少しでいいから

マイカ「こんにちは」

おがみ「……こんにちは」

マイカ「どうしたの?緊張してる?」

おがみ「い、いえ、そういうわけでは……」

マイカ「ならよかった。おがみちゃんの耳と尻尾いいなー、ロウみたい」

おがみ「ロウ……?」

マイカ「うん!狼の友達なんだー」

おがみ「狼の友達……?話せるんですか?」

マイカ「……あ、言っちゃった……い、今の忘れて!」

おがみ「大丈夫です、引いたりしませんので」

マイカ「そっか、よかった……動物と話せるって言ったり、妖怪とか幽霊が見えるって言ったら、みんな変な目で見るんだ。それで嘘つきって言ったり化け物って言ったり……大っ嫌い、人間なんか」

おがみ「……」

マイカ「おがみちゃんも、嫌われたりした?」

おがみ「……まあ、ありました。今お世話になってる人達は、気にしてないみたいですが」

マイカ「なんでちょっと違うだけでそういうことするんだろ、ほんと嫌い。そうじゃない人間は、二人しか知らないや。でも、まだいるんだね」

おがみ「そうみたいですね」

マイカ「……私、おがみちゃんになりたいなあ。正確に言うと、おがみちゃんと私の外見、とりかえたい」

おがみ「……どうして?」

マイカ「だって、おがみちゃんみんなと同じような姿になりたいんでしょ?私は外見だけならふつうの人間だし、それに……」

おがみ「それに?」

マイカ「おがみちゃん人狼だから、半分?ちょっと?人間とは違うでしょ?半分でいいから、ちょっとでいいから、人間じゃなくなりたいんだ」

おがみ「……」

 

作者:銀

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最終更新:2014年05月22日 02:25