エピソードオブフェンリル6

フェンリル「オラ、立てよ」

フェンリルは倒れた相手の髪を掴み、無理矢理持ち上げる。
しかし、その顔を見た途端、フェンリルは思わず掴んでいた手を離してしまった。

フェンリル「これは……!?」

その顔面には、先ほどの透伊達と同様に、無数の亀裂が走っていた。フェンリルの姿をした人物は、よろめきながら口を開いた。

フェンリル(鏡)「ハァ……ハァ……! これで終わったと……思うなよ……!」

亀裂が全身に広がる。

フェンリル(鏡)「テメエは必ず……俺が殺す……! 覚えて……やが……れ……」

そう言い残すと、彼女はその場に崩れ落ち、鏡のように砕け散った。

フェンリル「何なんだ一体……」

残された破片を見つめながらフェンリルは呟く。

『これで終わったと……思うなよ……!』

言い様のない不安を感じながら、フェンリルはゆっくりとその場を後にした。

 

作者:パラソル

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最終更新:2014年05月21日 22:36