作者:代理店
譲「七夕ということですが」
譲「つい8時間ほど前に7月7日は終了しました!」
鳴海「えぇぇー…」
譲「まー2013年の七夕は過去になったということで、過去の七夕の話をしようかと」
鳴海「つまり昔どんな願いを書いたか、とか?」
譲「そうそう、幼稚園とかから覚えてるだけ。なに書いたんだ?」
鳴海「幼稚園のときは…たしか『お姫さまになって男の人にクイズを出したい』で、小学校の――」
譲「待て待て、いきなりワケわからん願い事だな。『かぐや姫みたいになりたい』じゃなかったのかよ」
鳴海「うん。確かね」
譲「つーか、絵本のかぐや姫って4つの難題のシーンはばっさりカットじゃなかったか?絵本で育ったらそのエピソードはふつう知らんだろ」
鳴海「いやーお母さんがちょっと、ね…」
譲「いや『ちょっとね…』とか言われても困るわ。あーでもお前の本好きはそこがルーツか」
鳴海「多分ね。で、小学校低学年のときは『本屋さんになりたい』かな。まだ知識量もそれなりだったしね」
譲(幼稚園児のときからほぼ原作のかぐや姫読めておいてそりゃねーぜ…)
鳴海「それから小学校高学年からここまでずっと、短冊に書く機会があれば『最期は本に埋もれて死にたい』って…」
譲「はいストーップ。短冊は理想の死に様を書くスペースじゃねーから!織姫も彦星もドン引きだわ」
鳴海「いや、別に書道や裁縫の上達祈願ってのは知ってるけどさ」
譲「タチ悪っ。知っててやってんなら神サマ怒るぞ?」
鳴海「大丈夫、八百万の神々は懐広いから」
譲「知らんわ!」
鳴海「む。じゃあさ、そういう君はどうなのさ」
譲「俺は文芸上達祈願ってことを知ったのがつい最近だからな、それまでは欲望丸出しだぞ?」
鳴海「ふぅーん。幼稚園のときは?」
譲「『高速道路を作りたい』」
鳴海「それ絶対ツッコミ待ちでしょ?」
譲「いや?俺さ、幼稚園のときは路線図とかロードマップ読んでたから」
鳴海「 嘘 だ ッ !! 」
譲「嘘じゃねーんだけどな。親父の国内出張の土産で一番喜んでたのが高速道路の地図だし」
鳴海「うわー変人だぁ」
譲「その台詞、そっくりそのまま熨斗つけて返してやる。で、小学生のときは『パイロットになりたい』とか『自衛官になりたい』とか」
鳴海「小学生のときからもう自衛隊に興味あったの?」
譲「地元に空自の基地があってAWACSを毎日見てりゃあ関心は持つと思うぜ?」
鳴海「そんなものかなぁ。というか、君の地元が今この瞬間にバレたよ?」
譲「気にしねぇ。中高のときは、書くときがあれば『喘息の治癒』って書いてた」
鳴海「あれ、喘息持ちだっけ?」
譲「まーな。気にするほど重症にゃなったことないけど」
鳴海「はぁー大変だね……で、文芸上達はいつ知ったの?」
譲「高2の七夕が終わったあと。古典教師の余談で聞いて、そのあと調べた」
鳴海「つまり高2のときに大人の階段をまた1つ上ったのね」
譲「その言い方だと語弊しかないんだけど!?つかお前そんなキャラかよ?」
鳴海「深夜テンションってやつよ」
譲「それなら仕方ないな。ところで今年は何を書くつもりだったん?」
鳴海「うーん…今年も同じでもいいんだけど、別のがいいかな」
譲「あれ、そうなのか」
鳴海「うん」
譲「でも教えてくれないんだね?」
鳴海「んーまあ恥ずかしいからねぇ」
譲「? おう」