天才王子の赤字国家再生術~そうだ、売国しよう~

天才王子の赤字国家再生術~そうだ、売国しよう~

作者 鳥羽徹
イラスト ファルまろ
レーベル GA文庫
分類 禁止図書
巻数 5巻(刊行中)
ジャンル 国家運営もの

ウェイン「俺の心臓を侮辱した奴は、残らず殺すと決めている」

登場する幼馴染

ニニム・ラーレイ(ニニム ラーレイ)

年齢 16歳(1巻時) ※作中で一年以上経過
幼馴染タイプ ずっと一緒系
属性 主従、冷静沈着、一途、貧乳
出会った時期 幼少の頃から

 主人公ウェインの補佐官兼護衛兼幼馴染。赤目白髪だが、彼女の出自であるフラム人(大陸西部で差別され、蔑まれている人種)の身体的特徴によるもの。
 ナトラ国では、フラム人の中で優秀な者を王族の補佐官にするという慣習があり、幼い頃からウェインの補佐官となることが決まっていた。
 冷静で穏やかな性格。他人がいるときはウェインに対して敬語を使い、態度も畏まったものになるが、ウェインと二人の時はタメ口になる。二人の時は主であるウェインをしかりつけたり、遠慮なく物を言ったり異を唱えることがあるものの、最終的な決定には従う。
 主であるウェインには及ばないものの文武両道であり、軍を率いて戦うこともある。諜報に秀でており、読唇術や暗器の扱いにも長けている。
 ウェインに遠慮のない物言いをするが、基本的に仲は良好。ナチュラルにいちゃついている場面が非常に多い。ナチュラル過ぎてスルーしてしまいそうな程。ナトラの宮廷では、ニニムはウェインの愛妾であるとみられている。
 フラム人という出自のせいで、まだ公式に結ばれることができない(その事に不満もあるがあきらめている)が、それ以上にウェインの「心臓」であることを誇りに思っている。ウェインを起こしに行く前に、寝顔を見るのがたまにする「贅沢」

ナナキ・ラーレイ(ナナキ ラーレイ)

年齢 不明(15歳前後?)
幼馴染タイプ ずっと一緒系
属性 護衛、冷静沈着、鈍感
出会った時期 幼少の頃から

ウェインの妹姫であるフラーニャ王女の護衛兼幼馴染。護衛としての戦闘能力に長ける。フラーニャを女性として意識しているかは不明なものの、大事に思っており、フラーニャを害そうとする者には一切容赦をしない。フラーニャは、自身の「逆鱗」とのこと。ニニムとも幼い頃からの知り合いではないかと思われる。

ウェイン・サレマ・アルバレスト(ウェイン サレマ アルバレスト)

年齢:16歳 ※作中で一年以上経過

 この作品の主人公で、ナトラ国の王太子。父であるナトラ王オーウェンが病で倒れたため、急遽、摂政として国を率いる立場になる。人前では王太子らしい振る舞いをするものの、ニニムと二人だけになると、本音をぶっちゃける。政治や軍事、剣術など様々な事柄について極めて優れた能力を発揮するものの、本心では国の運営を面倒くさがっている。
 用意周到に準備をし、リスクを避ける慎重な振る舞いが多いが、ニニムがフラム人という出自のせいで侮辱された場合、必ずその相手を殺すと決めており、実際、作中でニニムを侮辱した相手はウェインの手によって殺害されている。相手がたとえ国王で会談の場であろうが容赦なく殺すところに、ニニムに対するヤンデレめいた強い想いが見える。
 作中では、ニニムと視線で意思を疎通したり、筆談したり、その場で仕込みをしたりと、謎の意思疎通を行っている場面がしばしばみられる。

エピソード集

  • 「その、なんだ、泣かないでくれ。ニニムに泣かれると……俺はどうしたらいいかわからなくなる」
    • ニニムの白い髪を指ですきながら囁くと、彼女は小さく言った。
    • 「……じゃあ、もう無茶をしないで」
    • 背中をつねられた。
    • 「わ、解った。今後はもう少し体調に気を遣うから許してくれ」
    • 「……許さない」
    • ニニムはウェインの胸元に頬をこすりつける。
    • 「だから、もう少しこうしていて」
    • ウェインは何も言わず、ニニムの髪を撫で続けた。


概要


 父王であるオーウェンが急病で倒れたため、ナトラ王国の王子ウェインは急遽、国を率いる立場になる。しかし、ナトラは資金も資源も人材もない弱小国家。当初、ウェインは同盟国であるアースワルド帝国に対して国を売り払う計画を立てていたが、アースワルド帝国皇帝の急死によって計画は頓挫。後に「賢王対戦」と呼ばれることになる時代になる、ウェインや周辺国家を巻き込んだ戦乱や外交交渉などを描く戦記物。

