教育実習

作者:代理店

※ご存知かもしれませんが、教育実習は母校に行くのが基本です。

鳴海「はー緊張する…苦手だったのよね、校長と話すの」
【庵原鳴海】
読書家の教員実習生。大学の専攻は近代文学。担当科目は国語。

譲「そいつぁごくろーさん。行くぞ、扉の前でグダグダしてるのみっともねぇ」
【三方原譲】
現代戦闘機スキーの教員実習生。大学の専攻は社会学。担当科目は日本史・公民。

鳴海「あっ、待っ」

譲「三方原譲および庵原鳴海、教育実習着任のあいさつに参りました!!」コンコン

??「どうぞ」

譲「失礼します!」ガチャ

鳴海「しっ、失礼します!」

??「久しぶりだね、よく来てくれた」ニコッ

譲「××大学社会学部の三方原譲です。この度は教育実習の許可を頂き、ありがとうございます」

鳴海「〇〇文科大学文学部の庵原鳴海です」

??「礼儀正しく育ってくれたね。特に君たちの代は近隣住民の方からの評価が高かったね」

鳴海「光栄です」

大塚「あ、自己紹介が遅れたね。君たちはここの出身だから知ってると思うけど、私は校長の大塚だ。それでこっちが…」

サクラ「副校長のサクラカマイローゼルヴィエラです。長いですから、どうぞサクラとお呼びください」

譲(うわー懐かしー、サクラちゃんってイジると顔真っ赤にするんだよなー)

大塚「で、だ。積もる話もあると思うけど、必要なことはこの書類に全部書いてあるから、一読しといてね」

サクラ「質問があれば私の方へ」

鳴海「分かりました」

大塚「君たちが教育実習をする間に、この学園では文化祭に体育祭にと、大きなイベントが2つある。疲れるとは思うけど頑張ってね」

鳴海「はい!」
譲「はい!」

サクラ「よい返事です。あなたたち実習生の拠点となる控え室は、普通教室棟2階の講師控室1です。場所は…」

譲「大丈夫です、覚えています」

サクラ「分かりました。それでは、この教育実習があなた方の成長の糧になることを願っています」

大塚「では、以上!済まないけど、仕事が立て込んでてね…頑張ってくれよ」

鳴海「はい、失礼します」カチャ
譲「失礼します」

パタン

譲「あの2人、全く変わってなかったな」スタスタ

鳴海「緊張でそれどころじゃなかったんだけど…」テクテク

譲「真面目すぎだろー」スタスタ

鳴海「そういう君はテキトーだよ」テクテク

<コンニチハー!!

鳴海「こんにちは。……私たちこときもそうだったけど、すれ違った人と挨拶する習慣はなくなってないんだね」

譲「……昔を懐かしむばぁちゃんかお前は。学校の風潮は一朝一夕にゃ変わらんだろ」

鳴海「いやそうだけど!やっぱり嬉しいなあって」

譲「はいはい…鳴海おばあちゃん、ご飯はおととい食べたでしょ」

鳴海おばあちゃん「あしらい方が雑だし、毎日食べさせてあげてよ!」

譲「分かりましたよー。食事は3日に1度から3日に2度に増やしてあげますよー……着きましたよおばあちゃ」カギガチャガチャー

鳴海「あ、もう鬱陶しい」

譲「はいよ」ドアガチャー

譲「さて…と。あと90分したら担当クラスとご対面な訳だが?」

鳴海「いい子達だといいよね」

譲「悪ガキの1人や2人は居ないとつまんねぇと思うがな」

鳴海「ミカちゃんみたいな?」

譲「二度とそのあだ名で呼ぶな、はっ倒すぞ」←姓の読み:みかたばら

鳴海「はいは…………ゑ?」

譲「どーした」

鳴海「…正担副担がいないクラスを…2人で受け持て、って…」

譲「ファッ!?」

書類『教育実習の2人には、諸事情により正担任・副担任の居なくなってしまった36HRを担当してもらうよ!クラス委員長は真面目だから、色々聞くといいよ!他の先生方に質問しまくるとなんとかなるんじゃないかな!ゆっくりしていってね!!!!』

鳴海「…………えー…ちょ……えぇー」

譲「うわぁ頑張ろう」

譲「ま、なるようになるのが人生だし。頑張っていこう」

鳴海「…うん」

 ∧∧∧∧∧∧
<波乱の幕開け>
 ^Y^Y^Y^Y^Y^Y^

 

 

