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バトルの時間2

「命のやりとりをしよう?」

瞬時に右手で刀の柄を掴み、高速で刀を抜き、首に突きつけた。

「は、はい……?」

水は思わぬ展開に驚いたのか、首を刀のある方向と反対に傾け、ひきつった笑みを浮かべている。

「つまり、殺し合いだよ。君、強いでしょ?たぶんだけど」

理玖の口元は心底楽しい、というかのように歪んでいるが、目は見開かれ、全く笑っていない。
理玖はその『笑顔』のまま、水の首を撥ね飛ばそうとスライドさせる。

「っ!」

水は側転の要領で刀を避け、少し距離を取ったところで理玖を見る。
対して理玖は避けられるのは予想していた、という様子で、刀を握り直し、水に近づく。

「あの、こういうの興味ないんですけど……」

「じゃあ大人しく死んだら?」

水が控えめな抗議をするも、あっさり死ねと言う理玖。

「戦うの嫌いなの?どうして?殺したくないからとかいう甘っちょろい理由?」

矢継ぎ早に質問をしながら、水の肩に刀を刺そうとする。

(なんなんだこの人……武器を奪ったら諦めてくれるだろうか)

水は理玖の刀を奪おうと、肉体が切れるのを厭わず刀の刃の部分を掴む。しかし――

(何?力が抜けるような……この刀のせい?)

力を奪われるような感覚に陥り、思わず刀から手を離し、後ろに跳んで攻撃を避ける。

「ふふっ、驚いた?こいつ、命を食うらしいんだよねえ」

何がおかしいのか、声をあげて笑いながら、刀の性質を話す。
その理玖の視線は、水の手に注がれていた。

「もうふさがってるね、すげえ」

感心したように言い、

「腕とか斬っても再生するの?」

と言いながら、一気に間合いを詰め、水の左腕を斬り落とそうと刀を振るう。
が、さらに後ろに跳ばれ、避けられてしまう。

「また避けるの?避けるばかりじゃなくてなにか反撃してよ」

不満そうな声をあげる理玖を見て、水は考える。

(どうやって逃げようか……そうだ!)

水が理玖の方へ向かって走り出す。
理玖は待ってましたというように、さらに笑い、水に刀を向ける。
水が理玖の間合いに入るか入らないかくらいに近づいたとき、水が跳躍した。

「!」

理玖は攻撃されると思い、防御の姿勢に入るが、水は理玖の頭上を飛び越えただけで、何もしなかった。そして、

「他を当たってくださーい!」

と叫びながら、森の中を走って行った。

「……ふっ、あはははは!」

しばらく呆気にとられていたが、心底おかしいといった様子で声をあげて笑い出した。

「ははっ、なんだあれ!くくっ、ふははっ!」

『笑い転げてるところ申し訳ないが、あいつは倒せないと思うぞ』

理玖が思い切り笑っているところに、妖刀が水を差すような発言をした。
しかし理玖は妖刀の発言を無視して、ひとしきり笑ったあと、呼吸を整えて言った。

「殺す気はないよ、殺せないだろうし」

『その割にはえらくご機嫌だな、どうしたんだ?』

「いやあ……いい玩具になってくれそうだと思って……ふふふっ」

また笑い出した理玖に、妖刀は、やっぱりこいつ変態だ、という感想を持った。

 

作者:銀

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最終更新:2014年05月23日 02:34