ハーフボイルド・ワンダーガール

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*ハーフボイルド・ワンダーガール |作者|早狩武志| |イラスト|バーニア600| |レーベル|一迅社文庫| |分類|推薦図書 &bold(){※劇薬注意} | |巻数|1巻(完結)| |ジャンル|青春ミステリー| #region(close,以下ネタバレ) |&bold(){真ジャンル}|&bold(){サイコサスペンス}| #endregion ***&u(){登場する幼馴染} **水野美佳(みずの みか) |年齢|高校2年(同い年)| |幼馴染タイプ|ずっと一緒系| |属性|お隣同士、合法ロリ系| |出会った時期|物心ついたとき(ほぼ生まれたときから)|  俊紀の隣家に住む幼馴染美人姉妹の長女。実は彼女もずーっと主人公のことが好きだった。(※) 小柄でちんまりしたメガネっ子、しゃべり方は舌っ足らずで年齢以上に幼く感じられる。髪型は外ハネのボブ(おかっぱ)。内気で、学校ではいつも女子同士のグループにいるためあまり男子の印象には残らないがよくみれば可愛い、といったタイプ。一学年下の妹の方がより人目を惹く明るい美少女である。   だがそんな外的印象はどうでもよくなるくらい彼女の内面は苛烈で残酷であった。物語開幕早々、彼女の言動が俊紀を絶望の淵に突き落とし、探偵ちゃん(後述)が一連の出来事に関わるきっかけとなる。 ※ただし過去形。 **湯佐俊紀(ゆさ としき) 年齢:高校2年  この作品の主人公。優等生だが押しに弱く、ややヘタレなところがある。物語開始までずーっと、お隣の“美佳ちゃん”への思いを秘めていた(これまで告白などはできなかった)。大学は&bold(){文学部志望}でアラビア文学やアフリカ文学など外国語文学を修めた後、実家を離れて働きに出るという将来設計を胸中に抱いていた。開業医の両親と、その期待を一身に集める真面目で優秀な医学生の兄という家庭で、生まれて十数年とりわけ両親からぞんざいに扱われ、自身も諦観とともにそれを受け容れてきた空気弟。のはずだったが、本編開始のおよそ一ヶ月前に兄が不慮のバイク事故で亡くなってしまったため、&bold(){&strike(){イカれ}常軌を逸した両親から突如として医学部進学(理系転向)を強硬に勧められ}困惑、というよりふてくされていた。  兄とはどうもそりが合わず反発してばかりだった(と周囲から見られていた)が、本当は両親に押し付けられた進路を選んでまるで逆らうこともなかった兄に「アンタの人生、本当にそれでいいのかよ?!」と案じていた。自分が両親から干渉されず、いわば自由放任で育ってきたことに対し一種のすまなさを感じていたのだ。 **佐倉井綾(さくらい あや) 年齢:高校2年  &bold(){前述の探偵ちゃん。ミーツヒロインだが}例外的にここで紹介する。紹介しておかなければ申し訳が立たない。  本作のメインヒロインといっていい。背が高く顔立ちくっきり、大きな瞳が特徴の、活動的な美少女でいわゆるグラマー。髪型はショートボブ。弁護士の両親の元で規範意識はともかく随分と好奇心旺盛に育ち、有り余る行動力で「ミステリー研究会」を設立した上にミス研部長として学内で正義の探偵(の真似事)までやっている奇妙な有名人。基本的に善人なのだがいささか空気が読めないマイペースなところや、ある程度計算した上で目的に向かって猪突猛進するような一面もある。  偶然から俊紀と水野美佳の修羅場(?)に遭遇し、俊紀の「依頼」を受ける形で一連の出来事に関わってゆく。最初は弱気な俊紀を『あまり好みのタイプじゃない』などと論評していたが、一緒に行動していくうち、次第に惹かれていく……描写がほほえましい。 ***&u(){水野美佳様の暴虐エピソード} -「あたし……本当はちっちゃな頃から」 -「俊紀くんって、いつも……ずっと、身近だったから気づかなかったけど」 -「なのにいまさら……その、突然こんなの、勝手だなって判ってる。でも」 -「でも……あたし……いつかは俊紀くんに言わなくちゃって……それで」 -&bold(){「ちゃんと、責任とってくれるよね」} --&strike(){暴投}冒頭の一幕。 -「これからしばらくの間、あたしに貸してください。俊紀くんを……ええと、だいたい十八年くらい?」 -「佐倉井さん、大学は法学部へ行って将来弁護士になりますよね。(中略) 一人前になって結婚するのなんて、三十代中頃になっても全然遅くないですよね、エリートなんだし」 -「だから、それまで俊紀くんをあたしに預けてください。絶対に、その時が来たら何があっても佐倉井さんに返却しますから。利子をつけるのは無理ですけど。