。心配してたのがバカらしくなっちゃった。フェンリルはフェンリルだね。無駄に一途で、鈍感。」
フェン「ど、鈍感…?」
アリス「なんか、お腹空いちゃったね。中に戻ろうか」
フェン「おう」
アリス「ねぇフェンリル」
フェン「ん?」
アリス「私のこと、しっかりエスコートしてね?」ニッコリ
フェン「…任せとけ」ニッコリ
作者:R