譲「とりあえず36HRだっけか?行くか」

鳴海「えっ、ちょっと待って」

譲「まだ緊張してんのか?」

鳴海「今日のSHRの連絡は聞いてきた?」

譲「あ」

鳴海「聞いてくるね。職員室で良いの?」

譲「だな。頼むわ」

鳴海「はーい」カチャ

◇◆◇◆◇

鳴海「聞いて来たよー、今日は少ないみたい。時間も時間だし、そろそろ行こうか」

譲「了解。荷物これか?」

鳴海「そうそう、ありがと」

カチャ パタン カギガチャコン

譲「こっちも色々聞いてきたぜなんで担任がどっちも居ねぇのかとか」スタスタ

鳴海「あ、なんでだった?」スタスタ

譲「正担は産休、副担は他国の学校教育スタイルを学びに視察団に同行だと」スタスタ

鳴海「あ、不祥事とかじゃないんだ」スタスタ

譲「お前は母校を何だと思っとるんだ、阿呆」スタスタ

鳴海「確かに超の付くほど優良進学校だったけどね。はー、よく3年間勉強続けられたよ私」スタスタ

譲「自画自賛、乙。そら見えたぞプレートが」スタスタ

鳴海「じゃ、張り切って行こうか!」ニコッ

譲「一瞬ときめいたけど声がでかいわアホが。37の何人かは驚いた顔でこっち見たぞ」スタスタ

鳴海「今けっこう大事なこと言われた気がするんだけど?」スタスタ

譲「それをノリで流せる間柄だったと記憶してるが」スタスタ

鳴海「ま、確かにそうね」

譲「……うっし、行くか」

鳴海「記念すべき初日の最初のホームルームは如何に…ってね」

ガラガラガラ

譲(女子率高っ!)

鳴海「おはようございます。えーと、クラス委員長さんいるかな?」

??「は、はい…私です…」

譲(なんでビビってんだ…)

鳴海「名前は…えーと名簿名簿…」

譲「はいよ。七宮日和さん…であってるか?」

日和「はい…」

譲「他の先生方とか、産休に入られる前の担任の先生とかから教育実習生が担当するって聞いてたりするか?」

日和「はい、『2人の教育実習生が担任の代わりやから、最初はフォローしたれよ』って…」

鳴譲((担任の先生、関西人だったのか…))

鳴海(たどたどしく真似してる関西弁かわいいなぁ)
譲(―――とか思ってんだろうなぁ…)

譲「ん、了解。えーと…とりあえず今日の連絡で、自己紹介は1限のLHRでしようかな」
 

鳴海「では今日の連絡です。えーと、1点だけかな? 昼休み以降の5・6限は文化祭準備時間ですが、昼休みは時間外ですので準備はしないこと。だそうです」

譲「あー懐かしい。何やるんだ?もうボチボチ完成が見え始めてる頃だろ……えーと委員長はさっき聞いたから、副委員長?」

??「はい」

譲「あー黒沢明理さんだっけ?何やんの?」
鳴海(ナズェシッテルンデス!?…あ、名簿か)

明理「えーと、喫茶店をやることになってるんですけど…」

鳴海「けど?」

明理「コンセプトが決まってなくって…1限はその話し合いをすることに…」

譲「あーじゃああんま時間は貰わない方がいいな。まだ時間ある?」

鳴海「ショートの終わりまであと6分半かな」

譲「じゃ、簡単な自己紹介をば。ナルミン先どーぞ?」

鳴海「えぇー。じゃあ名前を黒板に書いてよ」
鳴海「私は庵原鳴海と言います。〇〇文科大の文学部国文学科で、近代文学を専攻してます。えー…趣味は読書で、司書教諭目指して頑張ってます。まだまだ青いですが、努力していくのでよろしくお願いします」

\パチパチパチパチパチパチ/

譲「自分は三方原譲、××大学社会学部で勉強してます。趣味は…えー」

鳴海(サバイバルゲームはまずいよ!)ヒソヒソ
譲(だよなぁ…)ヒソヒソ

譲「失礼、趣味は…まぁいわゆるミリオタってやつです。社会科の先生目指して日々努力してます」

キーンコーンカーンコーン...

譲「あ、やべ。えーと、教育実習で多くのことを学びに来ました。日々是勉強の気概で頑張っていきます、よろしくお願いします」

鳴海「ショートは以上。委員長さん!」

日和「は、はい!起立!」

ガタガタ

日和「礼!」

アリガトウゴザイマシター

鳴海「じゃあまた1限に!」

ガラガラガラ

譲「男女比3:7かーきっついわー」

鳴海「なるようになるんでしょ?気張りなさいよ」

譲「言われんでも頑張るわ!……しっかし…」

譲「控え室まで遠いな…」
鳴海「控え室まで遠いね…」

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> 3年教室は2階 <
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最終更新:2014年05月31日 15:20