でも悪い虫なんかつけさせませんから!」 -「十八年後には……この子が十八になったら、それからはあたしたち、二人だけで力を合わせて生きていきます。だから……」 --探偵ちゃんと直接対決時のセリフ。なんだこれ。 --この一連のセリフの前から、主人公と親しくなった探偵ちゃんを牽制するセリフを連発、穏やかな表情と態度ながら明確に“敵”と認識した行動をとる。 -兄の四十九日法要後、親戚中(と水野家)の集まった席で「妊娠している」と爆弾発言。 --主人公は一切の弁明を許されず、即座に父からブン殴られる。 -物語のラスト前でも主人公にコナかけようとする。全て、自分とお腹の子の都合のいいように。 --これらの行いから、禁止スレでは某&link_anchor(Salamander,page=用語解説){ヨヨ様}と並び称される。人呼んで…… &size(20){&bold(){&italic(){「衝撃のクレイジー・サイコビッチ」}}} ***&u(){概要}   奇天烈な密室やアリバイトリックなど用いず、主人公の内心が一点だけぼかされている以外は、もって回った叙述で煙に巻こうともしないためミステリーとしては読みやすくあっさり目。  本作発売時の「青春ミステリー」という打ち出しは青春の苦悩、ワケもわからず水野美佳様から一方的に追い詰められ、家族や周囲の人間からも責められる主人公の絶望や嘆き、苦しみが半分。成り行きで臨時の相棒(バディ)となってこちらも主人公を振り回しながら、それでも背景事情や事態の真相を明らかにしようと努力するはた迷惑だが善良な探偵ちゃんとの交流が半分、であろうか。「幼なじみとの訣別」「家庭(両親)からの精神的自立」と「ボーイ・ミーツ・ガール」をまとめて本作の青春パートであると考えれば紛うことなき青春小説だといえるだろう。 ……読者が納得できるかどうかはさておき。 #region(close,以下余談) ***&u(){早狩先生のコメント} -読み終わった後、(中略)、幸福感に包まれながら安らかな眠りに就けるような物語が書きたい――日頃、感情的な起伏の激しい物語を求められる機会が多いからでしょうか。突然ふとそんな想いを抱いて、とくに発表の場のあてもなく綴り始めたのが、この『ハーフボイルド・ワンダーガール』でした。 --著者あとがきより。 #endregion
*ハーフボイルド・ワンダーガール |作者|早狩武志| |イラスト|バーニア600| |レーベル|一迅社文庫| |分類|推薦図書 &bold(){※劇薬注意} | |巻数|1巻(完結)| |ジャンル|青春ミステリー| #region(close,以下ネタバレ) |&bold(){真ジャンル}|&bold(){サイコサスペンス}| #endregion ***&u(){登場する幼馴染} **水野美佳(みずの みか) |年齢|高校二年(同い年)| |幼馴染タイプ|ずっと一緒系| |属性|お隣同士、合法ロリ系| |出会った時期|物心ついたとき(ほぼ生まれたときから)|  俊紀の隣家に住む幼馴染美人姉妹の長女。実は彼女もずーっと主人公のことが好きだった。(※) 小柄で仕種などもちんまりしたメガネっ子、しゃべり方は舌っ足らずで年齢以上に幼く感じられる。髪型は外ハネのボブ(おかっぱ)。内気で、学校ではいつも女子同士のグループにいるためあまり男子の印象には残らないがよくみれば可愛い、といったタイプ。一学年下の妹の方がより人目を惹く明るい美少女である。   だがそんな外的印象はどうでもよくなるくらい彼女の内面は苛烈で残酷であった。物語開幕早々、彼女の言動が俊紀を絶望の淵に突き落とし、探偵ちゃん(後述)が一連の出来事に関わるきっかけとなる。 ※ただし過去形。 **湯佐俊紀(ゆさ としき) 年齢:高校二年  この作品の主人公。優等生だが押しに弱く、ややヘタレなところがある。物語開始までずーっと、お隣の“美佳ちゃん”への思いを秘めていた(これまで告白などはできなかった)。大学は&bold(){文学部志望}でアラビア文学やアフリカ文学など外国語文学を修めた後、実家を離れて働きに出るという将来設計を胸中に抱いていた。開業医の両親と、その期待を一身に集める真面目で優秀な医学生の兄という家庭で、生まれて十数年とりわけ両親からぞんざいに扱われ、自身も諦観とともにそれを受け容れてきた空気弟。のはずだったが、本編開始のおよそ一ヶ月前に兄が不慮のバイク事故で亡くなってしまったため、&bold(){&strike(){イカれ}常軌を逸した両親から突如として医学部進学(理系転向)を強硬に勧められ}困惑、というよりふてくされていた。  