妹「誕生日おめでとーう!」
俺の誕生日にみおの妹のなっちゃんが家に来た。
俺「うん……」
幼「声ちっさ!
緊張してんの?」
俺「久しぶりだから……」
幼「めんどくさいやっちゃ」
妹「これ誕生日プレゼント!」
俺「何?」
妹「見ていーよ!」
がさがさ……。
幼「ちょっ、なんでまたトランクスなのよ!
前もトランクスだったじゃん」
妹「使うでしょ」
幼「えーないわこれー」
妹「失礼な。使うよねえ?」
俺「使う使う」
妹「ほらー!」
幼「そりゃ使うけどさ……」
妹「もー。
ねえねえ和にい聞いてよ、お姉ちゃんプレゼントの時いっつもこういうこと言うんだよっ?」
俺「そうなんだ?」
妹「センス悪いとかさ」
幼「だって変なんだもん」
妹「変じゃないじゃん」
幼「変だよね?」
妹「変じゃないよね?」
俺「……女の子が二人もいるよ」
幼「お前は何をしみじみつぶやいとんだ!」
俺「いてっ」
◇
俺「だってさ、こんな誕生日って今までなかったからさ」
幼「去年もこうじゃん」
俺「去年はなんか楽しむどころじゃなかったし。あとその前にヨーダにちょっとカチンときてたばっかだし」
幼「なんかあったっけ」
俺「覚えてないかもしれないけど、ヨーダが俺も仕事紹介出来るみたいな話になった時にさ」
幼「うん」
俺「なんかよく分からなかったけどスポーツするとこの監視員みたいな?
それで大学生のお姉さんとかもいるよーって感じのこと言ったんだけどさ」
幼「覚えてないわ」
俺「ヨーダが『まあ俺はあんまり興味ないけど大学生のお姉さんとか多いぞ』みたいなこと言って、俺がびっくりして『えっ!?』って驚いたわけよ」
妹「ふんふん」
俺「そしたら『すげえ食い付いてきたな』ってヨーダに言われて俺が女好きみたいな感じにされてさ」
妹「あはは」
俺「ヨーダが女にあまり興味ないけどって言ったから驚いただけなのにみおとなっちゃんにも笑われてさ。
みおの前で女好き扱いされちゃってもうめちゃくちゃへこんだよ」
幼「そんなへこまなくても良いじゃん」
俺「だって裏切られた感も強いしさ。何が女に興味ないんだよ。
高校入ってから全然連絡なかったのに急に家に電話してメルアド聞いてきて、
何を送ってくるかと思ったら出会い系のアドレスで、登録するよう頼むんだよ?
ほら、紹介すると金使わなくてもポイント貰えて女の子とやりとり出来るから。
そんでそのあと全然メールないんだよ?
一回あったかなくらい。どんだけポイントほしいんだよ!」
幼「うわー」
◇
俺「そんな奴が『俺は女なんかには興味ないぜ』なんて言い出したらびっくりするっての!」
幼「分かるけど、丸一年覚えてるって和君もなんか暗いよね」
俺「全然暗くないよ!
俺はずっと『女の前だからってかっこつけやがってええ!』ってはらわたにえくりですよ!
多分余裕で十年覚えてるよ。女関係の裏切りは男にとって軽いトラウマレベルだよ」
幼「大人になって女に興味なくなったんじゃないの?」
俺「だったらなんでなっちゃんにちょっかい出すのさ」
幼「それもそうか」
俺「ただのムッツリスケベだよ。どうせなっちゃんも押し倒されてるよ」
妹「されてない!」
俺「でも手は握られたでしょ」
妹「手はまあ……」
幼「詳しく聞こうか」
俺「そうですな」
妹「いやー、ヨーダに悪いし言えないって」
俺「大丈夫、俺だってヨーダに悪いと思ったけど出会い系のこととか言ったんだから」
幼「お前は心の葛藤まるでなかったろ」
俺「心を鬼にした」
幼「ただ喋ってる内にムカついて暴露しただけだろ絶対」
◇
俺「なんか俺だけ性格悪い感じになっちゃうからなっちゃんもばらしちゃいなよ」
妹「私のことは良いからもっと暴露しちゃって」
幼「ヨーダを売ったなお前……」
俺「そんなたくさんないしな」
幼「さっきの結構ひどかったもんな」
俺「そういや中学の時に帰り道で大を漏らしたけど」
幼「それ言って良いのか!?」
俺「でも別に中学までは結構みんな漏らしてるだろ、まだ学校のトイレが恥ずかしいとかあったし」
妹「だけど帰り道でしょ?」
幼「そうだよ。どうしたのそれ?」
俺「うちのトイレ貸した」
幼「それまでは?」
俺「特にそのことには触れなかったな。上の空だったけどセイントセイヤの話で粘った」
妹「えー優しいー!」
幼「優しいのか?」
俺「そんな優しい俺を裏切るなんてひどいよね」
妹「たしかにひどい。言っとく」
俺「ケンカにならないかな?」
妹「いや、仲良くするんだよって言うだけ」
俺「なっちゃんとヨーダが仲良くする方が先でしょ」
幼「うんうん」
妹「話が私とヨーダに戻っちゃった」
◇
俺「どうなの実際。会ったりしてんの?」
妹「いや忙しいみたいよ」
幼「声優?
