「フェンリル」は本当の名前ではありません、フェンリルの能力から付けられた異名です。ですが本当の名前は企画とは関係ないので出さないでおきます。
フェンリルの住んでいた元の世界は悪魔と人間が共存する世界です。悪魔も人間のように労働してお金を稼ぐし、人間だけど魔法を使う者もいます。
ちなみにフェンリルは王族の近衛兵をやっていました。とても優秀で王にも1番気に入られていたんですが、それをよく思わない色んな人間に嵌められて岩山に閉じ込められてしまったんです。
フェンリルは暗い岩山に、グレイプニルと言う魔法の鎖で封じられてしまいます。訳も分からず拘束され、王に裏切られたと思ったフェンリルは怒りと悲しみで毎日叫び続けました。人々は気味悪がって、だんだんとその山には近づかなくなります。
それから何百年か経つとフェンリルの本当の名前を知る者はいなくなり、フェンリルは「フェンリル」と呼ばれる様になりました。
フェンリルの人間への怨みや憎しみは炎となって周りを焼き、近づこうとする人を拒絶するようになり、どんどん孤独になっていきます。
そんな時、一人の少女がその岩山に登ることを決意します。
少女は人間ですが幼い頃から特異な能力があり、拘束されて奴隷のように扱われてきました。しかし外の世界を見たいとその場所から逃げ出した少女は、フェンリルを自分の境遇と重ねてなんとか解放してあげたいという思いと、フェンリルなら自分の能力を何とかしてくれるのではないかという思いから岩山に昇ります。
最初は怒りで少女を攻撃するフェンリルですが、逃げずに何度も向かってくる少女に冷静さを取り戻したフェンリルは岩山の炎を消し去り、その少女が近づくことを許します。
そして少女はフェンリルに近づくと、フェンリルが何百年かけても切る事の出来なかった鎖を簡単に切ってしまうんです。
それから少女は、魔力を食わせる代わりに自分を助けてくれないかと、フェンリルにお願いをします。フェンリルはしばらく悩みますが、それを受け入れ少女を守る契約をするんです。
そうして少女とフェンリルは二人で旅をすることになります。設定的にはその旅の途中でフェンリルは異世界に飛ばされるので、少女が心配でなんとか元の世界に帰りたいんです。