一触即発

作者:代理店

クラスに気に食わない男がいる。名前は三方原譲。何故気に食わないのかは、自分でも分からない。ただ、今日の体育の授業が男女合同だと聞いて、怜はこの上無いチャンスだと思った。



「そういう訳だから、覚悟しておけ」

「いや、どういう訳だよ。いきなり背後から蹴りつけてきやがって」

怜のキックが見事にヒットし、譲は背中を押さえながら蹲っている。何が起こったのか分からない、といった様子だ。怜は譲を見下ろしながら続けた。

「今日の体育、天津先生が射撃やるって言ってたから」

「げ、マジかよ」

「それで決着つけましょ。あんた射撃の成績いいんでしょ?」

怜がそう言い放つと、譲はフラフラと立ち上がり、先程とは打って変わった目付きで怜を睨んでいる。

「何だそれ。挑戦か?」

「勝負よ、勝負」

「負けた方は何でも言うことを聞くってか」

「それでも良いわね。私は負けないから」

そう挑発すれば、譲の眉がピクリと吊り上がり。

「いいじゃねーか。受けてやるよ、その勝負」


そうこなくては。

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最終更新:2014年05月31日 12:57