三十年後のおそ松くんとは『おそ松くん』の中のエピソード。
初出は1965年4月の少年サンデーである。文庫版12巻および電子書籍版11巻で読むことが可能。
本項目ではこのエピソードが下敷きになった1988年版アニメ『おそ松くん』の「四十年後のイヤミザンス!」についても解説する。
概要
ねえ、六つ子やチビ太やイヤミやデカパンが
三十年後にはどうなってるだろう?
タイトルどおり、元々の『おそ松くん』の三十年後の世界を描いた話である。
10歳の頃は見た目で全く区別のつかなかった松野家の六つ子が40歳の中年になると、それぞれ個性的な外見になっている。
六つ子はデカパンが社長を務める製薬会社の研究員として働いており、イヤミはその会社の受付係、チビ太は社長秘書である。
社長は若返りの薬を研究することを六つ子たちに命じていたが、作れてもすぐに効果が切れてしまったり、イヤミが薬を狙ったりしている。果たして薬は完成するのか……
かつてのイヤミのような髭が生えた以外は、若い頃と大きくは変わっていない。
六つ子で一番若く見えるらしい。
カラ松
髭をはやしている。頭はいわゆるバーコードハゲである。
おそ松からは「うすっパゲ」と呼ばれる。
チョロ松
鼻の下にチョビ髭。頭はいわゆる「波平さんヘアー」
おそ松からは「ハゲ」と呼ばれる。
一松
七三頭に丸い黒縁の眼鏡をかけている。
おそ松からは「メガネ」と呼ばれる。
十四松
ぼさぼさの頭に無精髭を生やしている。
トド松
坊主頭のような髪型をしている。髭は生やしていない。
チビ太
体格は変わっていないが、皺が出来、チョビ髭が生えた。
イヤミ
出っ歯は健在だが髪は全て白髪になった。
元気のいいシェーができなくなったらしい。
デカパン
30年前は少しはあった髪の毛が全てなくなり皺が増えた。髭も白髪になっている。
四十年後のイヤミザンス!
本エピソードのアニメ版。ただしアレンジが多く加わっており、原作のままのチョロ松以外の六つ子の外見は共通であった。彼らの年齢は50歳という設定になっている。
また、原作ではデカパンのために若返りの薬を作っていたが、アニメ版ではお見合いを控えた50歳のトト子のために若返りの薬をつくることになっている。
おそ松くん第75話
「四十年後のイヤミザンス!」
「おはようございますザンス。チョロ松ちゃん、頭が涼しそうザンスね。」(イヤミ)
時は西暦2029年、50歳になった六つ子はデカパン製薬会社に勤めているサラリーマンになっていた。しかも全員独身でチョロ松の頭だけがなぜかハゲているのだ。
ハタ坊は2人の孫を持つおじいちゃんで、チビ太はデカパン製薬会社の部長。すなわち、六つ子の上司なのである。イヤミはデカパン製薬会社の守衛をしていた。そしてこの会社の社長であるデカパンは100歳になったにも関わらずとても元気だった。
そんな中、社長令嬢のトト子が突然、若返る薬を作って欲しいと頼んできた。トト子は六つ子と同じく50歳なのだが、文通で21歳だと嘘をついていた。その文通相手と明日のお昼にファミリーレストランで会う事になっているのだ。
そんなトト子のために若返る薬を作った六つ子だったが、効き目が短いなどなかなかうまくいかなかった。
その夜、六つ子の研究室に忍び込んだチビ太部長は見回りをしていたイヤミと2人で若返る薬を作って飲んだが若返りすぎて赤ん坊になってしまった。
果たして若返る薬は完成するのか!?そしてトト子の結婚の行方やいかに!?
このお話の原作は「三十年後のおそ松くん」といって、題名の通り30年後の世界を描いたものでした。(竹書房文庫版では12巻に収録されている。)
今回はさらに10年加算された40年後のお話で、原作では登場しなかった六つ子の両親やトト子やダヨーンが出演するなどボリューム感があって良かったです。
また、ラストで薬を飲んで若返ったおそ松達が「虹の涙」の替え歌を歌うシーンも必見です。
(1989年10月14日放送)
最終更新:2015年10月19日 14:58