 慎重に練ったはずの計画が予想外に上手くいったり悪くいったりした結果、状況がしっちゃかめっちゃかになったのを、状況をうまく利用したウェインの知略やはったり、謀略によってなんとかする、というのが2巻以降の定番パターン。ライトノベルの戦記物としては珍しく、暗殺や謀略、外交交渉上の建前と本音の使い分けといった、戦争以外の面が主に描かれている。
 馴染み作品としては、ウェインとニニムの軽妙な掛け合い、幼馴染&主従ならではの、高度な連携プレー(視線での意思疎通、即興での筆談、二人の間だけ通じる符牒、いつ準備したのかわからない仕込みなど、ウェインが言葉にしないでも意思をくみ取ってうまく動く場面が非常に多い)、「俺の心臓」と公言する、ウェインとニニムの鉄板の関係が特筆すべきところ。男女の関係があるかは不明なものの、3巻馬車中でのからかいなど、どちらもお互いのことを異性としてみていることは間違いない。
 馴染み作品としては過去描写は少なめ。おそらく、物語の核心に関わるので伏せられている節がある。とはいえ、昔は二人っきりでよく外出していたとかそういうエピソードを特に感慨もなく、さらりと流しているところに馴染みっぷりが伺える箇所が随所にある。
 1巻が出た2018年は、馴染作品の不作をスレ住民が嘆いていたところであったため、凄まじい勢いで語りつくされた。

+ 内容ネタバレ
  • ウェインが究極的に何を考えて行動しているのか、依然として不明であるものの、二巻ラストでロウェルミナ皇女は、ニニムのためにフラム人差別に挑もうとしているのではないか、と推測している。
  • 5巻ラストにて、ウェインには秘めた野望があることが(読者には内容は伏せられているが)示される。
  • フラム人が絡んだところで、ウェインが怪しい動きをしている場面がちょくちょくある
    • 西側諸国家(フラム人差別が当然の地域)を崩壊させるための様々な仕込みを帝国留学以前から行っている
    • ニニムが珍しく明確に反対意見を示していた、選聖侯(フラム人を差別する教義を持った宗教であるレベティア教の幹部)就任に積極的
    • 国内諸侯の反乱を鎮圧した後、処刑した領主などの後釜にフラム人を据える

店舗特典SS


現在の店舗特典は全てウェインとニニムの漫才だったり、なにもない日常だったり、ちょっと良い話だったりする。本編では描かれてない日常の話があるので、(特典がまだ入手可能なのであれば)そのためだけに買っても良いかもしれない。漫才してたりまったりしてたりしんみりしてたり。

  • 「香水」(4巻アニメイト特典)
    • 新しい香水を入手したニニムは、さりげなく香水に気づくように仕向けるが…という話。珍しくやきもきしているニニムが見られる。可愛い。
+ 内容の一部
    • 結局最後まで気づかれなかった。まあ別に構わないが。その程度しか意識されていなかったということなのだろうか……まあ別に構わないが。
    • 「あ、そうだニニム」
    • その時、ウェインは思い出したように視線を向けて、
    • 「今日の香水、いいな。ニニムに合ってると思うぞ」
    • 「…………」
    • ニニムは長い沈黙の後、大きく息を吸ってーー
    • 「言うのが、遅いのよ!」
    • 「えーーーーーーーーーーー!?」
    • なお、それからしばらくの間、上機嫌のニニムがしばしば目撃されることになった。
  • 「効き茶」(4巻メロンブックス特典)
    • タイトルの通り、二人で効き茶をしながら漫才する話。ほのぼの。
+ 内容の一部
    • 「ところでウェイン。試しに飲んだので気に入った銘柄は合った?あれば今後その茶葉を使って紅茶を淹れることにするけれど」
    • 「気に入ったの?そうだなあ……」
    • ウェインは箱にざっと目を通し、やがて一つを手に取った。 
    • 「これ」
    • 「……いつものナトラ産じゃない」
    • ウエインは笑った。
    • 「ま、どんなに数があろうとも、結局は慣れ親しんだのが一番ってことだ」
  • 「トレーニング」(4巻とらのあな特典)
    • ナトラ王国の内輪の剣術大会に参加することになったウェイン。トレーニングの方法について考え始めるが…という体のいつもの漫才。
  • 「コスプレ」(メロンブックスノベル祭りスペシャルアンソロジー)
    • いかがわしいコスプレ衣装を入手したウェインは、ニニムにそれを着て欲しいと頼むが…という話。結局は着てくれない。
  • 「夢」(4巻BOOK☆WALKER特典)
    • 変な夢を見て寝不足気味のウェイン。寝不足の解消方法をニニムに相談するが…という話。いつもの漫才話だが、祈祷師でも呼んでお祓いしてもらうことをニニムが提案している辺り、作中の時代背景を感じさせるものではある。
  • 「未来」(3巻とらのあな特典)
    • 未来予測についての本を読んでいるウェインとニニムのたわいない語り合い。
+ 内容の一部
    • 「あまり興味は沸かないわね。私には未来を見るよりも大事なことがあるもの」
    • 「大事なことって?」
    • 「こうしている時間」 
    • その返答にウェインは目を瞬かせ、次に笑って言った。
    • 「そうだな、その通りだ」
    • ウェインは開いていた本を閉じると、ニニムととりとめのない会話を交わしながら、二人きりの穏やかな時間を過ごした。

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最終更新:2022年02月23日 12:19
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