「きっとあの子だね。行こう!」
「うん!」
アリスちゃんと一緒に近付いてみると、女の子の他にもウサギや猫、そして何故か狐といった動物達がいるみたいだった。
その子達は私達に気付いたのか、一目散にどこかへと走り去ってしまう。…そんなことが起これば、女の子がこっちに気付くのも当然で。
「…っ誰!?」
異変を感じ取った女の子は振り向いて、私達の姿をその瞳に映すと目を細める。
「こんな所に何の用…?あなた達のせいで、友達がびっくりして逃げちゃった」
「あ…ごめんね、驚かせちゃって」
「……………」
さすがの私も、こんなに鋭い視線で射抜かれると畏縮してしまって、言葉が続かない。女の子もそれ以上何も言ってくれなくて沈黙が続く。
そんな状況を打開したのは、私の隣に立つアリスちゃんの一言だった。
「あのね、私達、あなたと友達になりたいと思って来たの!」
「…………え?」
「そっ…そうなの!あなたとお話ししてみたくて…」
「な…なに言ってるの!?バカじゃない!?」
アリスちゃんのおかげで、少なくとも険悪な雰囲気は和らいだと思う。そのチャンスを逃さないように、アリスちゃんに続いて私の今の正直な気持ちをぶつける。
そしたら女の子は顔を真っ赤にして、プイッとそっぽを向いてしまった。
「わっ…私は、あの子達と一緒にいられればいい、人間の友達なんて……別に」
「…本当にそんなこと思ってるの?」
作者:まふらー