兄とはどうもそりが合わず反発してばかりだった(と周囲から見られていた)が、本当は両親に押し付けられた進路を選んでまるで逆らうこともなかった兄に「アンタの人生、本当にそれでいいのかよ?!」と案じていた。自分が両親から干渉されず、いわば自由放任で育ってきたことに対し一種のすまなさを感じていたのだ。 **佐倉井綾(さくらい あや) 年齢:高校二年  &bold(){前述の探偵ちゃん。ミーツヒロインだが}例外的にここで紹介する。紹介しておかなければ申し訳が立たない。  本作のメインヒロインといっていい。背が高く顔立ちくっきり、大きな瞳が特徴の、活動的な美少女でいわゆるグラマー。髪型はショートボブ。弁護士の両親の元で規範意識はともかく随分と好奇心旺盛に育ち、有り余る行動力で「ミステリー研究会」を設立した上にミス研部長として学内で正義の探偵(の真似事)までやっている奇妙な有名人。基本的に善人なのだがいささか空気が読めないマイペースなところや、ある程度計算した上で目的に向かって猪突猛進するような一面もある。  偶然から俊紀と水野美佳の修羅場(?)に遭遇し、俊紀の「依頼」を受ける形で一連の出来事に関わってゆく。最初は弱気な俊紀を『あまり好みのタイプじゃない』などと論評していたが、一緒に行動していくうち、次第にお互いを意識して惹かれていく……描写がほほえましい。 ***&u(){水野美佳様の暴虐エピソード} -「あたし……本当はちっちゃな頃から」 -「俊紀くんって、いつも……ずっと、身近だったから気づかなかったけど」 -「なのにいまさら……その、突然こんなの、勝手だなって判ってる。でも」 -「でも……あたし……いつかは俊紀くんに言わなくちゃって……それで」 -&bold(){「ちゃんと、責任とってくれるよね」} --&strike(){暴投}冒頭の一幕。 -「これからしばらくの間、あたしに貸してください。俊紀くんを……ええと、だいたい十八年くらい?」 -「佐倉井さん、大学は法学部へ行って将来弁護士になりますよね。(中略) 一人前になって結婚するのなんて、三十代中頃になっても全然遅くないですよね、エリートなんだし」 -「だから、それまで俊紀くんをあたしに預けてください。絶対に、その時が来たら何があっても佐倉井さんに返却しますから。利子をつけるのは無理ですけど。でも悪い虫なんかつけさせませんから!」 -「十八年後には……この子が十八になったら、それからはあたしたち、二人だけで力を合わせて生きていきます。だから……」 --探偵ちゃんと直接対決時のセリフ。なんだこれ。 --この一連のセリフの前から、主人公と親しくなった探偵ちゃんを牽制するセリフを連発、穏やかな表情と態度ながら明確に“敵”と認識した行動をとる。 -兄の四十九日法要後、親戚中(と水野家)の集まった席で「妊娠している」と爆弾発言。 --主人公は一切の弁明を許されず、即座に父からブン殴られる。 -物語のラスト前でも主人公にコナかけようとする。全て、自分とお腹の子の都合のいいように。 --これらの行いから、禁止スレでは某&link_anchor(Salamander,page=用語解説){ヨヨ様}と並び称される。人呼んで…… &size(20){&bold(){&italic(){「衝撃のクレイジー・サイコビッチ」}}} ***&u(){概要}   奇天烈な密室やアリバイトリックなど用いず、主人公の内心が一点だけぼかされている以外は、もって回った叙述で煙に巻こうともしないためミステリーとしては読みやすくあっさり目。  本作発売時の「青春ミステリー」という打ち出しは青春の苦悩、ワケもわからず水野美佳様から一方的に追い詰められ、家族や周囲の人間からも責められる主人公の絶望や嘆き、苦しみが半分。成り行きで臨時の相棒(バディ)となってこちらも主人公を振り回しながら、それでも背景事情や事態の真相を明らかにしようと努力するはた迷惑だが善良な探偵ちゃんとの交流が半分、であろうか。「幼なじみとの訣別」「家庭(両親)からの精神的自立」と「ボーイ・ミーツ・ガール」をまとめて本作の青春パートであると考えれば紛うことなき青春小説だといえるだろう。 ……読者が納得できるかどうかはさておき。 #region(close,以下余談) ***&u(){早狩先生のコメント} -読み終わった後、(中略)、幸福感に包まれながら安らかな眠りに就けるような物語が書きたい――日頃、感情的な起伏の激しい物語を求められる機会が多いからでしょうか。突然ふとそんな想いを抱いて、とくに発表の場のあてもなく綴り始めたのが、この『ハーフボイルド・ワンダーガール』でした。 --著者あとがきより。 #endregion

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