俳優だっけ?」
妹「今は職業訓練所に行ってるんだって」
俺「専門学校みたいなやつはどうしたの?」
妹「知らなーい」
幼「なんかよく分からないよね」
俺「最初、なんか音楽だかダンスだかやってたよね」
幼「そうなの?」
俺「違ったっけ?」
幼「分かんない」
俺「職業訓練所で何してんの?」
妹「職業の訓練?」
幼「そのまんまじゃんか」
俺「ヨーダって多分モテるよね?」
幼「モテるの?」
俺「少なくとも俺よりは絶対ましだ」
妹「和にいモテないの?」
俺「モテるわけないよ」
幼「そもそもヨーダって彼女いたことあるのかな?
何も知らない」
俺「童貞だったら全てを許そう」
幼「そんなことで許すの!?」
俺「童貞は勇者みたいなもんだ。自分の中のモンスターと戦ってるんだからひとんちのタンスを漁っても許される」
幼「あはは、小さなメダルとか?」
俺「いや、女の子のパンツ」
幼「それは許されないだろ」
◇
妹「マンガでよくあるけど本当にタンス見たりするのかな?」
俺「そりゃ見るでしょ。俺は見ないけど」
幼「うそつけ」
俺「妹の前なんだから格好つけさせろよ」
幼「妹とか言うな。お前が言うとやばい感じになるだろ」
俺「妹じゃんか」
妹「そうだった、実際にお兄ちゃんなんだよねもう」
なっちゃんがくっついてきた。
俺「わ……」
幼「ちょっと、何してんのよ」
妹「良いじゃん」
幼「ダメ!」
みおが自分の方に引っ張る。
妹「ケチー。和にいにラブラブだから嫌なの?」
幼「別に違うけど」
妹「和にいのこと好きじゃないからあげるってさ」
幼「好きじゃないなんて言ってないじゃん」
妹「言ったよー、ラブラブじゃないって」
幼「ううー、いじめる……」
俺「まあ昨日たくさん好きって言ってくれたから、今言わなくても分かるけどね」
妹「ひゅうひゅーう」
幼「好きなんて言ってないもん」
俺「じゃあ俺の記憶違いだ」
幼「そうそう。お前の妄想」
妹「和にいはお姉ちゃんのわがままに付き合ってあげて優しいね。よしよし」
幼「よしよしすんな!
それにお前も大人しく頭を出すな!」
◇
妹「和にいに誕生日プレゼントあげたの?」
幼「あげてないよ」
妹「ひどーい!」
俺「いや、プレゼント要らないからみおに誕生日とクリスマス我慢してもらうことになったんだよ。
みおの誕生日もクリスマスもちょっと仕事やらなんやらでどこにも連れて行ってあげられなさそうでさ。
プレゼントもちょっと良いの用意出来るか分からないし」
妹「じゃあクリスマスも何もしないの?」
俺「俺はハンターハンターって漫画を買ってもらえるみたい」
妹「漫画だけかよてめえは」
幼「だって和君がそれが一番ほしいって言うんだもん」
俺「ちょうどその頃に出るんだよね」
妹「和にい、本当にそれで良いの?
こんなやつに遠慮しないで良いんだよ?」
俺「うん。今は別に高い物でほしいのないから」
妹「バレンタインはちゃんとプレゼントもらうんだよ?」
俺「バレンタインは手作りのスライムのぬいぐるみがほしいんだけど無理そうなんだよね」
幼「ちょっ、思ってたより大変そうって言っただけでしょ!?」
妹「絶対やらないと思う」
俺「俺も」
幼「あー、和君まで!
もう絶対作ってあげない!」
俺「わっ、ごめんごめん」
妹「ダメだよ下手に出ちゃ、尻にしかれちゃうよ?」
もう手遅れです。
◇
幼「ご飯どうする?
誰かが時間通りに来ないから用意ないし」
妹「ごめんごめん」
俺「なっちゃんが俺の不味いので我慢してくれるなら作るけど」
妹「えー、ダメだよ誕生日なのに」
俺「良いよ良いよ。二人でもっと話してなよ。たくさん話あるでしょ?」
幼「別に大丈夫だけど」
妹「うんうん。和君が主役なんだからさ」
俺「去年の誕生日もそんな感じで何もしなかったな」
妹「去年みたくどっかで食べようか?」
幼「そうね。でも居酒屋こいつが食えないからな」
俺「大丈夫だよ」
幼「んー、あそこのお好み焼きにしない?」
俺「たこ焼き作れるとこ?」
幼「うん、あの子の働いてるとこ」
俺「良いね」
妹「誰か友達?」
幼「こいつの浮気相手」
俺「違うよ」
幼「隠れて合鍵もらってんの」
妹「なんだモテるんじゃん」
俺「いや、家の鍵じゃなくて自分の部屋の鍵でさ」
妹「それってオーケーってことじゃね?」
幼「だよね」
俺「な、何がさ!?」
妹「いつでもオーケー」
幼「だよねだよね」
俺「だから何がさ!?」
最終更新:2010年01月11日 21:43